カンボジア王国
(Kingdom of Cambodia)
出典:外務省 各国・地域情勢(2011年4月現在)
一般事情
1.面積
18.1万平方キロメートル(日本の約2分の1弱)
2.人口
13.4百万人(2008年政府統計)
3.首都
プノンペン
4.民族
カンボジア人(クメール人)が90%
5.言語
カンボジア語
6.宗教
仏教(一部少数民族はイスラム教)
7.略史
年月 | 略史 |
---|---|
9-13世紀 | 現在のアンコール遺跡地方を拠点にインドシナ半島の大部分を支配。 |
14世紀以降 | タイさらにベトナムの攻撃により衰微。 |
1884年 | フランス保護領カンボジア王国。 |
1953年 | カンボジア王国としてフランスから独立。 |
1970年 | ロン・ノルら反中親米派、クーデターによりシハヌーク政権打倒。王制廃しクメール共和国樹立。 親中共産勢力クメール・ルージュ(KR)との間で内戦。 |
1975年 | KRが内戦に勝利し、民主カンボジア(ポル・ポト)政権を樹立。同政権下で大量の自国民虐殺。 |
1979年 | ベトナム軍進攻でKR敗走、親ベトナムのプノンペン(ヘン・サムリン)政権擁立。 以降、プノンペン政権と民主カンボジア三派連合(KRに王党(シハヌーク)派・共和(ソン・サン)派が加勢)の内戦。 |
1991年 | パリ和平協定。 |
1992年 | 国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)活動開始(1992〜93年、日本初の国連PKO参加。) |
1993年 | UNTAC監視下で制憲議会選挙、王党派フンシンペック党勝利。新憲法で王制復活。ラナリット第一首相(フンシンペック党)、フン・セン第二首相(人民党:旧プノンペン政権)の2人首相制連立政権。 |
1997年 | 首都プノンペンで両首相陣営武力衝突。ラナリット第一首相失脚。 |
1998年 | 第二回国民議会選挙。第一次フン・セン首班連立政権。 |
1999年 | 上院新設(二院制へ移行)。ASEAN加盟。 |
2003年 | 第三回国民議会選挙。 |
2004年 | 第二次フン・セン首班連立政権発足。 シハヌーク国王引退、シハモニ新国王即位。WTO加盟。ASEM参加決定。 |
2006年 | 上院議員選挙 |
2008年 | 第四回国民議会選挙。第三次フン・セン首班連立政権発足。 |
政治体制・内政
1.政体
立憲君主制
2.元首
ノロドム・シハモニ国王(2004年10月即位)
3.国会
二院制
・上院(全61議席、任期6年、チア・シム議長(人民党党首))
・国民議会(下院)(全123議席、任期5年、ヘン・サムリン議長(人民党名誉党首))
4.政府
人民党(第一党)及びフンシンペック党(第四党)による連立政権(首相:フン・セン)
外交・国防
1.外交基本方針
中立・非同盟、近隣国をはじめとする各国との平和共存。国際社会からの援助と投資の取り付け。
2.軍事力(2010年版ミリタリー・バランスより)
(1)国防費 222百万米ドル(2009年)
(2)志願兵役制
(3)総兵力 124,300人(削減中)
経済
1.主要産業
観光・サービス(GDPの38.6%)、農業(GDPの31.7%)、鉱工業(GDPの23.8%)
(2008年、カンボジア政府資料)
2.GDP
約108億米ドル(2009年、IMF資料)
3.一人当たりGDP
768米ドル(2009年、IMF資料)
4.物価上昇率
5.3%(2009年、IMF資料)
5.失業率
不明
6.貿易総額(2009年、カンボジア経済財政省(MEF)資料)
(1)輸出 39億米ドル
(2)輸入 54億米ドル
7.主要貿易品目(2009年、MEF資料)
(1)輸出 衣類(83.5%)、はきもの(3.7%)、金(2.7%)、ゴム(1.8%)
(2)輸入 織物(25.3%)、石油製品(8.1%)、車輌(6.2%)、タバコ(3.3%)、医薬品(1.9%)
8.主要貿易相手国(2009年、カンボジア中央銀行資料)
(1)輸出 香港(33.0%)、米国(31.2%)、シンガポール(9.7%)、カナダ(3.9%)、英国(3.6%)、[日本(1.6%)]
(2)輸入 中国(22.6%)、ベトナム(12.6%)、香港(12.4%)、タイ(11.9%)、台湾(8.8%)、[日本(3.1%)]
9.通貨・為替レート
リエル(1米ドル=約4,180リエル、2009年平均、MEF資料)
10.経済概況
