ブルネイ・ダルサラーム国
(Brunei Darussalam)
出典:外務省 各国・地域情勢(2011年3月現在)
一般事情
1.面積
5,765平方キロメートル(三重県とほぼ同じ)
注※三重県は5,777平方キロメートル。愛知県(5,164平方キロメートル)より大きく、茨城県(6,096平方キロメートル)より小さい。)
2.人口
41.4万人(2010年)
(外国人在留者含む、出典:「Brunei Darussalam Key Indicators 2010(ブルネイ政府首相府経済企画開発局(以下JPKE))」)
3.首都
バンダルスリブガワン
4.民族
マレー系(含その他の先住民族)66.6%、中華系11%(出典:「Brunei Darussalam Statistical Yearbook 2008 」)
5.言語
- 憲法で公用語はマレー語と定められている。
- 英語は広く通用し、華人の間では中国語もある程度用いられている。
6.宗教
イスラム教(国教)、キリスト教、仏教等
7.略史
年月 | 略史 |
---|---|
14世紀末 | アラク・ベタタール王がイスラム教に改宗して初代スルタン・モハマッドとなる |
16世紀 | マゼラン艦隊、ブルネイ湾に入港 第5代スルタン・ボルキアの統治下、サバ州、サラワク州及びフィリピン南部を統治、ブルネイ王国の最盛期 |
1888年 | 英国と保護協定を結び、外交を英国が担当 |
1906年 | 内政を含め英国の保護領となる |
1959年 | 内政の自治を回復 |
1962年 | アザハリの反乱(ブルネイ人民党のメンバーによる、スルタン制及びブルネイのマレーシア連邦参加に対する反乱) 非常事態宣言を発布(現在に至る) |
1984年 | 英国より完全独立(1月1日) |
政治体制・内政
1.政体
立憲君主制
2.元首
ハサナル・ボルキア国王(第29代スルタン)
3.議会
1984年の独立直後から停止されていたが、2004年9月に再開され、議会の構成に関する憲法改正が行われ、構成議員の一部を選挙で選出することが規定された(ただし、選挙の実施時期は未定)。
4.政府
(1)首相 ハサナル・ボルキア国王が兼任
(2)外務貿易相 モハメッド・ボルキア殿下(国王の実弟)
5.内政
国王は宗教上の権威であるとともに、独立以来国政全般を掌握(現在も国王が首相、国防相及び財務相を兼任)。石油と天然ガス産出により経済水準も高く、社会福祉も充実している。「マレー主義、イスラム国教、王制擁護」を国是とする。
外交・国防
1.外交基本方針
独立後直ちに英連邦、ASEAN、イスラム諸国会議機構及び国連に加盟。ASEAN諸国との連携を重視。1992年に非同盟諸国会議に加盟。
2.軍事力
(1)歳出 16億5,000万ブルネイドル(約10億400万米ドル、2009年歳出の18.5%、出典:国防省プレスリリース)
(2)兵力 志願制 陸海空三軍の合計約8,300人(陸軍:約5,000人、海軍:約1,100人、空軍:約1,200人)、またグルカ兵約3,050名(現役約1,050人、退役約2,000人)が王宮等主要な建物の警備にあたっている。
経済
1.主要産業
石油・天然ガス
(産出量:石油(16.8万バレル/日)、天然ガス(114億立方メートル/年))
(出典:「BP statistical review of world energy 2010」)
2.名目GDP
204億ブルネイドル(2008年)、156億ブルネイドル(2009年)
(出典:「JPKEプレスリリース」)
3.1人当り名目GDP
51,300ブルネイドル(2008年)、38,400ブルネイドル(2009年)
注※GDPの約5割を占める石油、天然ガス部門の動向に大きく左右される。
(出典:「JPKEプレスリリース」)
4.実質GDP成長率
2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | |
---|---|---|---|---|
実質GDP成長率(%) | 4.4 | 0.6 | -1.9 | -1.8 |
(出典:「JPKE GDPプレスリリース」)
5.物価上昇率
2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | |
---|---|---|---|---|
物価上昇率(%) | 0.2 | 1.0 | 2.1 | 1.0 |
(出典:「JPKE CPI REPORT MAY 2010」)
