カナダ
(Canada)

出典:外務省 各国・地域情勢(2011年7月現在)

一般事情

1.面積

998.5万平方キロメートル(世界第2位、日本の約27倍)

2.人口

約3,423万人(2011年加統計庁推計)

3.首都

オタワ

4.言語

英語、仏語が公用語

5.宗教

ローマン・カトリック教(国民の約半分近く)

6.国祭日(2010年)

7月1日 Canada Day(建国記念日)

7.略史

年月 略史
1867年 英領北アメリカ法によりカナダ連邦結成(自治が認められたが、外交権及び憲法改廃権は英国に帰属)
1926年 バルフォア宣言により、英国から外交権を獲得
1982年 1982年カナダ憲法により、英国から憲法改廃権を完全移管

政治体制・内政

1.政体

立憲君主国。イギリス型議院内閣制と連邦主義に立脚。

2.元首

エリザベス二世女王(但し、総督が女王を代表、総督 デービッド・ジョンストン)

3.議会

二院制(上院105名、下院308名)

(1)上院:[議長 ノエル・キンセラ(ニュー・ブランズウィック州出身、保守党)]
 ア 首相の助言により総督が任命(75才定年)
 イ 勢力分野(2011年5月時点、定員105名)

上院の政党別議員数
政党 議員数
保守党 55
自由党 45
その他 5

(2)下院:[議長 ピーター・ミリケン(オンタリオ州出身、自由党)]
 ア 小選挙区制(任期5年)
 イ 勢力分野(2011年5月時点、定員308名)

下院の政党別議員数
政党 議員数
保守党 166(下院議長含む)※注
新民主党 103
自由党 34
ブロック・ケベコワ 4
その他 1

※注 2010年6月2日、第41回連邦議会が開会し、下院議長を選出する投票が行われ、アンドリュー・シーア下院議員が選出された。

4.政府

(1)首相 スティーブン・ハーパー首相(保守党)

(2)外相 ジョン・ベアード外相(保守党)

5.内政

(1)2006年1月23日に行われた第39回連邦総選挙において、ハーパー党首率いる保守党は、重点分野として腐敗防止、減税、育児支援、医療制度改革、犯罪防止の5点を公約に掲げ、マーティン首相(当時)率いる自由党に勝利した。同年2月6日にハーパー首相が就任し、12年ぶりに保守党が自由党から政権を奪回したが、同党議席は過半数(155議席)に及ばず、カナダ憲政史上11度目の少数政権の誕生となった。

(2)ハーパー首相は、前マーティン政権下で37名であった閣僚数を32名に減少させるなど「小さな内閣・小さな政府」作りを行い、前政権との違いを表明した他、閣僚の出身地域バランスへの配慮を見せた。なお、ハーパー内閣では、ベバリー・J・オダ民族遺産・女性の地位問題相が初の日系カナダ人として入閣した。また、ハーパー首相は、州政府との対話関係、協力関係の深化拡大を重視し、特に、ケベック州との関係重視の姿勢を打ち出した。

(3)ハーパー首相は、就任以来、2007年1月、同年8月、2008年1月、同年6月に、それぞれ国務相の設置や、国防・環境政策の強化等を目的とする内閣改造を行いつつ、選挙公約を着実に実施してきたが、2008年9月、下院議会を解散。同年10月14日、第40回連邦総選挙が行われ、保守党は、過半数の議席獲得は再び逃したものの、議席数を16議席増加させて勝利。

(4)2011年3月、下院における不信任案の可決を受け、下院議会が解散。同年5月、第41回連邦総選挙が行われ、保守党は308議席中166議席と過半数を確保し、同月新内閣が発足した。。

外交・国防

1.外交基本方針

 カナダは伝統的に緊密な米加関係を背景に国連、NATO、G8、米州機構等多国間の場を活用した外交を展開。平和構築構想(紛争予防、復興支援)を打ち出すとともに、国連平和維持活動、対人地雷問題、人間の安全保障の推進等に積極的に取組んできた。
 ハーパー政権の優先課題は内政に集中しているが、対米関係を重要な施策の1つとして捉えており、対話重視の協調路線を指向。また、前自由党政権によるアフガニスタンへの積極的な関与を基本的に継承し、同国への加軍派遣を重視。さらに、国防能力の強化を表明している。

2.国防

(1)予算 180億加ドル(2011年)

(2)兵役 なし

(3)兵力 約65,000名の統合軍

経済

1.主要産業(カナダ統計局)

金融・保険・不動産等のサービス業、製造業、建設業、鉱業

2.GDP(名目値、IMF)

1兆5,277億加ドル(2009年)

3.一人当たりのGDP(名目値、IMF)

45,278加ドル(2009年)

4.実質GDP成長率(IMF)

-2.6%(2009年)、0.4%(2008年)

