エチオピア連邦民主共和国
(Federal Democratic Republic of Ethiopia)
出典:外務省 各国・地域情勢(2011年7月現在)
一般事情
1.面積
109.7万平方キロメートル(日本の約3倍)
2.人口
8,282万人(2009年:世銀) 人口増加率2.6%(2009年:世銀)
3.首都
アディスアベバ
4.民族
オロモ族、アムハラ族、ティグライ族等約80の民族
5.言語
アムハラ語、英語
6.宗教
キリスト教、イスラム教他
7.国祭日
5月28日
8.略史
年月 | 略史 |
---|---|
1962年 | エリトリア地方併合 |
1974年 | 革命により王制廃止、社会主義国家建設宣言、臨時軍事行政評議会(メンギスツ議長)設立 |
1977〜1978年 | オガデン紛争(ソマリアと交戦) |
1984年 | エチオピア労働者党(メンギスツ書記長)設立 |
1987年 | エチオピア人民民主共和国樹立 |
1991年5月 | エチオピア人民革命民主戦線(EPRDF)首都侵入、メンギスツ政権崩壊 |
1991年7月 | エチオピア暫定政府成立 |
1993年5月 | エリトリアがエチオピアより分離・独立 |
1995年5〜6月 | 第1回国政選挙(連邦下院選挙及び地方議会選挙)実施 |
1995年8月 | 暫定期間終了、エチオピア連邦民主共和国樹立、メレス新政権樹立 |
1998年5月 | エチオピア・エリトリア国境紛争勃発 |
2000年5月 | 第2回国政選挙 |
2000年12月 | エリトリアとの包括的和平合意成立 |
2002年4月 | 国境委員会によりエリトリアとの(地図上の)国境線確定 |
2005年5月 | 第3回国政選挙 |
政治体制・内政
1.政体
連邦共和制
2.元首
ギルマ・ウォルデギオルギス・ルチャ大統領(GIRMA Wolde-Giorgis Rucha)
(2007年10月再任、任期6年、二期目)
3.議会
二院制(人民代表議会〔下院〕と連邦議会〔上院〕)
4.政府
(1)首相名 メレス・ゼナウィ(Meles Zenawi)
(2)外相名 ハイレマリアム・デサレン(Hailemarian Desalegn)(副首相兼任)
5.内政
1974年に軍事革命により帝政が廃止され,社会主義政権が発足した。社会情勢の混乱が続き,現在のメレス首相らによる反政府運動により,1991年に当時のメンギスツ政権は崩壊した。1995年に第1回国会選挙が行われ,以降5年毎に国会選挙が実施されている。2010年5月に第4回選挙が平穏に実施され,現与党が圧倒的な勝利を収め,メレス首相が再任された(現在4期目)。
外交・国防
1.外交基本方針
(1)アフリカ連合(AU)や国連アフリカ経済委員会(ECA)の本部が置かれるアフリカ地域の外交の一つの中心地。「アフリカの角」地域の安定勢力として、ソマリアの安定化やスーダン和平に積極的に関与している。
(2)エリトリアとは同国が1993年にエチオピアから独立して以降緊密な関係を維持していたが、1998年5月、国境画定問題を巡って武力闘争が発生した。2000年12月、「和平合意」が成立するが、国境画定に係る意見の相違から国境問題は未解決で、国交正常化には至っていない。
(3)国内の経済発展と民主化を重視し、新5カ年計画(GTP)達成のため、海外からの技術移転の確保、貿易投資の拡大を推進している。
2.軍事力(2008ミリタリーバランス)
(1)予算 330百万米ドル(2007年支出)
(2)兵力 総兵力13.8万(陸軍及び空軍)
経済(単位 米ドル)
1.主要産業
農業(コーヒー、メイズ、テフ、ソルガム、大麦等)
2.GNI(2009年:世銀)
271.5億米ドル
3.一人当たりGNI(2009年:世銀)
330米ドル
4.経済成長率(2009年:世銀)
8.7%
5.物価上昇率(2009年:世銀)
24.4%
6.失業率(2009年:世銀)
20.5%
7.総貿易額(2009年:世銀)
(1)輸出 3,439.55百万米ドル
(2)輸入 9,089.27百万米ドル
8.主要貿易品目(2009年度:世銀)
(1)輸出 コーヒー、油料種子
(2)輸入 石油、穀物・穀類
9.主要貿易相手国(2008年度:世銀)
(1)輸出 米、独、サウジアラビア、蘭、ジブチ
(2)輸入 中国、サウジアラビア、印、米、伊
10.通貨
ブル(BIRR)
11.為替レート
1米ドル=16.95ブル(2011年7月現在)
12.経済概況
旱魃による農業生産の落ち込みや、エリトリアとの国境紛争による難民・避難民の大量発生が経済に打撃を与える中、政府は2000年に「第2次国家開発5カ年計画」を、2005年には、次期5カ年開発計画として貧困削減計画(PASDEP)を策定した。近年は、経済成長が続き、2009/10年まで7年連続二桁の経済成長(政府発表)を達成した。政府は、2010/11-2014/15年の新5カ年開発計画(GTP)を策定し、経済成長と経済改革に重点を置いた取組みを推進中で、5年後の国民総生産倍増等を目指している。一方で、一人当たりのGNIは330米ドルと最貧国の水準にとどまっており、慢性的な食料不足に加え、高度経済成長に伴って生じたインフレや、世界金融不安や原油等の国際価格の上昇に伴う影響が顕在化している。政府は通貨切り下げ、主要商品価格のシーリング設定など政府主導型の経済安定化策、外貨準備高の積み増し等を行っている。