6.失業率
2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | |
---|---|---|---|---|
失業率(%) | 4.0 | 3.4 | 3.7 | 3.5 |
(出典:「Brunei Darussalam Key Indicators 2009」)
7.総貿易額(2009年)
(1)輸出 10,430.2百万ブルネイドル
(2)輸入 3,491.9百万ブルネイドル
(出典:「JPKEプレスリリース 2009」)
8.貿易品目(2009年)
(1)輸出 天然ガス、石油(この二品目で総輸出額の96.1%)、その他
(2)輸入 動物性又は植物性の油脂及びその分解生産物、調整食用脂、並びに動物性又は植物性のろう(26.4%)、機械・輸送機器(13.5%)、食料品及び動物(6.1%)、工業製品(2.5%)、その他
(出典:輸出「JPKE External trade Statistics 2009」、輸入「JPKE MEDIA RELEASE EXTERNAL TRADE STATISTICS 2009」)
9.貿易相手国(2009年)
(1)輸出 日本(46.1%)、韓国(11.6%)、インドネシア(10.8%)、インド(8.6%)、豪(7.3%)
(2)輸入 ASEAN諸国(51.8%)、EU(10.3%)、米国(13%)、日本(8.9%)、中国(5.8%)
(出典:「JPKEプレスリリース」)
10.通貨
ブルネイ・ドル
11.為替レート
1ブルネイ・ドル=約64.3円(2011年2月末現在)
(注※ブルネイ・ドルはシンガポール・ドルと等価交換されている)
12.経済概況
豊富な石油、天然ガス生産により安定した経済、高い所得水準を維持してきたが、2008年及び2009年におけるブルネイの経済成長率は世界金融危機で資源価格が大幅に下落したこともありマイナスとなった。エネルギー資源への過度の依存から脱却すべく、石油・天然ガスを原料にメタノール等を製造する石油「川下」産業の開発等経済の多様化を目指している。
経済協力
1.概要
技術協力を中心にODA協力を実施してきたが、1996年1月、ODA卒業国となったため、1998年度をもって終了。
2.1998年度までの実績
技術協力:39.28億円
(研修員受入:1,134人、調査団派遣:114件、延べ237人、機材供与:4.163億円、プロジェクト技協:2件、開発調査:5件)
二国間関係
1.政治関係
活発な要人往来が行われる等両国関係は良好。
2.経済関係
(1)対日貿易
- (イ)品目
- 輸出(ブルネイ→日本) 石油・天然ガス
輸入(日本→ブルネイ) 車両及びその部品、管及び管用継手 - (ロ)貿易額(単位:億円、出典:財務省貿易統計)
-
2003年 2004年 2005年 2006年 輸出(日本→ブルネイ) 112 117 115 118 輸入(ブルネイ→日本) 2,116 2,045 2,525 2,718 2007年 2008年 2009年 2010年 輸出(日本→ブルネイ) 145 187 152 131 輸入(ブルネイ→日本) 2,943 4,701 3,111 3,598
(2)日本からの直接投資(単位:百万ブルネイ・ドル、出典:「Brunei Darussalam Statistical Yearbook 2007」)
2002年 | 2003年 | 2004年 | 2005年 | 2006年 | 2007年 | |
---|---|---|---|---|---|---|
日本からの直接投資 | 528.5 | 7.6 | 26.5 | 33.9 | 56.0 | 115.5 |
3.在留邦人数
157名(2009年10月1日現在)
4.在日当該国人数
31名(2009年12月31日現在)
(出典:「法務省 入国管理局統計」)
5.要人往来(1990年以降)
(1)往
年月 | 要人名 |
---|---|
1991年4月 | 海部総理(ASEAN諸国訪問) |
1993年1月 | 宮澤総理(ASEAN諸国訪問) |
1995年7月 | 河野外相(ASEAN拡大外相会議) |
1995年9月 | 橋本通産相 |
1996年9月 | 常陸宮同妃両殿下 |
1997年1月 | 橋本総理(ASEAN諸国訪問) |
2000年9月 | 宮澤蔵相(APECブルネイ会議) |
2000年11月 | 平沼通産相(APECブルネイ会議) |