5.消費者物価上昇率(カナダ統計局)

0.3%(2009年(前年比))

6.失業率(カナダ統計局)

8.1%(2009年)

7.主要貿易品目(2008年)

(1)輸出 原油、乗用車、石油ガス、金(未加工)、飛行機その他の航空機、小麦・メスリン、菜種

(2)輸入 原油、乗用車、医療薬(胃腸薬等)、輸送車両、金(未加工)、自動車部品、内燃機関、コンピューター・周辺機器

8.主要貿易相手国(2009年)

(1)輸出 米国、英国、中国、日本

(2)輸入 米国、中国、メキシコ、日本

9.通貨

カナダ・ドル

10.為替レート

(2010年6月末日)1加ドル=83.06円

11.経済概況

加経済は、GDPに占める総輸出額の割合が28.6%と貿易依存度が高く、NAFTA成立(1994年)以降、米国経済の恩恵を受け、GDPは2007年まで年平均3%の成長。輸出の75%、 輸入の57%、対加直接投資の52.5%を米国が占める。2008年は金融危機の影響を受け、個人消費の鈍化等により、成長率は0.4%となり、2009年は-2.6%となったが、2010年は回復し、3.1%(IMF)となる見通しである。

二国間関係

1.全般

日加関係は良好であり、両国の協力分野は多岐にわたる。2009年7月には、天皇皇后両陛下が初めておそろいでカナダを御訪問になった。2010年6月には菅総理がG8ムスコカ・サミット及びG20トロント・サミット出席のため訪加し、カナダからは、2010年11月に横浜APEC首脳会議出席のためハーパー首相が訪日した。また、2010年3月、G8外相会合出席のためカナダを訪問した岡田大臣(当時)は、オタワにてキャノン外務大臣(当時)と外相会談を行い、カナダからは、キャノン外務大臣が、同年11月、横浜APEC閣僚級会議出席のため訪日し、日加外相会談が行われるなど、緊密な意見交換が行われている。

また、日加間では、日加・加日議連を通じた議員間の交流や、平和と安全保障分野での協力、経済協力、日加次官級経済協議の他、漁業、財務・金融、電気通信、観光等幅広い分野に亘る政府間協議、JETプログラム、ワーキング・ホリデー制度等を通じた草の根レベルの交流などが活発に行われている。地方自治体レベルでの姉妹都市関係は、北海道とアルバータ州をはじめ全部で70(このうち、約3分の1が北海道の市町村)。(財団法人自治体国際化協会(2011))。

主要要人往来

年月 要人
2006年1月 高円宮妃殿下御訪加(私的御訪問)
2006年3月 皇太子殿下バンクーバーお立ち寄り
2006年4月 伊藤外務大臣政務官訪加
2006年6月 小泉総理大臣訪加
2006年9月 オコナー国防相訪日
2008年6月 エマソン外相訪日(G8外相会合出席)
2008年7月 ハーパー首相訪日(G8北海道洞爺湖サミット出席及び公賓)
2008年9月 ミリケン下院議長訪日(G8下院議長会議出席)
2009年4月 デイ国際貿易相訪日
2009年5月 キャノン外相訪日(外務省賓客)
2009年7月 天皇皇后両陛下御訪加
2010年3月 岡田外務大臣訪加(G8外相会合出席)
2010年6月 ヴァンローン国際貿易大臣訪日(APEC国際貿易大臣会合出席)
2010年6月 菅総理大臣訪加(G8・G20首脳会議出席)
2010年9月 横路衆議院議長訪加(G8下院議長会議出席)
2010年9月 尾辻参議院副議長訪加(G20上院議長会議出席)

2.経済関係

基本的に良好。加にとって日本は輸出入とも第4位の貿易相手国。2005年1月の日加首脳会談では、日加経済関係をその最大の潜在力まで引き上げることを目指して「創造的な日・カナダ経済枠組み」の形成に関する議論を開始することで合意。同年11月に韓国で行われた首脳会談では、両国首脳が「日加経済枠組み」文書に署名を行い、同「枠組み」の下で協力を行ってきた。

ハーパー政権はアジア太平洋ゲートウェイ戦略を提唱し、アジア地域との関係を重視しており、我が国との経済連携推進に積極的。両国は引き続き「日加経済枠組み」の下で、エネルギーやイノベーション分野での協力を強化している。

(1)対加貿易(2009年)(財務省貿易統計)

主要品目
日本による輸出 (7,228億円) 乗用車・同部品、機械・電気機器
日本による輸入 (8,575億円) 石炭、食料品(菜種、豚肉、小麦、大豆)

(2)直接投資(財務省統計)

対加  218億円(2009年)
対日 -111億円(2009年)

3.在留邦人数

52,890(2009年10月時点)

4.在日当該国人数

11,016(2008年法務省統計資料)