経済協力
1.日本の援助実績(単位 億円)
(1)有償資金協力(2009年度まで、E/Nベース)37.0
(2)無償資金協力(2009年度まで、E/Nベース)931.92
(3)技術協力実績(2009年度まで、JICAベース)242.96
2.主要援助国(2005年 単位:百万ドル)
(1)米:726.04、英:342.92、日:97.76、加:87.18、蘭:85.90
二国間関係
1.政治関係
1930年 修好通商条約署名
1933年 在大阪エチオピア名誉領事館開設
1936年 在エチオピア日本公使館開設
1952年6月 対日平和条約批准
1955年 外交関係回復
1958年4月 双方大使館開設
2.経済関係
(1)日本の対エチオピア貿易
- (イ)貿易額(2010年)
- 輸出 76.0億円
輸入 39.5億円 - (ロ)主要品目
- 輸出 自動車、機械類等
輸入 コーヒー、原皮等
(2)日本からの直接投資
1951年〜1974年に13件計683万1千ドル。
1974年以降は実績なし。
3.文化関係
国際交流基金派遣の公演・展示事業がエチオピア国内で定期的に開催されている。2005年に外交関係再開50周年事業の一環として首都アディスアベバの大統領宮殿内の日本庭園が修復された。日本国内では、エチオピアの伝統舞踊の公演やコーヒー・セレモニー等の紹介が行われた。民間レベルでは、一般社団法人 日本・エチオピア協会(1971年設立)等が活動を行っている。
4.在留邦人数
211人(2011年7月現在)
5.在日当該国人数
350人(2011年3月現在)
6.要人往来
(1)往(1960年以降)
年月 | 要人名 |
---|---|
1960年11月 | 皇太子・同妃両殿下 |
1984年11月 | 安倍外相 |
1985年3月 | 衆議院超党派議員団 |
1988年10月 | 佐藤郵政相 |
1990年8月 | 自民党経済協力特別委員会議員団 |
1998年9月 | 武見外務政務次官 |
2002年8月 | 川口外相 |
2002年9月 | 自見日・エチオピア友好議員連盟会長 |
2003年3月 | 矢野外務副大臣 |
2004年9月 | 日・AU友好議連(自見庄三郎議員が団長) |
2004年12月 | 河井外務大臣政務官 |
2006年2月 | 塩崎外務副大臣(TICAD平和の定着会議) |
2006年4-5月 | 小泉総理大臣 |
2008年1月 | 森元総理大臣(第10回AU総会 政府代表)、中山外務大臣政務官 |
2008年9月 | 御法川外務大臣政務官 |
2008年11月 | 御法川外務大臣政務官 |
2009年5月 | 西村外務大臣政務官 |
2010年1月 | 福山外務副大臣(第16回AU閣僚執行理事会出席) |
2011年1月 | 松本外務副大臣(第18回AU閣僚執行理事会出席) |
(2)来(1970年以降)
年月 | 要人名 |
---|---|
1970年5月 | ハイレ・セラシエ皇帝(大阪万博)(万博賓客) |
1985年8月 | ゴシュ外相 |
1988年2月 | メルセー国家中央計画委員会担当大臣 |
1988年11月 | アブデュルハフェジ情報相 |
1989年2月 | フィクレ・セラシエ首相(大喪の礼参列) |
1989年4月 | ベルハヌ外相 |
1990年11月 | フセハ・デスタ副大統領(即位の礼参列) |
1991年2月 | ギザウ保健相 |
1991年5月 | テスファイエ・タデッセ外相(LLDC東京フォーラム出席) |
1991年10月 | アラガウ建設相 |
1992年11月 | セイヨム外相(外務省賓客) |
1993年10月 | ドゥリ計画・経済開発相(アフリカ開発会議出席) |
1996年9月 | メレス首相(公式実務訪問賓客) |
1998年10月 | メレス首相(第2回東京アフリカ開発会議出席) |
1999年7月 | 上下両院議員団(アルマズ連邦議会(上院)議長他6名) |
2001年12月 | ムル財務経済開発担当国務大臣(TICAD閣僚レベル会合出席) |
2003年2月 | セイヨム外相(外務省賓客) |
2003年9月 | メレス首相(第3回アフリカ開発会議出席) |
2006年9月 | ギルマ貿易産業相 |
2006年12月 | タケダ外務担当国務大臣 |
2008年3月 | メコネン財務経済開発担当国務大臣 |
2008年5月 | メレス首相(第4回アフリカ開発会議出席) |
2008年7月 | メレス首相(G8北海道洞爺湖サミットアウトリーチ会合出席) |
2009年3月 | タデッセ貿易産業担当国務大臣 |
2009年10月 | ジュネデイン科学技術大臣(科学技術大臣会合)、デゲフェ連邦議会議長等議員団(参議院賓客) |
2011年5月 | ヤコブ貿易国務大臣 |
2011年6月 | ケセテベルハン保健国務大臣(MDG'sフォローアップ会合) |
7.二国間条約・取極
修好通商条約(1930年11月)
友好条約(1957年12月)
貿易協定(1968年1月)
日本青年海外協力隊派遣取極(1971年11月)
日・エチオピア航空協定発効(1997年5月)
8.外交使節
(1)エチオピア駐箚日本国大使 岸野博之特命全権大使(2010年9月着任)
(2)本邦駐箚エチオピア大使 マルコス・タクレ特命全権大使(2011年1月着任)