コロンビア共和国
(Republic of Colombia)
出典:外務省 各国・地域情勢(2011年7月現在)
一般事情
1.面積
1,139,000平方キロメートル(日本の約3倍)
2.人口
45.7百万人(2009年世銀)
3.首都
ボゴタ
4.民族
混血75%、ヨーロッパ系20%、アフリカ系4%、先住民1%
5.言語
スペイン語
6.宗教
カトリック
7.略史
年月 | 略史 |
---|---|
1810年 | 独立宣言 |
1819年 | グラン・コロンビア共和国成立 |
1885年 | コロンビア共和国と改称 |
1903年 | パナマ分離独立 |
1948年 | 自由党有力政治家ガイタン暗殺。ボゴタン(ボゴタ騒動)発生。以後の約10年間は「ラ・ビオレンシア(暴力)」の時代と呼ばれる。 |
1953年 | ロハス軍事政権発足(〜1957年) |
1958年 | 自由・保守両党の国民戦線協定成立(〜1974年) |
1991年 | 新憲法制定(1886年憲法を全面改訂) |
2002年 | ウリベ大統領(自由党系右派)就任(2006年再任) |
2010年 | サントス大統領(国民統一党(U党))就任 |
政治体制・内政
1.政体
立憲共和制
2.元首
フアン・マヌエル・サントス・カルデロン大統領(H.E. Dr. Juan Manuel SANTOS CALDERÓN)
(任期4年)
3.議会
二院制:上院102、下院166議席(任期4年)
4.政府
(1)首相名 首相職無し
(2)外相名 マリア・アンヘラ・オルギン・クエジェル(H.E. Ms. María ÁngelaHolguín Cuéllar)外相
5.内政
コロンビアにおいては、1958年に軍事政権が倒れ、以後、基本的に二大政党(保守党・自由党)による政治体制が継続してきた。他方、コロンビアには、コロンビア革命軍(FARC、約8,000人)及び国民解放軍(ELN、約1,800人)等の非合法武装勢力が存在し、40年以上に亘り、政治目的のテロや資金調達のための誘拐等を行っている。その活動資金は麻薬取引等を通して調達されており、治安に対する脅威が依然として存在している。このため、かかる非合法武装勢力の解体と右の平和的な社会復帰が歴代政権の主要懸案事項である。
2002年に発足したウリベ政権は、治安対策を強化しつつ和平交渉の道を模索し、一定の成果をあげたこともあり、就任以来7割に及ぶ高支持率を維持。右を背景に大統領の再選を可能とする憲法改正が実現し、同憲法に基づき行われた2006年大統領選挙で再選された。2期に渡るウリベ政権においては、国軍及び警察官の増強等治安対策に重点的に取り組みつつ、開放経済政策をとり、治安の改善と安定した経済成長を実現した。
2010年に就任したサントス大統領は、基本的に治安対策、開放経済政策は継続しつつ、国民統一の旗印の下、主要政党と連立を組み、国民的合意に基づく政策の実現に向けた政権運営を進めている。
2011年5月には、コロンビアの歴史的、かつ構造的な問題である国内の武力紛争の犠牲者に対する補償を定める犠牲者補償・土地返還法を成立させる一方、非合法武装勢力に対しては軍事的攻勢を継続し、2010年9月に実施した軍事オペレーションにより、FARCナンバー2で、軍事戦略部門の最高責任者であった「モノ・ホホイ」を死亡させている。
外交・国防
1.外交基本方針
歴代政権は、米国との協調を優先しつつ、近隣アンデス諸国、メルコスール諸国及びEU諸国との友好関係を維持、さらに日本を始めとするアジア・太平洋諸国との交流強化を外交政策の基本方針としている。
サントス政権は、ウリベ前政権時代に悪化していたベネズエラ及びエクアドルとの関係を改善し、さらに、ホンジュラスのOAS復帰の仲介を通じてベネズエラとの協力を強化するなどの成果を上げている。
2.軍事力
(1)予算 65億ドル(2009年)
(2)兵役 18〜28歳までの男子:12〜24ヶ月間(義務制)
