ガーナ共和国
(Republic of Ghana)

出典:外務省 各国・地域情勢(2011年6月現在)

一般事情

1.面積

238,537平方キロメートル(日本の約3分の2)

2.人口

約2,422万人(2010年:国勢調査)

3.首都

アクラ(ACCRA)

4.民族グループ

アカン族、ガ族、エベ族、ダゴンバ族、マンプルシ族他

5.言語

英語(公用語)

6.宗教

国民の約半数がキリスト教徒、イスラム教約15%、その他伝統的宗教

7.国祭日

3月6日(独立記念日)

8.略史

年月 略史
1957年3月 独立(初代首相エンクルマ)
1960年7月 共和制に移行。エンクルマが初代大統領に就任
1966年2月 軍・警察によるクーデター(エンクルマ追放)
1969年10月 文民政権発足
1972年1月 軍部クーデター、アチャンポン将軍政権
1979年6月 ローリングス空軍大尉による軍事クーデター
1979年9月 民政移管リマン大統領就任
1981年12月 ローリングス元空軍大尉による軍事クーデター
1992年11月 大統領選挙(ローリングス大統領選出)
1993年1月 民政移管ローリングス大統領就任
1996年12月 大統領選挙、国民議会選挙
1997年1月 ローリングス大統領再任
2000年12月 大統領選挙、国民議会選挙
2001年1月 クフォー大統領就任
2004年12月 大統領選挙、国民議会選挙
2005年1月 クフォー大統領再任
2009年1月 ミルズ大統領就任

政治体制・内政

1.政体

共和制

2.元首

ジョン・エバンズ・アッタ・ミルズ(John Evans Atta Mills)大統領(2009年1月7日就任、任期4年)

3.議会

一院制(定数230)

4.政府

(1)首相 首相職なし

(2)外相 アルハジ・モハメド・ムムニ(Alhaji Muhammad Mumuni)

5.内政

 1957年の独立から1981年のローリングス政権発足までの25年間にガーナは4回のクーデターを含め、頻繁に政権交代が繰り返された。1990年代に入って民主化が進み1992年、1996年に複数政党制の下で、平和裡に選挙が行われ、ローリングス大統領の指導の下長期にわたる政治的安定を享受した。ローリングス大統領は憲法の三選禁止規定を遵守し2000年12月の大統領選挙には出馬せず、野党のクフォー候補が選出され翌2001年1月に正式に大統領に就任した。同選挙はガーナの歴史上初めて選挙による与野党間の政権交代が平和裡に実現したものとして注目された。2004年、大統領、国民議会選挙が行われ、クフォー大統領が再選を果たした。クフォー大統領の任期満了に伴ない、2008年12月に大統領選挙が実施され、決選投票を経て、NDC(国家民主会議)のミルズ大統領が選出された。

外交・国防

1.外交基本方針

 非同盟中立を基調に、近隣諸国との関係を重視する一方、日本をはじめ、英、米、仏等先進国との関係を強化している。特に、アフリカ連合(AU)及び西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の主要メンバー(2003年及び2004年ECOWAS議長国、2007年AU議長国)としてアフリカ地域全体の平和と安定にも積極的に貢献している。

2.軍事力(ミリタリーバランス2009年版)

(1)予算 約264百万ドル

(2)兵役 志願制

(3)兵力 15,000人(陸軍11,500人、海軍2,000人、空軍2,000人)
(その他、在外兵力として、ECOMOG(ECOWAS監視グループ)軍及び国連平和維持活動に参加している)(2010年2月時点での国連PKO要員への派遣員数は3,911名で世界第7位)

経済(単位 米ドル)

1.主要産業

農業(カカオ豆)、鉱業(貴金属、非鉄金属)

2.GNI

284億米ドル(世銀:2009年)

3.一人当たりGNI

1,190米ドル(世銀:2009年)

4.経済成長率(実質)

