ガボン共和国
(Gabonese Republic)
出典:外務省 各国・地域情勢(2011年7月現在)
一般事情
<中部アフリカの産油国>
1.面積
267,667平方キロメートル(日本の約3分の2)
2.人口
147万人(2009年、世銀)
3.首都
リーブルビル(Libreville)
4.人種
バンツー系、ファン系
5.言語
仏語(公用語)
6.宗教
キリスト教、伝統的宗教、イスラム教(1%)
7.略史
年月 | 略史 |
---|---|
1960年8月 | 独立(旧宗主国・仏) |
1961年2月 | レオン・ムバ初代大統領就任 |
1964年2月 | クーデター未遂事件 |
1967年11月 | オマール・ボンゴ大統領就任 |
1973年2月 | オマール・ボンゴ大統領再選 |
1990年4月 | 複数政党制移行決定し、9月同制度で初の国民議会選挙実施 |
1991年3月 | 新憲法、政党法を国民議会で採択 |
1993年12月 | 複数政党下初の大統領選挙実施、オマール・ボンゴ大統領5選 |
1997年3月 | 二院制へ移行 |
1998年12月 | オマール・ボンゴ大統領6選(任期7年) |
2001年12月 | 国民議会選挙実施、2002年1月「開かれた内閣」発足(野党入閣) |
2005年11月 | オマール・ボンゴ大統領7選(任期7年) |
2009年6月 | オマール・ボンゴ大統領死去 |
2009年10月 | アリ・ボンゴ大統領就任 |
2010年8月 | 独立50周年 |
政治体制・内政
<40年に亘る長期安定政権下で民主化推進>
1.政体
共和制
2.元首
アリ・ボンゴ・オンディンバ大統領
3.議会
二院制(国民議会、上院議会)
4.政府
(1)首相 ポール・ビヨゲ・ンバ
(2)外相 ポール・トゥンギ
5.内政
オマール・ボンゴ大統領の下、政権は安定的に推移してきたが、1990年5月民主化要求の高まりを受けて複数政党制へ移行。その後、多少の混乱を経たものの、同年9月には複数政党制下初の国民議会選挙、翌1991年3月には新憲法、政党法の採択等、民主化へ向けた諸施策が実施された。1993年12月には、大統領選挙が実施され、オマール・ボンゴ大統領が再選。1996年10月から1997年2月にかけて地方選挙、国民議会選挙、上院選挙が実施された。また、1997年3月上院が開会し二院制へ移行。1998年12月の大統領選挙では、オマール・ボンゴ大統領が再選(6選)を果たした。2001年12月には国民議会選挙が全体的に平穏裡に実施されたが、オマール・ボンゴ大統領は内政の安定を重視し、野党の入閣を前提とした「開かれた内閣」を提案。2002年1月、野党4党を含めた内閣が発足した。2003年7月、憲法改正が行われ、大統領の再選回数制限が撤廃された。2005年11月には大統領選挙が実施され、オマール・ボンゴ大統領が圧倒的得票率で7選された(任期7年)。1990年5月の複数政党制移行後も、大統領選挙、国民議会選挙、地方選挙等民主化プロセスは概ね順調に行われた。2003年7月憲法改正を実施、大統領の再選回数制限を撤廃し、オマール・ボンゴ氏は7選を果たしている。2006年の国民議会選挙で与党が81議席を獲得。2007年1月に第2次、12月に第3次ンドン内閣が発足。2008年2月に、ピン副首相兼外相のAU委員長選出を受け、小規模な改造を実施。2009年1月、従来の批判勢力を取り込んだ小規模な改造を実施。同月、上院議員選挙で与党が75議席を獲得し勝利した。 2009年6月、オマール・ボンゴ大統領が現職で死去したことを受け、上院議員議長ロゴンベ氏が暫定大統領に就任。8月の大統領選挙で、前大統領子息アリ・ボンゴ氏が当選、10月に大統領に就任。
外交・国防
1.外交基本方針
仏を中心とする主要先進国と主に経済面で協力を進めており、穏健かつ現実的な外交政策を展開。近年、日本、中国、韓国等アジア諸国との関係強化にも力を入れている。中西部アフリカの有力国として、チャド・リビア紛争、ザイール内戦、コンゴ(共和国)内戦、コートジボワール危機等近隣諸国の紛争解決に積極的な役割を果たしてきている。2004-2005年、ピン外務・協力・仏語圏大臣(当時)が第59回国連総会議長を務める。同氏は2008年よりAU委員長。近年、日本、中国、韓国等アジア諸国との関係強化にも力を入れる。2011-2012年、国連安保理非常任理事国。
2.軍事力
(1)予算 2億5千万ドル(2008年)
(2)兵役 無し(志願兵制)
(3)兵力 4,700人(陸軍3,200人、海軍500人、空軍1,000人)
(駐留仏軍:645人)(2009年3月)
(2010年版ミリタリーバランス)
経済(単位 米ドル)
<産業多角化が課題>
1.主要産業
鉱業(原油、マンガン)
農林業(木材、ヤシ油)
2.GNI
110億米ドル(2009年、世銀)
3.一人当たりGNI
7,370米ドル(2009年、世銀)
4.経済成長率
-1.0%(2009年、世銀)
5.物価上昇率
-19.0%(2009年、世銀)
6.失業率
17.8%(2009年、世銀)
7.総貿易額
(1)輸出 59.4億ドル
(2)輸入 22.9億ドル
(2009年、EIU)
8.主要貿易品目
(1)輸出 原油、マンガン鉱、木材等
(2)輸入 機械・機器、消費財等
(2009年)