観光業、縫製・製靴などの製造業が成長分野。和平と安定が達成され、経済も徐々に回復してきており、2004年から2007年まで年率二桁の経済成長率を記録したが、世界経済危機の影響を受け、IMFによれば2008年の成長率は6.7%、2009年はマイナス2.0%となった。2008年9月に発足した第4期王国政府は持続的成長と貧困削減を実現するためガバナンスの強化と高い経済成長率の達成のため改革に引き続き取り込む方針。そのためには、投資環境の改善と海外直接投資の誘致が重要。
経済協力
1.日本の援助実績
(1)有償資金協力 約313億円 (2009年度までの累計)
(2)無償資金協力 約1,383億円 (2009年度までの累計)
(3)技術協力 約555億円 (2009年度までの累計)
2.DAC内主要援助国(2008年支援額)(単位:百万ドル、出典:DAC2008)
日本(114.8)、米(69.8)、豪(39.0)、仏(35.2)、独(33.8)
二国間関係
1.政治関係
日本は1992年3月に駐カンボジア特命全権大使を任命し、在カンボジア大使館を17年ぶりに再開。一方、カンボジア側は1994年12月、1975年以来閉鎖していた在京カンボジア大使館を再開。
2.経済関係
(1)対日貿易(2009年、貿易統計)
- (イ)貿易額
- 日本への輸出 約133億円
日本からの輸出 約105億円 - (ロ)主要品目
- 日本への輸出 靴等(66.8%) 、衣類及び付属品(29.9%)
日本からの輸出 小型船舶(33.7%) 、車輌・部品(18.9%)、機械(縫製用機械等)(17.8%)
(2)日本からの直接投資
- 亜鉛鉄板工場、オートバイ組み立て、自動車販売等
(3)2007年6月、「投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とカンボジア王国との間の協定(いわゆる日カンボジア投資協定)」に署名し、2008年7月末に発効した。
3.文化関係
1993年10月、「アンコール遺跡救済国際会議」(東京)を開催。以降、右会議で設置されたアンコール遺跡保存修復国際調整委員会(ICC)において例年フランスと共に共同議長を務めている。また、1994年より日本国政府アンコール遺跡救済チーム(JSA)を通じ、アンコール遺跡の保存修復活動を実施中。
4.在留邦人数
1,029人(2010年10月現在)
5.在日カンボジア人数
2,651人(2009年12月、入管統計)
6.要人往来
(1)往
年月 | 要人名 |
---|---|
1957年11月 | 岸総理 |
1959年5月 | 藤山外相 |
1993年9月 | 羽田副総理兼外相 |
1995年8月 | 河野副総理兼外相 |
2000年1月 | 小渕総理 |
2001年6月 | 秋篠宮同妃両殿下 |
2002年11月 | 小泉総理 |
2003年6月 | 川口外相 |
2005年6月 | 町村外相 |
2006年8月 | 横路衆議院副議長 |
2009年1月 | 中曽根外相 |
2009年10月 | 岡田外相 |
(2)来
年月 | 要人名 |
---|---|
1953年4月 | シハヌーク国王 |
1955年12月 | シハヌーク首相(国賓) |
1961年10月 | シハヌーク国家首席 |
1984年5月 | シハヌーク民主カンボジア連合政府大統領 |
1988年8月 | シハヌーク民主カンボジア連合政府大統領、子息シハモニ殿下(現国王) |
1989年2月 | ラナリット同妃両殿下(大喪の礼) |
1990年6月 | シハヌーク民主カンボジア連合政府大統領、フン・セン・プノンペン政権首相 |
1992年6月 | シハヌーク最高国民評議会議長 |
1994年3月 | ラナリット第一首相夫妻、フン・セン第二首相夫妻、シリヴット副首相兼外務国際協力相 |
1999年6月 | チア・シム上院議長(5度目) |
2002年3月 | ラナリット下院議長(8度目) |
2003年12月 | フン・セン首相(13度目) |
2005年5月 | フン・セン首相(14度目) |
2007年6月 | フン・セン首相(15度目・公賓) |
2007年10月 | ヘン・サムリン下院議長 |
2009年11月 | フン・セン首相(16度目) |
2010年5月 | シハモニ国王(国賓) |
7.二国間条約・取極
日本・カンボジア友好条約(1955年署名、1956年発効)
日本・カンボジア経済技術協力協定(1959年署名、同年発効)
投資の自由化、保護及び促進に関する日本国とカンボジア王国との間の協定(2007年6月署名、2008年7月末発効)