コンゴ共和国
(Republic of Congo)

出典:外務省 各国・地域情勢(2011年4月現在)

一般事情

1.面積

34.2万平方キロメートル(日本の約0.9倍)

2.人口(世銀)

約380万人(2010年)

3.首都

ブラザビル

4.民族

コンゴ族、テケ族、ブバンギ族等

5.言語

フランス語(公用語)、リンガラ語、キトゥバ語

6.宗教

伝統的宗教、キリスト教

7.略史

年月 略史
13-15世紀 コンゴ王国の最盛期
1910年 仏領赤道アフリカ・コンゴ州
1958年 共和国宣言
1960年 独立
1979年 サス・ンゲソ大統領就任
1989年7月 サス・ンゲソ大統領三選
1991年6月 コンゴ共和国に国名変更
1992年8月 パスカル・リスバ大統領選出
1997年6月 リスバ大統領、サス・ンゲソ前大統領の間で交戦勃発
1997年10月 サス・ンゲソ大統領就任
2002年1月 新憲法草案に関する国民投票
2002年3月 大統領選挙でサス・ンゲソ大統領当選
2002年5・6月 国民議会選挙、上院議員選挙
2002年8月 サス・ンゲソ大統領就任
2009年7月 大統領選挙でサス・ンゲソ大統領再選

政治体制・内政

1.政体

共和制

2.元首

ドゥニ・サス・ンゲソ大統領(Denis Sassou Nguesso)
(2009年7月大統領就任)

3.議会

国民議会(137名、任期5年)
上院議会(66名、任期6年)

4.政府

(1)首相 サス・ンゲソ大統領兼務

(2)外務仏語圏大臣 バジル・イクエベ(Basile IKOUEBE)

5.内政

 1991年に複数政党制を導入、1992年の大統領選挙ではリスバ大統領が選出された。その後、1993年の下院選挙を巡って与野党間の対立が激化したが、1995年に与野党間和平合意が成立した。1997年、7月に予定されていた大統領選挙を巡ってリスバ大統領とサス・ンゲソ前大統領との間で戦闘が勃発した。同年10月、アンゴラ軍等の介入後、サン・ンゲソ前大統領派がほぼ全土を掌握し、同月大統領に就任、1998年に開催された「統一と国民和解に関するフォーラム」で国家再建に向けた取り組みが始まったが、同年末頃より前政権の民兵と政府軍との間で再び武力衝突が発生した。その後、1999年11月、12月には政府軍と民兵との間で敵対行為停止合意が署名され、国外に避難した難民も帰還し始め、旧民兵の武装解除が行われるなど、同国の治安は回復に向かっている。また2001年3月からは、旧反政府勢力を含めた「除外なき国民対話」が実施され、新憲法に関する国民投票、大統領選挙、国民議会、上院議会選挙等、一連の民主化プロセスが実施された。他方、2002年3月より、政府軍と一部反政府民兵との間で散発的な戦闘が続いていたが、2003年3月和平合意署名に至った。その後も首都ブラザビルや周辺部で反政府武装組織と治安部隊との戦闘行為が散発したが、2005年5月に反政府勢力が武装解除を表明、12月には主要反政府勢力の指導者であるコレラ前首相が恩赦により帰国するなど治安状況は改善しつつある。武装闘争を続けていたントゥミ派も2007年1月に政党として活動することを表明した。

 2007年の国民議会選挙では、国連、AU、NGOの批判を受けた。与党を中心とする与党連合が大勝した。2008年6月の地方選挙でも与党連合が圧勝した。
 2009年7月の大統領選挙では、現職のサス・ンゲソ大統領が約79%の高い得票率で再選。

外交・国防

<現実的外交路線>

1.外交基本方針

 経済的には仏、米等西側諸国に依存しており、現実的外交路線をとっている。特に、従来から仏との関係が緊密。1998年1月には、アンゴラとの間に軍事協力協定が成立している。

2.軍事力(2010年版ミリタリーバランス)

(1)予算 112百万ドル

(2)兵役 志願制(2年)

(3)総兵力 10,000人(陸軍8,000人、海軍800人、空軍1,200人)