(3)兵力 285,220人(陸軍237,466人、海軍34,620人、空軍13,134人)(「Military Balance」2009年)
経済(単位 米ドル)
1.主要産業
農業(コーヒー、バナナ、砂糖キビ、じゃがいも、米、熱帯果実等)、鉱業(石油、石炭、金、エメラルド等)
2.GNI
2,245億ドル(2009年世銀)
3.一人当たりGNI
4,990ドル(2009年世銀)
4.経済成長率
4.3%(2010年コロンビア国家統計庁)
5.物価上昇率
2.2%(2010年コロンビア国家統計庁)
6.失業率
10.8%(2010年コロンビア国家統計庁)
7.総貿易額
(1)輸出 398.2億ドル
(2)輸入 406.8億ドル
(2010年コロンビア国家統計庁)
8.主要貿易品目
(1)輸出 石油、コーヒー、石炭、フェロニッケル、バナナ、エメラルド、切り花
(2)輸入 化学品、自動車・同部品、機械、通信機器、食品
9.主要貿易相手国
(1)輸出 米、EU、エクアドル、ベネズエラ、ペルー、ブラジル
(2)輸入 中国、メキシコ、ブラジル、ドイツ、アルゼンチン
10.通貨
ペソ
11.経済概況
- コロンビアは、1980年代の中南米債務危機にも唯一債務繰延を実行せず、一貫してプラス成長を記録し、堅実な経済運営と良好なパフォーマンスを誇ってきた。1999年には1932年以来のマイナス成長を記録したが、2000年以降は持ち直し、継続的に成長を続けている。
- 主要輸出品目は、コーヒー(生産規模世界第3位)切り花(カーネーション及びバラの生産規模は世界最大)等である。また、天然資源にも恵まれており、石油、石炭(南米最大の埋蔵量:約79億トン)、フェロニッケル、金、エメラルド(産出規模世界最大)等が採掘されている。
- 貿易政策面では、2006年11月、コロンビア−米FTA署名、2007年6月、コロンビア議会で批准したものの、以降2011年6月現在まで、米国議会の承認待ちである。
- コロンビアは、アンデス共同体(CAN)の加盟国、メルコスールの準加盟国である。また、メキシコ、チリ、グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラスとの間で自由貿易協定(FTA)が発効しているほか、米、カナダ、EFTA(リヒテンシュタイン、アイスランド、ノルウェー、スイス)とは署名済みである。なお、投資協定(BIT)は、ペルー、スペイン、スイスとの間で発効している。
経済協力(単位 億円)
1.日本の援助実績(2009年度まで累計)
(1)有償資金協力(E/Nベース) 673.16
(2)無償資金協力(E/Nベース) 111.45
(3)技術協力実績(JICA実績ベース) 278.57
2.主要援助国(2009年)
(1)米国 (2)スペイン (3)ドイツ
二国間関係
1.政治関係
1908年5月25日 外交関係樹立
1954年5月28日 外交関係再開
2.経済関係
対日貿易
- 貿易額(2009年)及び主要品目
- 対日輸出 473億円 コーヒー、切り花等
対日輸入 1,089億円 乗用車、トラック、ゴム製品等
3.在留邦人数
在留邦人:1,407人(2011年)、日系人:約1,800人
4.在日当該国(外国人登録)人数
2,705人(2009年)
5.要人往来
(1)往(1984年以降)
年月 | 要人名 |
---|---|
1984年 | 福田赳夫元総理(O・Bサミット執行委出席) |
1985年 | 安倍晋太郎外相 |
1986年8月 | 住栄作特派大使(大統領就任式) |
1990年8月 | 中島源太郎特派大使(大統領就任式) |
1991年8月 | 武藤嘉文衆議院議員 |
1992年2月 | 柿澤外務政務次官 |
1992年6月 | 海部前総理 |
1994年8月 | 上原康助特派大使(大統領就任式) |
1994年9月 | 武藤嘉文衆議院議員 |
1997年7月 | 逢沢一郎衆議院外務委員長 |
