グアテマラ共和国
(Republic of Guatemala)
出典:外務省 各国・地域情勢(2011年3月現在)
一般事情
1.面積
108,889平方キロメートル
2.人口
1,436万人(2010年、国立統計院(推計))
3.首都
グアテマラシティー
4.民族
先住民38.4%、非先住民(混血、欧州系)61.6%(2006年国立統計院全国生活実態調査)
5.言語
スペイン語(公用語)、その他に22のマヤ系言語他あり。
6.宗教
カトリック、プロテスタント等(信教の自由を憲法上保障)
7.略史
年月 | 略史 |
---|---|
1523年 | スペインによる征服 |
1821年 | スペインからの独立 |
1823年 | 中米諸州連合結成 |
1838年 | グアテマラ共和国成立 |
1960年 | 内戦発生 |
1986年 | 民政移管 |
1987年 | 中米和平合意 |
1996年 | 内戦終結 |
2000年 | ポルティージョ大統領就任 |
2004年 | ベルシェ大統領就任 |
2008年 | コロン大統領就任 |
2011年 | 大統領選挙(予定) |
政治体制・内政
1.政体
立憲共和制
2.元首
アルバロ・コロン・カバジェロス(Alvaro Colom Caballeros)
3.議会
一院制(158議席)
4.政府
(1)首相名 首相職無し
(2)外相名 ロジェール・アロルド・ロダス・メルガル(Roger Haroldo Rodas Melgar)
5.内政
(1)1958年に成立したイディゴラス政権の親米的政策に不満を抱いた軍若手将校が1960年に反乱を起こした。同反乱は鎮圧されたものの、その指導者グループが山中に潜伏、ゲリラの源泉となり、以後36年間にわたって内戦が続いた。
(2)1965年改正憲法により、1966年、大統領選挙が実施され民主的に政権が交替。しかしながらテロ活動が活発となり、1970年以降は、軍人大統領が政権を掌握。1986年にセレソ大統領が就任し、20年振りの民政移管を達成。87年、中米和平合意に署名。
(3)1991年1月、セラーノ大統領就任。1993年6月、セラーノ大統領は、「自主クーデター」を行った結果、国内外の強い反発を招き失脚、国外に亡命した。これを受けて、デ・レオン人権擁護官が大統領に就任し、政府・ゲリラ間の和平交渉、貧困対策、人権改善等を積極的に推進。1994年9月より、国連グアテマラ人権検証ミッションが全国に展開された(2004年12月任期終了)。
(4)1996年12月29日、政府・ゲリラ間で最終和平合意が成立し、中米最後の内戦が終了。和平プロセスが開始された。
(5)1997年5月、国連軍事監視団の下、ゲリラの武装解除完了。同年12月、軍警察が解体され、国家文民警察に移行。
(6)2004年1月、ベルシェ大統領が就任。和平協定の履行、雇用創出、貧困削減、治安改善等を重点課題として取り組んだ。2005年10月のハリケーン・スタンによる豪雨で甚大な被害(死者・行方不明者が1,500人以上、道路、橋梁等のインフラや農業に大きな被害)からの復興も着実に果たした。現地マスメディアや識者は、ベルシェ政権について、和平協定履行に関し、停戦の実現や政治的迫害根絶等に一定の評価を与えてる一方、貧困や治安問題改善などの課題が残ったと見ている。
(7)2008年1月、グアテマラ史上初となる中道左派出身のコロン大統領が就任。極貧世帯の児童に対する教育・保健サービスの改善や食糧配給プログラムなど、貧困や経済格差問題の解決に努めている。一方、現地メディアは、治安対策で成果を上げていないと評している。
(8)2011年9月には大統領選挙が行われる予定。現大統領夫人であるサンドラ氏は立候補に意欲を示しているが、その立候補資格には疑義が呈されており、今後の動向に注目が集まっている。
