コスタリカ共和国
(Republic of Costa Rica)

出典:外務省 各国・地域情勢(2011年7月現在)

一般事情

1.面積

51,100平方キロメートル(九州と四国を合わせたほどの広さ)

2.人口

約458万人(2009年 世銀)

3.首都

サンホセ(北緯10度 標高1,200メートル)

4.民族

スペイン系及び先住民との混血95%、アフリカ系3%、先住民他2%

5.言語

スペイン語

6.宗教

カトリック教(国教、但し信教の自由あり)

7.略史

年月 略史
1502年 コロンブスにより「発見」
1821年 グアテマラ総督府(中米)、スペインより独立
1823年 中米諸州連合結成
1848年 中米諸州連合より分離独立
1949年 現行憲法制定(軍隊の保有を禁止)
1987年 アリアス大統領ノーベル平和賞受賞
1990年 カルデロン大統領就任
1994年 フィゲーレス大統領就任
1998年 ロドリゲス大統領就任
2002年 パチェコ大統領就任
2006年5月 アリアス大統領就任
2010年5月 チンチージャ大統領就任

政治体制・内政

1.政体

共和制

2.元首

ラウラ・チンチージャ・ミランダ大統領
(2010年5月〜2014年5月、任期4年、8年以上の間隔を置けば再選可能)

3.議会

一院制(57名)(任期4年、連続再選禁止)

4.政府

(1)首相名 首相職無し

(2)外相名 レネ・カストロ・サラサール

5.内政

(1)中米で最も安定した民主主義国(1949年制定の現行憲法により1953年から14代の大統領が民選)、高い教育水準(識字率96%(2008年世銀))を誇る。常備軍の不保持、比較的整った福祉制度が特徴。

(2)コスタリカでは従来国民解放党(PLN)及びキリスト教社会統一党(PUSC)が交替で政権に就いてきたが、両政党出身の政治家が関与する汚職事件が続いたこともあり、国民の伝統政党に対する信頼が大きく揺らいだため、PLNとPUSCの二大政党制から多党化傾向が顕著となっている。

(3)2010年2月に大統領選挙が実施され、与党PLNのチンチージャ候補が勝利。コスタリカでは初の女性大統領(2010年5月就任)。大統領選挙と同時に実施された国会議員選挙(一院制、57議席)では、与党PLNの議席数は24議席にとどまり、小規模政党が議席数を伸ばし、議席配分が細分化。そのためチンチージャ大統領は、野党との対話を重視している。

外交・国防

1.外交基本方針

(1)伝統的に平和善隣政策。国連・米州機構(OAS)を中心に外交を展開。

(2)2007年6月、台湾との外交関係を断絶し、中国との外交関係を開設。2009年3月、1961年以降断絶していたキューバとの外交関係を再開。

2.軍事力

(1)防衛・国内治安予算 約215百万ドル(2010年)

(2)兵役 なし

(3)兵力 1949年憲法により常備軍を禁止

(ミリタリーバランス2011)

経済

1.主要産業

農業(コーヒー、バナナ、パイナップル等)、製造業(集積回路、医療品)、観光業

2.GDP(名目)

35,789百万ドル(2010年 中銀)(推計値)

3.一人当たりGNP

7,637ドル(2010年 中銀)(推計値)

4.経済成長率

4.2%(2010年 中銀)

5.物価上昇率

5.82%(2010年 中銀)

6.失業率

7.29%(2010年 中銀)

7.貿易総額

(1)輸出(FOB) 9,340百万ドル(対前年比6.3%増)

(2)輸入(CIF) 13,569百万ドル(対前年比19%増)

(2010年 中銀)

8.主要貿易品目

(1)輸出 集積回路、自動データ処理機械部品、バナナ、パイナップル

(2)輸入 燃料製品、集積回路、自動車

9.主要貿易相手国

(1)輸出 米国、オランダ、中国、中米諸国

(2)輸入 米国、メキシコ、中国、日本

10.通貨

コロン(¢)

11.為替レート

1米ドル=525.8¢(2010年平均)

12.外貨準備

4,627百万ドル(2010年 中銀)

13.対外公的債務

8,558百万ドル(2010年 中銀)

14.経済概況

(1)近年コスタリカは高い経済成長率を維持していたが(2005年4.1%、2006年7.9%、2007年6.8%)、2008年は世界経済危機の影響を受け、輸出及び生産が減少。2009年はマイナス成長(−1.1%)となり、失業率は4.9%(2008年)から7.8%(2009年)に大幅上昇、財政も黒字から赤字に転換した。2010年のGDP成長率は4.2%とプラスに持ち直したが、財政赤字は1994年以来最大となり、GDPの5.28%に相当。

(2)コスタリカの貿易構造の特徴として、1998年に米国インテル社がコスタリカのフリーゾーン制度を利用しマイクロプロセッサーの製造を開始してからフリーゾーンへの比重が増大した点が挙げられる。また、近年はハイテク製品や医療部品、コーヒー以外の農業産品など多様化を図り、パイナップルやメロン等の非伝統産品の輸出も伸びている。