7.7%(2010年暫定値:ガーナ財務・経済計画省)

5.物価上昇率

10.79%(2010年:ガーナ統計局)

6.失業率

N/A

7.総貿易額(2010年暫定/ガーナ中央銀行)

(1)輸出 80.80億ドル
(2)輸入 110.38億ドル

8.主要貿易品目

(1)輸出 金、カカオ豆・製品、木材
(2)輸入 機械類、石油、食糧品

9.主要貿易相手国(2009年/IMF)

(1)輸出 オランダ、ブルキナファソ、南アフリカ、英国
(2)輸入 中国、米国、ベルギー、英国、仏

10.通貨

ガーナセディ

11.為替レート

1ドル=約1.49ガーナセディ(2011年5月現在)

12.経済概況

 ガーナ経済は農業・鉱業等に依存する典型的な一次産品依存型であり、主要輸出品も金、カカオ豆、木材が上位3位を占めており、国際市況及び天候の影響を受けやすい。主要産業の農業は国内総生産(GDP)の約30%、雇用の約60%を占める。1957年に英より独立した後、大規模インフラ案件の整備により開発への足がかりを築くが、1970年代後半から1980年代前半にかけて経済的困難に直面。1883年から世銀主導の構造調整に取り組み、1980年代後半から平均5%のGDP成長率を維持し、アフリカの「優等生」と評された。しかし、1990年代の金やカカオの国際価格の低迷や原油の輸入価格高騰等により経済が悪化し、2001年誕生のクフォー政権は、同年3月、拡大HIPC(重債務貧困国)イニシアティブ適用による債務救済を申請し、緊縮財政を基本とした経済改革を行った。2009年発足のミルズ政権下では、インフレ率の低下や為替レートの安定などマクロ経済指標の改善がみられる。一方、前政権から引き継いだ多額の債務の削減、インフラ整備、経済的な地域格差の是正等の困難な課題もある。近年の大きな動きとしては、2010年12月に開始された石油の商業生産が挙げられ、石油収入を含めた2011年の経済成長率は12.3%と推測される。2011年の石油産出量は日産12万バレル、中期的には日産約25万バレルまで増産される予定。石油生産に伴い随伴ガスの開発も進む予定であり、ガーナは多くの国々から投資先として注目を集めている。また、2010年11月に適用されたGDP新算出法を基に計算した2009年の1人当たりGNIは1,190米ドルとなり、世銀の分類で中所得国となった。

経済協力(単位 億円)

1.日本の援助実績(億円)(2009年まで)

(1)円借款(交換公文ベース)1,250.91
(2)無償資金協力(交換公文ベース)852.59
(3)技術協力(JICA経費実績ベース)420.91

2.主要援助国(2008年)(百万ドル)

(1)英国(150.8) (2)オランダ(120.2) (3)米国(79.5) (4)デンマーク(77.9) (5)カナダ(74.0)
※日本(54)(7位)

二国間関係

1.政治関係

1957年3月 独立と同時に承認
1959年3月 日本大使館をガーナに開設
1960年5月 ガーナ大使館が東京に開設

2.経済関係

(1)対日貿易

(イ)貿易額(2010年)(日本財務省貿易統計)
対日輸出 約122.59億円
対日輸入 約102.25億円
(ロ)主要品目
対日輸出 カカオ豆、マンガン鉱、軟体動物(いか、たこ等)
対日輸入 自動車、タイヤ・チューブ、原動機、鉄鋼板

(2)日本からの直接投資
進出企業 6社(2011)、金額 3億円(1989〜2006年累計)

3.文化関係

 国際交流基金派遣の劇団、柔道チームのガーナ訪問、また、同国での同基金主催の日本映画祭の開催、同国文化人の訪日招聘、現地我が方大使館の広報活動等により、同国での対日関心は高い。

4.在留邦人数

350人(2011年6月現在)

5.在日当該国人数

1,936人(2009年12月末現在)