外交・国防
1.外交
(1)和平プロセスに対する国際社会からの支援重視。
(2)中米統合推進(中米議会、中米経済統合一般条約常設事務局(SIECA)所在)。
(3)対米関係重視(2006年 自由貿易協定(DR-CAFTA)発効)
(4)1991年9月、隣国ベリーズの独立を承認し、外交関係を開始。但し、領土問題が未解決。
(5)台湾、韓国と外交関係あり(中国と外交関係なし)。
(6)1998年1月、キューバと国交正常化。
(7)2007年9月、北朝鮮と外交関係樹立。
2.軍事力(2010年ミリタリーバランス)
(1)予算 156百万ドル(2009年)
(2)兵役 志願制(兵役義務なし)
(3)兵力 15,212人(陸軍13,444人、海軍897人、空軍871人)
経済(単位 米ドル)
1.主要産業
農業(コーヒー、バナナ、砂糖、カルダモン)、繊維産業
2.GDP
412.0億ドル(2010年 中銀)
3.一人当たりGDP
2,868.7米ドル(2010年 中銀)
4.経済成長率
2.6%(2010年 中銀)
5.物価上昇率
5.39%(2010年 国立統計院)
6.失業率
3.52%(2010年 国立統計院)
7.貿易額
(1)輸出(FOB) 84億6,600万ドル(2010年 中銀)
(2)輸入(CIF) 138億3,600万ドル(2010年 中銀)
8.主要貿易品目(2010年 中銀)
(1)輸出 衣類・繊維製品、コーヒー、砂糖、バナナ、石油
(2)輸入 食品、電化製品、石油関連製品、自動車
9.主要貿易相手国(2010年 中銀)
(1)輸出 米国、メキシコ、中国、中米諸国、日本
(2)輸入 米国、中米諸国、メキシコ、日本、カナダ
10.通貨
ケツァル(Q)
11.為替レート
1米ドル=8.06ケツァル(2010年(平均) 中銀)
12.外貨準備
59.5億ドル(2010年12月 中銀)
13.国家予算
67.9億ドル(2011年)
14.対外公的債務
55.62億ドル(2010年 中銀)
15.経済状況
- コーヒー、砂糖、バナナ等の農産品が主要輸出産品で、経済がこれら産品の国際市場価格に依存するために不安定。こうした経済構造を改善するべく、政府は加工食品や繊維加工品など非伝統産品を振興している。観光産業の成長が著しい。
- 近年、経済成長率は2〜3%と低水準ではあるが安定的に推移。2006年は5.0%とここ10年で最高を記録。国民の半数以上が1日2ドル以下で生活する貧困層と推定されており、貧困問題解決にはより高い経済成長率の達成が必要。国民の約1割(150万人以上)が米国に移住し、海外送金が貧困地域の家計を支える(GDPの約1割。2008年は41.3億ドル(中銀))。
- 2000年、メキシコとの自由貿易協定をホンジュラス、エルサルバドルと共に締結。2006年7月1日、米国・中米・ドミニカ(共)自由貿易協定(DR-CAFTA)が発効。2010年5月18日、中米EU連携協定署名。
経済協力
1.日本の援助実績(2008年度までの累計)
(1)有償資金協力(E/Nベース) 268.36億円
(2)無償資金協力(E/Nベース) 405.25億円
(3)技術協力実績(JICA経費実績ベース) 249.03億円
2.主要援助国(2007年)(百万ドル)
(1)スペイン(252.85) (2)米国(45.71) (3)スウェーデン(28.74) (4)オランダ(25.22) (5)日本(17.65)
二国間関係
1.政治関係
伝統的に友好関係。1935年外交関係樹立。1954年10月16日外交関係再開。1964年にグアテマラが本邦大使館開設、日本側は1967年にグアテマラ大使館開設。2010年、外交関係樹立75周年。
2.経済関係
