ガイアナ共和国
(Republic of Guyana)
注※「ガイアナ協同共和国」(Co-operative Republic of Guyana)が憲法上に明記された名称ではあるが、現在は「ガイアナ共和国」を正式名称として使用。
出典:外務省 各国・地域情勢(2011年2月現在)
一般事情
1.面積
21.5万平方キロメートル(本州よりやや小)
2.人口
76.2万人(2009年 ECLAC)
3.首都
ジョージタウン
4.民族
インド系(44%)、アフリカ系(30%)、混血(17%)、先住民族(9%)、その他(1%)
5.言語
英語(公用語)、クレオール語、ヒンディー語、ウルドゥー語
6.宗教
キリスト教、ヒンドゥー教、イスラム教等
7.略史
年月 | 略史 |
---|---|
1621年 | オランダ西インド会社設立とともに同社の支配下に入る。 |
1814年 | 英国統治下におかれる。 |
1831年 | 英領ガイアナへ |
1966年 | 独立 |
1970年 | 共和制へ移行 |
1980年 | 新憲法公布 |
1985年 | ホイト大統領就任 |
1992年 | ジェーガン大統領就任 |
1997年 | ハインズ大統領就任(ジェーガン大統領急逝による) |
1998年 | ジャネット・ジェーガン大統領就任 |
1999年 | ジャグデオ大統領就任(ジャネット大統領の辞任による) |
2001年 | ジャグデオ大統領再選 |
2006年 | ジャグデオ大統領再選 |
政治体制・内政
1.政体
立憲共和制
2.元首
バラット・ジャグデオ大統領
3.議会
一院制(65名)
4.政府
(1)首相名 サミュエル・A・ハインズ
(2)外相名 キャロリン・ロドリゲス・バーゲット
5.内政
(1)1997年3月、チェディ・ジェーガン大統領が逝去し、同年末の大統領選挙でジャネット・ジェーガン(チェディ・ジェーガン前大統領夫人、人民進歩党(PPP))が当選したが、敗れた野党人民全国会議党(PNC)は選挙不正があったとして抗議行動を起こし、1998年1月には大規模なデモを行う等情勢が悪化した。その後、カリブ共同体(カリコム)の仲介により、ジェーガン大統領とホイトPNC党首(1985-1992年の大統領)との間で、デモの中止、ジェーガン大統領任期の3年への短縮、憲法改正、2001年1月17日までに総選挙の実施及び選挙結果の国際的検証の実施につき合意が成立して情勢は一時沈静化したものの、1998年6月、再び野党によるデモが起こり情勢が悪化した。その後、再度カリコムの仲介の下で新たな合意が成立して漸く情勢は沈静化した。
(2)1999年8月、健康上の理由でジェーガン大統領が辞任し、憲法の規定に基づいてジャグデオ蔵相(PPP)が新大統領に就任、任期は2001年1月までとした。
(3)2001年3月19日に総選挙が大きな混乱もなく実施され、与党PPP/Cが勝利し、ジャグデオ大統領が再任された。選挙後、野党PNC/Rが暴動を起こしたが、間もなく沈静化した。4月24日には長年の懸案であった、ジャグデオ大統領とホイトPNC党首の党首会談が実現し、ガイアナが抱える種々の問題解決に向けて協力していくことで合意、その後2002年末に逝去したホイトPNC党首後継者のコービン氏との間で、議会常任委員会委員長の任命等国内懸案事項に係るコミュニケに合意。2006年8月に行われた総選挙においても、与党PPP/Cが勝利し、ジャグデオ大統領が再選した。ジャグデオ政権は、社会サービス及びインフラ整備を中心に安定した政権運営を行っている。2011年中に総選挙が実施される予定。
外交・国防
1.外交
(1)カリブ共同体(カリコム)の一員として、カリブ海諸国との関係を重視。(カリコム事務局所在地)、ベネズエラ、ブラジル、スリナム等の近隣諸国、及び米、英、印、中等との友好関係の維持発展を進めている。
(2)ベネズエラ及びスリナムとの間に国境問題がある。
2.軍事力
(1)予算 67百万ドル(2008年)(ミリタリーバランス2010)
(2)兵役 志願制
(3)兵力 1,100人(陸軍900人、海軍100人、空軍100人)
民兵組織1,500人、予備軍670人(陸軍500人、海軍170人)
(ミリタリーバランス2010)
経済(単位 米ドル)
1.主要産業
農業(砂糖、米、ラム酒)、鉱業(ボーキサイト、金)、漁業(エビ)、テキスタイル(繊維製品)
2.GNI
1,110百万ドル(2008年 世銀)
3.一人当たりGNI
1,450ドル(2008年 世銀)
4.GDP成長率
2.0%(2008年)、3.3%(2009年 ECLAC)
5.インフレ率
95.6(2008年)、98.4(2009年) (IMF指数 / 2000年 = 100)
6.失業率
0.8%(2009年 ガイアナ銀行)
7.総貿易額(ECLAC)
(1)輸出 446百万ドル(2010年) (財、F.O.B.)