9.主要貿易相手国
(1)輸出 米、中、仏、マレーシア
(2)輸入 仏、米、中、ベルギー
(2009年、EIU)
10.通貨
CFAフラン
11.為替レート
1ユーロ=655.957CFA(固定レート)
12.経済概況
サブサハラ・アフリカにおける有数の産油国(1996年12月末OPEC脱退)である為、比較的豊か。国連人間開発指数では93位(2010年)。石油生産は1997年の日産37万バレルをピークに減少傾向(2009年は日産22.5万バレル)にある。ガボン政府は、経済の多様化、格差に起因する国民の不満解消のための貧困対策、石油生産が順調であった1970年代、1980年代の多額の対外債務の返済(歳入の半分以上が債務返済に充当される)という3つの大きな課題を抱えている。
経済協力
<高所得水準のため技術協力・文化無償等に限定>
1.日本の援助実績(2009年度まで、有償・無償はE/N(交換公文)ベース、技協はJICAベース)
(1)有償資金協力 30.00億円
(2)無償資金協力(2007年度まで、EN(交換公文)ベース) 45.87億円
(3)技術協力実績(2007年度まで、JICAベース) 22.48億円
2.主要援助国(2008年、百万ドル)
(1)仏(37.42) (2)日(1.75) (3)カナダ(0.65) (4)米(0.48) (5)スペイン(0.45)
二国間関係
<オマール・ボンゴ大統領が1984年国賓として訪日>
<アリ・ボンゴ大統領が2010年実務訪問賓客として訪日>
1.政治関係
1960年8月17日、日本がガボンを承認。ガボンは、1968年在京大使館を開設、日本は1972年に在ガボン大使館開設。関係は一貫して良好。1984年にオマール・ボンゴ大統領が国賓として訪日。TICAD IVでオマール・ボンゴ大統領が訪日。
日本からは2006年杉浦法務大臣が閣僚として初めて訪問。2008年にガボンでTICAD IV閣僚級準備会議が開催され、高村外務大臣、小野寺外務副大臣が訪問。2009年6月、故オマール・ボンゴ大統領国葬へ杉浦衆議院議員が特派大使として参列。2010年10月、アリ・ボンゴ大統領が実務訪問賓客として訪日。
2.経済関係
- (イ)対日貿易額(2010年、JETRO)
- 輸出 45.7億円
輸入 43.4億円 - (ロ)主要品目
- 輸出 マンガン鉱、木材、機械部品等
輸入 自動車、建設用機械、タイヤ
3.文化関係
文化無償協力として教育機材、視聴覚機材、印刷機材、柔道機材等の供与実績あり。2001年度には、オマール・ボンゴ大学に対し、医学研究機材を供与(2,660万円)した。
また、文化事業として日本大使杯柔道大会を毎年実施。
4.在留邦人数
79人(2010年10月現在)
5.在日当該国人数
29人(2010年現在)
6.要人往来
(1)往(2000年以降)
年月 | 要人名 |
---|---|
2004年8月 | 衛藤征士郎衆議院議員、三原朝彦衆議院議員他(日AU友好議員連盟中部アフリカ訪問) |
2005年1月 | 小野寺五典外務大臣政務官 |
2006年8月 | 杉浦正健法務大臣 |
2008年3月 | 高村正彦外務大臣、小野寺五典外務副大臣 |
2009年6月 | 杉浦正健衆議院議員(オマール・ボンゴ大統領国葬参列) |
(2)来
年月 | 要人名 |
---|---|
1975年7月 | オマール・ボンゴ大統領(非公式) |
1978年12月 | オマール・ボンゴ大統領(非公式) |
1982年12月 | ラタンガ外相 |
1984年9月 | オマール・ボンゴ大統領(国賓) |
1989年2月 | ラウイリ第一副首相 アリ・ボンゴ大統領個人代表(大喪の礼) |
1990年11月 | アリ・ボンゴ外務協力相(即位の礼) |
1993年10月 | ミンドウンビ外務・協力・仏語圏副大臣(TICAD)、ブクビ財政・経済・資本参加副大臣(TICAD) |
1996年9月 | オマール・ボンゴ大統領(非公式) |
1997年11月 | マビカ計画・環境・観光副大臣(TICAD II準備会合) |
2000年3月 | ピン外務・協力・仏語圏大臣(外賓) |
2002年5月 | オンド・メトゴ副首相兼国土整備大臣、ペンディ・ブイキ商業・産業開発大臣、地域統合担当大臣、ムランギ・ブコソ高等教育・科学研究・技術革新大臣(「経済・貿易・文化フォーラム」開催) ドゥンバ森林経済・水利・漁業・環境・自然保護担当大臣(「経済・貿易・文化フォーラム」開催及びIWC総会) |
2003年9月 | オマール・ボンゴ大統領(TICAD III) |
2004年5月 | ジャン・ピン外務・協力・仏語圏大臣(外務省賓客) |
2004年11月 | ポール・ビヨゲ・ンバ商業・産業振興・NEPAD担当大臣、(TICADアジア・アフリカ貿易投資会議) |
2005年7月 | ンブンブ・ミヤク副首相(愛知万博) |
2007年11月 | ドゥンバ森林経済・水利・漁業大臣・国立公園大臣 |
2008年5月 | オマール・ボンゴ大統領、ゴンジュ外務大臣(TICAD IV) |
2010年10月 | アリ・ボンゴ大統領(生物多様性条約第10回締約会議(COP10)ハイレベル・セグメント出席) |
7.二国間条約・取極
2003年11月 青年海外協力隊派遣取決めを締結
2008年3月 技術協力協定に署名