(3)2009年1月、米国との自由貿易協定である「米・中米・ドミニカ共和国自由貿易協定」(DR-CAFTA)が発効。また、2010年4月に中国及びシンガポールとそれぞれ自由貿易協定を締結。

(4)2007年10月からコスタリカを含む中米5ヶ国とEUとの間で連携協定交渉が開始され、2010年5月に合意署名に至った。

経済協力

1.日本の援助実績

(1)有償資金協力(2009年度まで、交換公文署名ベース) 661.55億円

(2)無償資金協力(2009年度まで、交換公文署名ベース) 51.10億円

(3)技術協力実績(2009年度まで、JICA経費実績ベース) 198.59億円

2.主要援助国

(1)ドイツ(29.67) (2)スペイン(15.48) (3)フランス(6.64) (4)オランダ(4.70) (5)カナダ(2.86)

(2008年、支出純額、単位:百万ドル)

二国間関係

1.政治関係

1935年2月 外交関係樹立。
1941年12月 外交関係中断。
1952年8月 外交関係再開。

2.経済関係

対日貿易

(1)貿易額(2010年、財務省貿易統計)
輸出 301億円
輸入 632億円
(2)主要品目
輸出 コーヒー、集積回路等
輸入 自動車部品、機械類等

3.文化関係

一般文化無償資金協力累計 21件 92,510万円

草の根文化無償累計 3件 2,848万円

4.在留邦人数

347人(2010年10月現在)

5.在日コスタリカ人数

173人(2010年)

6.要人往来

(1)往(1990年以降)

年月 要人名
1990年 森喜朗衆議院議員(大統領就任式特派大使)、中山正暉衆議院議員、猪木寛至参議院議員
1991年 宮沢弘参議院議員、杉浦正健衆議院議員、渡海紀三郎衆議院議員、二階俊博衆議院議員、矢田部理参議院議員
1994年 愛知和男衆議院議員(大統領就任式特派大使)
1996年 橋本龍太郎総理(第1回日本・中米首脳会談)
1998年 相沢英之衆議院議員(大統領就任式特派大使)、高円宮同妃両殿下
1999年 真鍋賢二環境庁長官、渡部恒三衆議院副議長
2000年 自見庄三郎衆議院議員、鈴木宗男衆議院議員、堀込政雄衆議院議員、北橋健治衆議院議員
2001年 斉藤邦彦JICA総裁
2002年 中川昭一衆議院議員(大統領就任式特派大使)、松あきら経済産業大臣政務官
2003年 市川一朗議員、本田良一議員、小泉親司議員、大脇雅子議員(全員参議院議員憲法調査会)
2004年 泉信也経済産業省副大臣、土井たか子衆議院議員、東門美津子衆議院議員、大田昌秀参議院議員
2005年 有馬龍夫政府代表(日・中米交流年記念行事)
2006年 大野功統衆議院議員(大統領就任式特派大使)、山際大志郎衆議院議員
2007年 西村康稔衆議院議員、横路孝弘衆議院副議長、泉健太衆議院議員
2009年 伊藤信太郎外務副大臣
2010年 武正公一外務副大臣(大統領就任式特派大使)
2011年 秋篠宮同妃両殿下

(2)来(1990年以降)

年月 要人名
1990年 セラーノ次期副大統領、ロッハス貿易相、アリアス前大統領(JICA主催国際シンポジウムにおける基調講演者として訪日)、ファージャス経済企画相、カルデロン大統領夫妻(即位の礼)、ニーハウス外相(即位の礼)、フェルナンデス情報相、ロッハス貿易相(花博賓客)
1991年 ヴァルガス蔵相、ロペス副大統領(外務省賓客)、エレーラ文部相
1993年 ニーハウス外相(「民主主義と開発のためのパートナーシップ」東京特別会合)、チャベリ国会議長
1994年 ナランホ外相
1996年 フィゲーレス大統領、ナランホ外相(第2回日・中米フォーラム)
1997年 ナランホ外相、フィゲーレス大統領(気候変動枠組条約第3回締約国会議)
2000年 ドゥエニャス貿易相(JETRO招聘)、フィチェル第一副大統領(WHOシンポジウム)
2001年 ロドリゲス大統領(非公式)、ロハス外相、バランテス経済産業商業相、パルド厚生相(随行)、バランテス経済産業商業相(JETROセミナー)
2002年 パチェコ観光相
2003年 ロドリゲス環境エネルギー相、トレホス貿易相
2004年 サエンス文化相、アリアス元大統領(五井平和財団招聘)
2005年 バランテス経済相、ゴンサレス貿易相、パチェコ大統領(日本・中米首脳会談出席/博覧会賓客)、トバル外相(随行)、ポリナリス国家企画・経済政策相
2009年 フローレス農牧大臣
2010年 スタニョ外相(FEALAC第4回外相会合出席)、カストロ外相

7.二国間条約・取極

1973年 青年海外協力隊派遣取極
1974年 査証相互免除取極
1985年 技術協力協定