ベリーズ
(Belize)
出典:外務省 各国・地域情勢(2011年2月現在)
一般事情
1.面積
22,963平方キロメートル(四国より少し大きい。日本の約16分の1)
2.人口
30.7万人(2009年 ECLAC)
3.首都
ベルモパン
4.民族
メスティーソ49%、クレオール25%、マヤ11%、ガリフナ6% その他10%
5.言語
英語(公用語)、スペイン語、クレオール語、マヤ語、ガリフナ語等
6.宗教
キリスト教(カトリック、プロテスタント、英国国教会等)等
7.略史
年月 | 略史 |
---|---|
1502年 | コロンブスにより「発見」、メキシコ副王領(スペイン領)に編入 |
1798年 | 英国人入植者、スペイン軍に勝利し、自治拡大 |
1821年 | スペインから独立したグアテマラが領有権を主張 |
1862年 | ジャマイカ総督領に編入(英領ホンジュラスとして正式に宣言された) |
1884年 | ジャマイカ総督の管轄から切り離され、英領ホンジュラス総督が設置された。 |
1981年 | 独立 |
1991年 | グアテマラがベリーズを承認 |
政治体制・内政
1.政体
立憲君主制
2.元首
エリザベス二世女王
3.議会
二院制(上院9名、下院31名)
4.政府
(1)首相名 ディーン・バーロウ
(2)外相名 ウィルフレッド・エルリントン
5.内政
(1)1981年の独立以来、イギリス式議会制度の下で安定した民主主義が継続している。主要政党は民主連合党(United Democratic Party:UDP)と人民連合党(People's United Party:PUP)の2政党であり、政権はこの二大政党間で交互に交替してきている。
(2)1998年8月の総選挙で野党のPUPが29議席中26議席を占め勝利し、サイード・ムサ党首PUPが首相に就任した。2003年3月、PUPは総選挙で再び勝利し、第二次ムサ政権が発足した。ムサ政権は、与党PUPが議会の大半の議席を占めていたため、当初安定していた。しかしながら、積極財政路線、対外債務が政権発足時の2倍に膨れあがったため、2004年頃から各種格付け会社等が相次いでベリーズ国債の格下げを発表し、その頃から、政府の不透明な財政運営に対する不満が徐々に高まった。同年夏には、ムサ政権の閣僚が社会保障基金の資金を流用していたことが暴露され、これに伴い政府の7閣僚が一時辞表を提出する騒ぎが起きるなど、政情不安定化の兆しを見せた。さらに、2005年1月に、財政再建のための増税等の不人気政策を含む予算案が議会に提出されると、国民の怒りが爆発し、同年2月から3月にかけてムサ首相の辞任を求めて建国以来最大規模のストライキ・反政府デモが実施され、ムサ政権の存続が危ぶまれた。ムサ政権は、この様な危機に直面して、一連のスト・デモを組織していた労働組合との粘り強い交渉を経て、事態の収拾に成功した。しかし、2007年5月には、ムサ首相が民間保険医療機関への政府資金投入を閣議の承認なしに決定したことが発端となり、国民の不満が高まった結果、数名の閣僚が辞任し、内閣改造が実施された。
(3)このような状況の中、2008年2月の総選挙では、下院議員が31に拡大する中、UDPが25議席、PUPが6議席を獲得。ディーン・バーロウUDP党首が首相に就任し、政権交代が実現した。
外交・国防
1.外交基本方針
(1)英国との伝統的友好関係を重視(英連邦加盟国)(1994年末まで英軍駐留)
(2)カリブ共同体(CARICOM)加盟国としてカリブ諸国と良好な関係。2000年12月には中米統合機構(SICA)にも正式加盟し、中米諸国の一員としての活動も活発化
(3)台湾承認国
(4)グアテマラとの間に国境問題があり、現在仲介プロセス進行中。2008年12月、両国はICJ付託について合意。他方、本件に関する国民投票の実施は不透明
2.軍事力
(1)予算 不明(2008年:ミリタリーバランス2010)
(2)兵役 志願制
(3)兵力 1,050人(陸軍1,050人(推定))(ミリタリー・バランス2010)
経済(単位 米ドル)
1.主要産業
農業(砂糖、柑橘類、バナナ)、水産業、観光業
2.GNI
1,205百万米ドル(2008年 世銀)
3.一人当たりGNI
3,740米ドル(2008年 世銀)
4.GDP成長率
0%(2009年 ECLAC)
5.インフレ率
128.6(2008年)、131.2(2009年) (IMF指数 / 2000年 = 100)
6.失業率
13.1%(2009年 ECLAC)
7.貿易額
(1)輸出 382百万ドル(2009年 ECLAC) (財、F.O.B.)