2000年11月 | 河野外相(APECブルネイ会議) |
2000年11月 | 森総理(APECブルネイ会議) |
2001年11月 | 小泉総理(ASEAN+3首脳会議) |
2001年12月 | 熊谷日・ブルネイ友好促進議員連盟会長一行 |
2002年1月 | 綿貫衆議院議長 |
2002年2月 | 杉浦外務副大臣 |
2002年7月 | 川口外相(ASEAN+3外相会議等) |
2002年9月 | 平沼経済産業大臣(ASEAN+3経済大臣会議等) |
2003年1月 | 矢野外務副大臣 |
2004年5月 | 渡部恒三日・ブルネイ友好促進議員連盟会長一行(日ブ国交樹立20周年記念式典) |
2004年9月 | 皇太子殿下(ビラ皇太子結婚式出席) |
2005年6月 | 町村外相(ASEAN諸国訪問) |
2007年4月 | 田村総務副大臣(実務訪問) |
2007年5月 | 甘利経済産業大臣(日ASEAN経済大臣会合) |
2007年8月 | 富田財務副大臣 |
2008年5月 | 宇野外務大臣政務官 |
2010年1月 | 藤本国土交通大臣政務官(ASEAN+3観光大臣会合) |
(2)来
年月 | 要人名 |
---|---|
1990年11月 | ハサナル・ボルキア国王、ジェフリ蔵相(即位の礼参列) |
1993年11月 | ザカリア運輸・通産相 |
1994年10月 | フセイン文化・青年・スポーツ相 |
1995年3月 | モハメッド外相(外務省賓客) |
1995年11月 | ハサナル・ボルキア国王、ジェフリ蔵相、ラーマン産業一次資源相(APEC大阪会議) |
1996年12月 | フセイン文化・青年・スポーツ相 |
1998年3月 | アジズ教育相(外務省賓客) |
1999年5月 | ラーマン産業・一次資源相 |
2000年6月 | ラーマン産業・一次資源相(小渕元総理合同葬参列) |
2000年8月 | モハメッド外相(非公式の訪問) |
2000年10月 | ハサナル・ボルキア国王(非公式の訪問) |
2001年4月 | ラーマン産業一次資源相 |
2001年9月 | ラーマン産業・一次資源相(APEC人材養成熊本会合) |
2002年3月 | ビラ皇太子(非公式招待) |
2002年5月 | ラーマン産業・一次資源相 |
2002年8月 | モハメッド外相(東アジア開発イニシアティブ閣僚会合) |
2002年9月 | アジズ教育相 |
2002年9月 | アブバカール保健相(WHO西太平洋委員会) |
2003年12月 | ハサナル・ボルキア国王、モハメッド外相、イサ国王特別顧問兼内相、ラーマン産業・一次資源相(日・ASEAN特別首脳会議) |
2004年12月 | モハメッド外相(非公式の訪問) |
2005年5月 | モハメッド外相(ASEM外相会議) |
2005年5月 | ラーマン産業・一次資源相(愛・地球博) |
2006年5月 | ヤヒヤ・エネルギー相(非公式の訪問) |
2006年6月 | マスナ王女(東アジア男女共同参画大臣会合) |
2006年9月 | カウィ殿下(21世紀パートナーシップ招聘) |
2007年5月 | ヤヒヤ・エネルギー大臣(非公式の訪問) |
2007年6月 | ハサナル・ボルキア国王(日ブルネイ経済連携協定署名) |
2008年5月 | ヤヒヤ・エネルギー相(非公式の訪問) |
2008年7月 | モハメッド・ボルキア外務貿易相(外務省賓客) |
2009年1月 | モハメッド・ボルキア外務貿易相(日ブルネイ租税協定署名) |
2009年11月 | モハメッド・ボルキア外務貿易相(旭日大綬章受章) |
2010年1月 | モハメッド・ボルキア外務貿易相(FEALAC第4回外相会合) |
2010年5月 | ヤヒヤ産業・一次資源相 |
2010年6月 | ヤスミン・エネルギー相(APECエネルギー大臣会合) |
2010年10月 | スヨイ開発相(第8回アジア太平洋地域インフラ担当大臣会議)、ヤヒヤ産業・一次資源相(APEC中小企業大臣会合、APEC食料安全保障担当大臣会合、COP10)、アブドゥラ通信相(APEC電気通信・情報産業大臣会議) |
2010年11月 | ハサナル・ボルキア国王(天皇陛下との御会見、APEC首脳会議) |
6.二国間条約・取極
日・ブルネイ査証免除取極(1986年6月2日発効)
日・ブルネイ航空協定(1994年8月30日発効)
日・ブルネイ経済連携協定(2008年7月31日発効)
日・ブルネイ租税協定(2009年12月19日発効)