6.要人往来

(1)往(1987年以降)

年月 要人名
1987年まで 木村外相、愛知外務政務次官、浜野外務政務次官
1988年8月 日・ガ友好協会ミッション(団長愛知議員)
1991年7月 国際人口問題議員懇談会視察(団長鹿野議員)
1992年2月 自民党経協特別委員会ODA視察団(団長杉浦議員)
1993年1月 谷川寛三特派大使(大統領就任式典参列)
1993年5月 高円宮憲仁親王同妃両殿下(公式訪問)
1993年8月 日・ガ友好協会ミッション(団長愛知議員)
1999年5月 橋本外交最高顧問夫妻
2001年1月 浦部内閣官房副長官補
2001年8月 武藤元外相
2003年7月 紺野美佐子UNDP親善大使
2004年1月 田中外務大臣政務官
2005年12月 日・AU議連西部アフリカ訪問団
2006年5月 小泉内閣総理大臣
2007年3月 杉浦特派大使(ガーナ独立50周年式典出席)
2008年4月 中山外務大臣政務官(UNCTAD第12回総会)
2008年9月 御法川外務大臣政務官(アクラ・ハイレベルフォーラム)
2008年9月 貿易投資促進合同ミッション(団長 西村康稔外務大臣政務官)
2009年1月 小泉特派大使(大統領就任式典出席)
2010年3月 皇太子殿下

(2)来(1989年以降)

年月 要人名
1989年2月 ローリングス議長(大喪の礼)
1989年6月 ドンコー運輸・通信長官
1989年7月 チャチュ・チカタ議長顧問
1990年11月 コジョ・チカタ副議長(即位の礼)
1991年1月 ボアテン動員・社会福祉長官
1993年10月 ローリングス大統領、ボッチウェイ大蔵・経済企画大臣、アダム農業大臣、トトビ=クワチ情報大臣(第1回アフリカ開発会議(TICAD I))
1994年2月 ガーナ議会訪日団(団長チャンバス第一副議長)ボッチウェイ大蔵・経済企画大臣
1994年3月 グラント国家評議会委員
1997年12月 ローリングス大統領夫妻(公式実務訪問)、ベホ外務大臣、アドウ東部州大臣
1998年10月 ローリングス大統領夫妻、ベホ外務大臣(第2回アフリカ開発会議(TICAD II))
1999年7月 ガーブラ教育大臣
1999年9月 サリア道路・運輸大臣
2000年6月 ローリングス大統領夫妻、ベホ外務大臣
2000年9月 ペプラ大蔵大臣
2001年5月 ローリングス前大統領(OBサミット)
2001年6月 メンサ国会担当大臣、オサフォ=マーフォ大蔵大臣、イドゥリス外務副大臣
2001年10月 メンサ国会担当大臣
2001年12月 メンサ上級大臣(TICAD閣僚レベル会合)
2002年10月 クフォー大統領夫妻(公式実務訪問)
2003年9月 クフォー大統領、アクフォ・アドウ外相他(第3回アフリカ開発会議(TICAD III)参加)
2004年6月 オセイ=アジェイ外務副大臣
2005年6月 チェレマテン通商産業大臣(愛知万博)
2006年11月 クフォー大統領
2008年1月 ベコー国家評議会議長
2008年3月 アスマ漁業大臣
2008年5月 クフォー大統領(TICAD IV)
2008年7月 クフォー大統領(北海道洞爺湖サミット)
2010年10月 ミルズ大統領
2011年6月 チレ保健大臣(MDGsフォローアップ会合)

7.二国間条約・取極

1962年9月 経済技術協力協定
1963年3月 貿易取極
1977年2月 青年協力隊派遣取極

8.外交使節

(1)当該国駐箚日本国大使 片上慶一特命全権大使

(2)本邦駐箚当該国大使 クワメ・アサモア・テンコラン特命全権大使