経済

<石油収入に依存>

1.主要産業

鉱業(石油、鉱石)、林業

2.GDP(世銀)

96億ドル(2009年)

3.一人当たりGNI(世銀)

2,080ドル(2009年)

4.GDP成長率(世銀)

7.6%(2009年)

5.物価上昇率(世銀)

5.0%(2009年)

6.失業率

N/A

7.総貿易額

(1)輸出 96億ドル(2010年、EIU)

(2)輸入 31億ドル(2010年、EIU)

8.主要貿易品目

(1)輸出 石油、木材、砂糖(2010年、EIU)

(2)輸入 石油関連品、資本材(2010年、EIU)

9.主要貿易相手国

(1)輸出 米、中、仏、印(2009年、EIU)

(2)輸入 仏、中、伊、米(2010年、EIU)

10.通貨

CFAフラン

11.為替レート

655.957CFAフラン=1ユーロ(固定レート)

12.経済概況

 鉱業(石油)が基幹産業で、GDPの60%、輸出収入の85%、国家予算の70%を石油関係に依存している。1997年及び1998年の内戦により経済は打撃を受けたが、敵対行為停止合意締結後、内戦中破壊された橋の再建、コンゴ大西洋鉄道の再開など、経済復興が進んでいる。石油開発と近年の原油価格高騰により経済成長を遂げたが、社会開発は遅れており、2010年国連人間開発指数では169カ国中126位にとどまっている。2010年1月に拡大HIPCイニシアティブの「完了時点」に到達したものの、引き続きガバナンスの改善や石油収入の透明性の一層の向上が求められている。産油量の増加により(2006年の26.8万バレル/日から2010年の31.5万バレル/日)、経済は堅調な伸びをみせている。

経済協力(単位 億円)

1.日本の援助実績

(1)有償資金協力(2009年度まで、EN(交換公文)ベース) なし

(2)無償資金協力(2009年度まで、EN(交換公文)ベース) 45.52億円

(3)技術協力実績(2009年度まで、JICAベース) 3.01億円

2.主要援助国(2008年)

(1)仏 (2)スペイン (3)日 (4)スウェーデン (5)カナダ

二国間関係

1.政治関係

1960年8月、外交関係樹立。

日本側公館:在コンゴ(民)大使館(兼轄)

先方公館:在中国大使館(兼轄)

2.経済関係

(イ)対日貿易額(2010年 JETRO)

輸出 3.5億円
輸入 10.4億円

(ロ)主要品目

輸出 木材、鉱物(銅、コバルト)
輸入 乗用車、機械、タイヤ

3.在留邦人数

6人(2009年10月)

4.在日当該国人数

30人(2009年12月)

5.要人往来

(1)往

年月 要人名
2004年8月 衛藤征士郎、三原朝彦、山口泰明、西村明宏衆議院議員(日本・AU(アフリカ連合)友好議連)

(2)来

年月 要人名
1989年2月 オバ外相(大喪の礼)
1990年11月 オバ外相(即位の礼)
1993年10月 ブンクルー外相(TICAD)ムアンベンガ商業・消費・中小企業相(TICAD)ンバヤ科学技術相(TICAD)
1998年10月 アダダ外務・協力・仏語圏大臣(TICAD II)
2001年12月 アダダ外務・協力・仏語圏大臣(TICAD閣僚レベル会合)
2001年12月 ダンベンゼ公務・行政改革・女性地位向上大臣(第2回児童の商業的・性的搾取に反対する世界会議)
2002年11月 ジョンボ森林経済大臣(ITTO理事会)
2003年9月 サス・ンゲソ大統領(TICAD III)
2004年4月 モカ保健・人口大臣、ンギンビ技術教育・職業訓練大臣
2005年1月 アンリ・ジョンボ森林経済・環境大臣(国連防災世界会議)
2005年9月 ムンデレ・ンゴロ商業・消費・調達大臣(愛知万博賓客)
2006年10月 アダダ外務・協力・仏語圏大臣(外務省賓客)
2008年5月 サス・ンゲソ大統領(TICAD IV)

7.二国間条約・取極

1974年9月 貿易取極(1975年10月発効)