アンドラ公国
(Principality of Andorra)
出典:外務省 各国・地域情勢(2011年7月現在)
一般事情
1.面積
468平方キロメートル
2.人口
84,000人(2008年、国連統計部)
3.首都
アンドララベリャ
4.言語
カタルニア語(公用語)、スペイン語、ポルトガル語、フランス語
5.宗教
国民の大多数がカトリック
6.略史
(1)10世紀以来、宗主のウルヘル司教と、司教から封土としてアンドラを与えられていたフォア伯爵との間で統治権をめぐる争いが発生した結果、両者は、1278年に対等の封建領主権(徴税権、裁判権、徴兵権)を共有する「対等の宗主契約」を結び、以後、両者がアンドラの共同領主となった。
(2)共同領主の地位は、司教側で現在に至るまで代々ウルヘル司教に引き継がれているが、フォア伯爵側では当時のフォア伯爵がフランス王(ブルボン朝初代のアンリ4世)として即位して以来、フランス国王に引き継がれ、フランス共和国となった後はフランスの国家元首(大統領)に継承されている。
(3)1993年2月には新憲法がアンドラ国会で可決、同年3月住民投票で賛成多数で承認され、アンドラは国家として独立した。フランス及びスペインは1993年6月1日に、アンドラ公国を主権国家として明示的に承認した。ただし、国家元首は引続きフランス大統領とウルヘル司教が共同元首。また、同年7月国連加盟国の全会一致で国連加盟が認められた。
政治体制・内政
1.政体
共同元首を擁する議会制
2.共同元首
フランス大統領及びウルヘル司教(在スペイン)
3.議会
(1)一院制(28議席、2011年4月3日総選挙、任期4年)
- 民主党 20
社会民主党 6
ラウレディアネ連合 2
(2)選挙制度
大選挙区制と比例代表制の並立制
4.政府
2011年5月13日マルティ・プティ民主党内閣発足
(1)首相:アントニ・マルティ・プティ
(2)外相:ジルベール・サボヤ・スンエ
外交・国防
1.外交
(1)1993年2月の独立(憲法制定)以前、アンドラの外交権は基本的には共同元首であるウルヘル司教とフランス大統領が有していたが、ウルヘル司教は外交組織(外務省、大使館等)を有せず、実質的にはフランス大統領がフランス外務省を通じてアンドラの外交権を行使してきた。
(2)新憲法では、主権はアンドラ国民に属する旨明記され、共同元首は象徴的な地位となり、仏スペイン両国との均衡関係の維持を保障するとされている。共同元首の権限は憲法上限定されており(大使の接受、法律・条約の認証等)、外交権はアンドラ政府が行使することとなった(但し条約の締結権は国会が有する)。
(3)1993年に国連に、1994年には欧州評議会に加盟したが、EUには加入していない。また、現在WTOへの加盟交渉中である。
2.軍事力
軍隊は保持していない
経済
1.主要産業
観光業、サービス産業、タバコ産業
2.GDP
37億1200万ドル(2008年、国連統計部)
3.一人当たりGDP
43,975ドル(2008年、国連統計部)
4.総貿易額
(1)輸出 1億5,050万ドル
(2)輸入 17億6,170万ドル
(2006年、国連統計部)
5.主要貿易相手国
スペイン、フランス、ドイツ
(2006年、国連統計部)
6.通貨
ユーロ
7.経済概要
(1)アンドラの主要な経済パートナーはEUであり、財政収入の大部分を輸入税に頼っている。
(2)政府は基幹産業である観光業及びサービス業の振興に継続して努力している。
二国間関係
1.外交関係等
日本は1993年12月アンドラ公国を承認し、1995年10月に外交関係を開設した。在フランス日本国大使館が同国を兼轄している。日本にはアンドラの大使館は設置されていない。
2.要人往来
1996年 ミノベス国連常駐代表(オピニオン・リーダー招聘)
1997年 マス・リボ元外相(オピニオン・リーダー招聘)
2005年 マルク・フォルネ・モルネ首相(実務訪問賓客)
3.在留邦人数
4人(2010年10月現在我が国)