(1)対日貿易
- (イ)貿易額(2010年 財務省貿易統計)
- 輸出 159億円
輸入 207億円 - (ロ)主要品目
- 輸出 コーヒー、胡麻の種、カルダモン等
輸入 自動車関連製品、鉄鋼、電子機器・機械
3.文化関係
文化無償資金協力(一般・草の根)累計 28件 約14億9,882万円(2009年度まで)
4.在留邦人数
342人(2010年10月現在)
5.在日グアテマラ人数
107人(2009年、法務省)
6.要人往来
(1)往(1987年以降)
年月 | 要人名 |
---|---|
1987年 | IPU議員団 (団長:小宮重四郎議員) |
1987年 | 倉成正外務大臣 |
1989年 | 田中直紀外務政務次官 |
1991年 | 小渕恵三特派大使(セラーノ大統領就任式) |
1991年 | 鈴木宗男外務政務次官 |
1992年 | 衆議院議員団(団長:小渕恵三議員) |
1993年 | 東祥三外務政務次官 |
1996年 | 山口鶴男特派大使(アルスー大統領就任式典) |
1997年 | 常陸宮同妃両殿下 |
2000年 | 近江巳記夫特派大使(ポルティージョ大統領就任式典) |
2001年 | 山口泰明外務大臣政務官 |
2004年 | 森山眞弓特派大使(ベルシェ大統領就任式典) |
2005年 | 小野寺五典外務大臣政務官(日・グアテマラ外交関係樹立70周年記念式典) |
2006年 | 土屋品子衆議院議員 |
2007年 | 田中和徳財務副大臣(IDB総会)、横路孝弘衆議院副議長 |
2008年 | 山口泰明特派大使(コロン大統領就任式) |
2010年 | 山花郁夫外務大臣政務官 |
(2)来(1990年以降)
年月 | 要人名 |
---|---|
1990年 | デ・レオン農牧食糧大臣、ファーセン文化スポーツ大臣、デ・レオン農牧食糧大臣、リベラ外相(即位の礼) |
1991年 | ガルシア国会副議長(衆議院公式招待の議員団団長) |
1994年 | デルバジェ農牧大臣 |
1995年 | エルナンデス厚生大臣 |
1996年 | ステイン外務大臣(日・中米フォーラム) |
1997年 | カステジャノス国会議員(「グ」・日友好議連会長) |
1998年 | アギレウ外務次官 |
1999年 | ヘーゲル経済企画庁長官、ヒメネス外務次官(日・中米フォーラム) |
2000年 | サラサール外務次官(小渕元総理葬儀) |
2001年 | ポルティージョ大統領(公式実務訪問)、オレジャーナ外務大臣(同行) |
2002年 | レジェス副大統領、ウェイマン大蔵大臣、デ・ラモス公共事業大臣、アルチラ・エネルギー鉱山大臣 |
2003年 | レジェス副大統領、デ・コティ文化スポーツ大臣、ミランダ観光庁長官(マヤ文明展開会式出席)、カセレス環境大臣(世界水フォーラム出席) |
2003年 | セッツ農牧食糧大臣 |
2004年 | ダリィ環境大臣(地球観測サミット)、モンテホ和平庁長官 |
2005年 | デ・ボニージャ大蔵大臣(IDB沖縄年次総会) |
2005年 | ベルシェ大統領(日本・中米首脳会談、博覧会賓客)、ブリッツ外相(大統領に同行) |
2006年 | ブリッツ外相(外務省賓客)、キシュタン和平庁長官、アセーニャ教育相(STSフォーラム) |
2007年 | マテウ文化スポーツ大臣(インカ・マヤ・アステカ展)、アセーニャ教育相(STSフォーラム) |
2009年 | エスパーダ副大統領(STSフォーラム) |
2010年 | コロン大統領(実務訪問賓客、外交関係樹立75周年) |
7.二国間条約・取極
1971年 貿易上の待遇供与に関する取極
1976年 査証相互免除取極
1978年 技術協力協定
1987年 青年海外協力隊派遣取極