本当はヤバイ!韓国経済

三橋貴明著/彩国社/2007年7月3日/1429円(税別)

<本の帯より>
泥沼の国際収支と六つ子の赤字! 世界で唯一の赤字中央銀行!
恐怖の全教祖と平準化教育! 逃げ出す人・金・工場! 大丈夫か?韓国

<目次より>
第一部 悪循環にもがく韓国経済
 第1章 六つ子の赤字
 第2章 泥沼の国際収支
 第3章 円キャリーの逆襲
 第4章 通貨危機再来の悪夢

第二部 崩壊する韓国社会
 第5章 韓国輸出企業の実態
(国内で独占で荒稼ぎ、海外で品質がいまいちなので薄利多売)
 第6章 恐るべし全教祖と平準化教育
(日本のゆとり教育が、まともに思えてくる!)
 第7章 植民地経済大国
(金融機関等の大企業は、97年の危機以後、米系のファンドの支配下にある!)
 第8章 逆単身赴任の悲惨な現実
(国内の教育に絶望して、小学校から留学開始、父は国内で単身稼いで送金!)
 第9章 深刻な国内空洞化
 第10章 KOSPI(韓国株式市場)最高値の疑惑
(外資系ファンドの指示で自社株買いで、高値実現か?)
 第11章 崩壊する韓国社会
 第12章 急増する脱南者
(05年は、8万人が海外へ永住!生まれ変わったら韓国以外に生まれたいが半分以上!)
 第13章 GDP5.0%成長の謎
(中国だけでなく、韓国も、お前もか?! 統計の操作か?)
 第14章 報道の信頼性(かなりいい加減、といいたいようだ!)

 久しぶりにキレのいい本である。
 韓国の新聞の引用が多いので、若干読みづらい気がするが、韓国の現状を淡々と述べて、その惨状を、これでもか、これでもかと示している。入門書に徹して、分り易く書き直せば、ベストセラー間違いないと思う。読後、反日の韓国が可哀想になってしまった。
「前章まで、韓国の輸出企業の衰退、暴虐な労働組合、貧弱な企業の技術力、拙劣な平準化教育、全教祖による子供たちの洗脳、外資系ファンドの企業支配、教育難民、頭脳流出、設備投資の国外流出、投機場と化した株式市場、異常な不動産バブル、絶望的な多重債務者、社会の二極分化等について、国際収支と絡めて解説した。」(同書214頁)。
 私の周りにいる韓国人たちからの情報などを、この本でかなり整理することができた。
 曰く、なぜ、韓国の大学生が日本に働きにきているのか、韓国の子供たちが小さいうちから海外へ留学へ行くのか、なぜ韓国の非上場株式を熱心に日本で売りに来ているのか、日本企業はなぜ韓国へ進出しないのか(消費者金融は別のようである。本書参照)などである。
 日本の隣国がどうなっているのか少しでも関心がある人は、是非、読むべきだと思う。そして、関心がない人も、ひとたび、韓国経済がいかに日本の経済と結びついているかを理解するためにも、ビジネス関係者は、必読の本ではないか、と思う。
 韓国の崩壊は近い!と本書で言われているが、その波及効果で、日本経済もそれないの打撃(日本からの機械や部品の輸出と韓国への貸付金の大きさからすると、多分、大打撃だろう。)を受けるのも、間近だと思えてならない。

(2007年8月15日)