1998年8月 | 亀井善之衆議院議員(大統領就任式) |
2000年8月 | 荒木外務総括政務次官 |
2002年8月 | 植竹外務副大臣(大統領就任式) |
2006年8月 | 金田外務副大臣(大統領就任式) |
2008年5月 | 安倍前総理 |
2008年5月 | 中川昭一衆議院議員 |
2008年5月 | 山口泰明衆議院議員 |
2008年11月 | 中曽根弘文外相 |
2009年2月 | 西村外務大臣政務官 |
2009年3月 | 竹下財務副大臣 |
2010年5月 | 赤松農水大臣 |
2010年8月 | 吉良外務大臣政務官(大統領就任式) |
2011年2月 | 山花外務大臣政務官 |
(2)来(1989年以降)
年月 | 要人名 |
---|---|
1989年2月 | バルコ大統領夫人(大喪の礼) |
1989年7月 | マルランダ経済開発大臣 |
1989年12月 | バルコ大統領(公式実務) |
1990年4月 | バルコ大統領夫人(黄金展開会式) |
1990年11月 | ハラミーリョ外相(即位の礼) |
1991年4月 | オメス蔵相(IDB) |
1991年11月 | パルド外務次官(日・コ経済合同委員会) |
1992年4月 | ガビリア大統領夫人(サンタ・マリア号入港式) |
1992年10月 | サニン外務大臣(外務省賓客) |
1993年4月 | サントス貿易大臣(「コ」貿易ミッション) |
1994年2月 | ガビリア大統領(非公式) |
1994年4月 | オカンポ農牧大臣 |
1994年11月 | オカンポ国家企画庁長官 |
1995年3月 | ロペス環境大臣 |
1995年5月 | マスエラ貿易大臣 |
1995年7月 | ペリー大蔵大臣 |
1995年11月 | ビジャミサール鉱業エネルギー大臣 |
1996年7月 | クリスト外務次官(中堅指導者招聘) |
1997年2月 | オカンポ大蔵大臣 |
1997年5月 | ビジャミサール鉱業エネルギー大臣 |
1997年5月 | ロンドーニョ上院議長(上院議長会議) |
1997年11月 | カブラーレス鉱業エネルギー大臣 |
1997年12月 | ベラーノ環境大臣(COP3) |
1998年1月 | ガビリア前大統領(OAS事務総長) |
1998年1月 | メヒーア外相(外務省賓客) |
1998年6月 | ウルディノラ大蔵大臣(中南米シンポジウム) |
1999年3月 | ラミレス貿易大臣(高級実務者招聘) |
1999年5月 | パストラーナ大統領(公式実務) |
2000年3月 | フェルナンデス外務大臣 |
2000年7月 | ベル副大統領(G8/NAM) |
2001年10月 | マイル環境大臣(ITTO会議出席) |
2003年3月 | ロドリゲス環境・住宅・国土開発大臣(水フォーラム出席) |
2003年10月 | ブラ国際協力庁長官・大統領補佐官 |
2004年3月 | バルコ外務大臣 |
2004年9月 | カーノ農業大臣 |
2005年4月 | ウリベ大統領(IDB沖縄総会出席、実務訪問賓客) |
2007年1月 | ラミレス上院議員(外交委員長)(21世紀パートナーシップ招聘) |
2008年4月 | プラタ商工観光大臣 |
2008年7月 | アラウッホ外務大臣 |
2008年10月 | サントス副大統領 |
2009年10月 | グティエレス上院議員(コロンビア日友好議員連会長)(21世紀パートナーシップ招聘) |
2009年11月 | スルアガ大蔵大臣 |
2010年1月 | ベルムデス外務大臣(FEALAC外相会合) |
2010年5月 | シルバ国防大臣(外国人叙勲) |
2010年7月 | プラタ商工観光大臣 |
2010年10月 | ベスード環境大臣 |
2010年11月 | ディアス・グラナドス商工観光大臣 |
6.二国間条約・取極
1962年 査証相互免除取極
1976年 技術協力協定
1985年 青年海外協力隊派遣取極