(2)輸入 −1,265百万ドル(2010年) (財、F.O.B.)
8.主要貿易品目
(1)輸出 金、砂糖、エビ、米、木材、ボーキサイト(2009年 ガイアナ銀行)
(2)輸入 食品関係、燃料・潤滑油、各種機器(2009年 ガイアナ銀行)
9.主要貿易相手国(2009年 WTO)
(1)輸出 EU、カナダ、米国、ウクライナ、ジャマイカ
(2)輸入 米国、トリニダード・トバコ、EU、蘭領アンティル、中国
10.通貨
ガイアナ・ドル(GYD)
11.為替レート
1米ドル=203.3(GYD)(2010年11月、ガイアナ銀行)
12.経済概況
- 1985年以降、国際金融機関、欧米先進国との協調関係が回復するに伴い経済状況も回復傾向。
- ジェーガン政権発足後1994年まで年平均7.7%の経済成長を達成、財政赤字削減、インフレ抑制にも成果を出し、IDBなども評価。
- 1997年以降、国営企業の民営化、外国企業との合併事業が進展。
- 1998年に経済情勢が悪化、1999年に「重債務貧困国(HIPC)」としてHIPCイニシアティブに基づく債務救済措置が適用。
- 今後の課題として、ガイアナ経済への信用回復、堅実なマクロ経済政策、構造改革の推進、民間部門への援助、社会状態の改善及びHIPCイニシアティブに基づく公共部門近代化プログラムの実施などが挙げられる。
経済協力(単位 億円)
1.日本の援助実績(累計)
(1)有償資金協力 (2008年度まで、交換公文ベース) なし
(2)無償資金協力 (2008年度まで、交換公文ベース) 131.18億円
(3)技術協力実績 (2007年度まで、JICAベース) 10.80億円
2.主要援助国(2007年)
(1)米国 (2)カナダ (3)英国 (4)日本 (5)スペイン (OECD/DAC)
二国間関係
1.政治関係
1966年5月26日、独立と同時に日本はこれを承認。1967年6月6日外交関係開設、在コロンビア大使館が兼轄。1977年より在ベネズエラ大使館が兼轄。2006年より在トリニダード・トバゴ大使館が兼轄。
2.経済関係
対日貿易(2009年 JETRO貿易統計)
- (1)貿易額(単位:億円)
- 輸出 7.0
輸入 26.0 - (2)主要品目
- 輸出 アルミニウム鉱、加工木材、生きている鳥、ラム酒等蒸留酒
輸入 自動車、船外機
3.在留邦人数
13人(2009年10月)
4.在日当該国人数
10人(2009年12月)
5.要人往来
(1)往
年月 | 要人名 |
---|---|
1973年 | カリブ・アンデス北部経済使節団(団長:後藤三井物産副社長) |
1976年 | カリブ経済調査団(団長:青木三井物産専務) |
1989年 | 山下徳夫(衆議院議員) |
2005年 | 有馬龍夫政府代表 |
(2)来
年月 | 要人名 |
---|---|
1975年 | バーナム首相 |
1979年 | ジャクソン外相、グリーン労働住宅厚生相 |
1985年 | グリニッジ財務相 |
1988年 | マッケンジー農相、ジャクソン外相、グリニッジ財務相 |
1989年 | グリーン首相(大喪の礼) |
1990年 | ホイト大統領(即位の礼) |
1991年 | グリニッジ財務相 |
1993年 | ジャグデオ財務副大臣 |
2000年6月 | ハインンズ首相 |
2000年11月 | ローヒー外相(第1回日・カリコム外相会議) |
2007年6月 | ジャグデオ大統領 |
2008年4月 | バクシュ教育相(「万人のための教育」ファスト・トラック・イニシアティブ実務者会合) |
2010年9月 | ロドリゲス=バーケット外相(第2回日・カリコム外相会議) |
6.二国間条約・取極
2005年2月 技術協力協定