(2)輸入 621百万ドル(2009年 ECLAC) (財、F.O.B.)
8.主要貿易品
(1)輸出 砂糖、バナナ、果汁、衣類、水産品
(2)輸入 機械類・輸送機材、燃料、化学製品、薬品、食品
9.主要貿易相手国(2008年 WTO)
(1)輸出 米国、EU、コスタリカ、トリニダード・トバゴ、メキシコ
(2)輸入 米国、蘭領アンティル諸島、メキシコ、パナマ、チリ
10.通貨
ベリーズ・ドル
11.為替レート
1米ドル=2.00ベリーズ・ドル(固定)
12.経済概況
主産業は砂糖、バナナ、柑橘類などの農業であり全外貨収入の約70%、労働力の約20%を占めている。砂糖価格の低迷、バナナ輸出のEU割当の廃止等により、今後は砂糖・バナナ以外の農産物生産の多様化が課題である。最近観光などのサービス業の比重が増加。
世界経済危機と自然災害、石油価格の低下により経済成長率は鈍化したが、2010年央には回復基調に転じた。貿易赤字、対外債務が引き続き懸案となっている。
経済協力(単位:億円)
1.日本の援助実績
(1)有償資金協力(2008年度まで、交換公文ベース) 実績なし
(2)無償資金協力(2008年度まで、交換公文ベース) 2.08億円
(3)技術協力実績(2008年度まで、JICAベース) 13.22億円
2.主要援助国(2005年)
(1)カナダ (2)米国 (3)日本 (4)イタリア (5)アイルランド
二国間関係
1.政治関係
1981年9月21日の独立と同時に、日本はこれを承認。1982年11月3日外交関係開設。1984年3月27日より日本大使館設置(在メキシコ大使館が兼轄。2006年1月1日より、日本在ジャマイカ大使館が兼轄している。)。ベリーズは、1984年駐日名誉領事設置(1995年7月3日名誉総領事に昇格)。2001年8月駐日大使館(実館)を開設。2009年1月、日本は駐ベリーズ・シティ名誉総領事を設置。
2.経済関係
対日貿易(2009年 JETRO貿易統計)
- (1)貿易額
- 対日輸出 4.7億円
対日輸入 6.0億円 - (2)主要品目
- 対日輸出 果汁、天然真珠、調味料
対日輸入 船舶、船外機、自動車
3.文化関係
文化無償協力 1件(国土芸術院へのビデオ、音響、照明機材供与)(1997年)
4.在留邦人数
38人(2009年10月現在)
5.在日当該国人数
9人(2009年12月現在)
6.要人往来
(1)往
年月 | 要人名 |
---|---|
1981年 | 内藤特派大使(独立式典) |
1983年 | 山下徳夫衆議院議員 |
1984年 | 同上 |
2001年 | 山口泰明外務大臣政務官 |
2006年 | 金子恭之農水大臣政務官 |
(2)来
年月 | 要人名 |
---|---|
1984年 | ムサ教育・スポーツ・文化・経済開発相 |
1985年 | アラゴン保健・労働・スポーツ相 |
1986年 | リンド農業相 |
1990年 | ゴードン総督(即位の礼) |
1995年 | ガルシア農業・漁業相 |
1996年 | エスキベル首相 |
1998年 | マルティネス通産相 |
2000年 | シルバ農水・共同組合相(第1回日・カリコム外相会議) |
2005年 | ブリセーニョ副首相 |
2010年 | エルリントン外相(第2回日・カリコム外相会議)、ヴェガ副首相兼天然資源・環境相(生物多様性条約COP10) |
7.二国間条約・取極
1999年 青年海外協力隊派遣取極
2006年 技術協力協定