ホンジュラス共和国
(Republic of Honduras)
出典:外務省 各国・地域情勢(2011年5月現在)
一般事情
1.面積
112,492平方キロメートル(日本の約3分の1弱)
2.人口
約746万人(2009年、世銀)
3.首都
テグシガルパ
4.民族
ヨーロッパ系・先住民混血91%、その他9%(先住民6%、アフリカ系2%、ヨーロッパ系1%)
5.言語
スペイン語
6.宗教
伝統的にカトリック(信教の自由を憲法上保障)
7.略史
年月 | 略史 |
---|---|
1502年 | コロンブス「発見」 |
1539年 | グアテマラ総督領編入 |
1821年 | 独立 |
1823年 | 中米諸州連合結成 |
1838年 | 中米諸州連合より分離独立 |
1982年 | 民政移管、コルドバ大統領就任 |
1986年 | アスコナ大統領就任 |
1990年 | カジェハス大統領就任 |
1994年 | レイナ大統領就任 |
1998年 | フローレス大統領就任 |
2002年 | マドゥーロ大統領就任 |
2006年 | セラヤ大統領就任 |
2009年6月 | クーデター発生 |
2010年1月 | ロボ大統領就任 |
政治体制・内政
1.政体
立憲共和制
2.元首
ポルフィリオ・ロボ・ソサ大統領(任期4年、再選禁止)
3.議会
一院制(128名、任期4年)
4.政府
国民党
(1)首相名 首相職無し
(2)外相名 マリオ・カナワティ
5.内政
- 1963年以降1980年まで軍政が続き、1980年に制憲議会選挙、1981年に総選挙が行われ、1982年に民政移管。
- 以後7回の大統領選挙が実施されており、自由党と国民党の2大政党制度が定着していると言える。
- 2009年6月28日未明、軍がセラヤ大統領(当時)を拘束して国外移送するというクーデターが発生した。国連や米州機構(OAS)などの国際社会は一斉にクーデターを非難し、7月4日にはOASがホンジュラスの加盟資格停止を決定した。
- 2009年7月からアリアス・コスタリカ大統領の仲介により、セラヤ大統領側と「暫定政府」側双方による問題解決のための対話が開始。その後、OAS及び米国の仲介も得て、2009年10月30日、セラヤ大統領側と「暫定政府」側が「テグシガルパ・サンホセ合意」に署名。
- 2009年11月29日に実施された大統領選挙・総選挙で、ロボ国民党候補(当時:野党)が当選し、2010年1月27日、大統領に就任。
- ロボ大統領は政変後の国内融和と国際関係の修復に尽力し、欧米等多数の国との関係を正常化した。日本政府も「テグシガルパ・サンホセ合意」の未履行事項であった「統一和解政府」の成立(2010年2月25日)と「真相究明委員会」の設立(4月13日)等を受け、2010年4月23日、外交関係を正常化した。一方,米州人民ボリバル同盟(ALBA)を含む一部中南米諸国はセラヤ元大統領が帰国していないこと等を理由にホンジュラス政府を承認しておらず、こういった状況を踏まえてホンジュラスのOAS復帰も実現していない。
外交・国防
1.外交基本方針
(1)対米関係重視。外交多角化の観点よりアジアとの関係緊密化に努力。中国と国交はなく、台湾と国交を有する。
(2)中米統合の促進。
2.軍事力
(1)徴兵制に代え志願兵役制を導入(1995年4月、議会にて志願制兵役法案可決)
(2)兵力 12,000人(陸軍8,300人、海軍1,400人、空軍2,300人)
(3)国防費 138百万ドル(2010年)
(2011年ミリタリーバランス)
経済
1.主要産業
農林牧畜業(コーヒー、バナナ、養殖エビ等)
2.名目GDP
約146億ドル(2009年、世銀)
3.一人当たりGNI
1,914ドル(2010年、中銀)
4.経済成長率
2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | |
---|---|---|---|---|
経済成長率(単位:%) | 6.3% | 4.2% | −2.1% | 2.8% |
(出典:中銀)
5.消費者物価上昇率
2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | |
---|---|---|---|---|
消費者物価上昇率(単位:%) | 8.9% | 10.8% | 3.0% | 6.5% |
(出典:中銀)
6.失業率
2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | |
---|---|---|---|---|
失業率(単位:%) | 3.1% | 3.0% | 3.1% | 3.9% |
(出典:統計局)
7.総貿易額
2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | |
---|---|---|---|---|
(1)輸出(F.O.B)(単位:百万ドル) | 5,594 | 6,046 | 5,198.3 | 5,741.9 |
(2)輸入(C.I.F)(単位:百万ドル) | 9,155 | 10,389 | 7,787.5 | 8,549.5 |
(出典:中銀、いずれも暫定値)
8.主要貿易品目
(1)輸出 コーヒー、バナナ、養殖エビ、養殖淡水魚
(2)輸入 燃料類、機械・電気部品及び関連製品、化学工業製品
9.主要貿易相手国
(1)輸出 米国(39.8%)、中米(23.9%)、EU(22.9%)、日本(0.9%)
(2)輸入 米国(40%)、中米(23.5%)、EU(7.1%)、日本(1.5%)
(2009年、中銀)
10.通貨
レンピーラ(L)
11.為替レート
1$=18.9レンピーラ(2010年平均)
12.経済概況
- 1998年、中米を襲ったハリケーン・ミッチにより、約36億ドル(1998年名目GDPの約68%にあたる)という未曾有の被害を被ったが、国際機関等の支援もあり復興。
- 拡大重債務貧困国(HIPC)イニシアチブの対象国であり、2005年3月にIMF理事会、同年4月には世銀理事会において完了時点に到達したことが承認された。その結果、国際機関(プレッジ額は約3億ドル)、各国(予定額940百万ドル)による債務免除が実施されることとなった。日本は、計約581億円の債務免除を行った。
- コーヒー、バナナ等の伝統産業への依存度は未だ高いが、これから脱却するため、新規産業の育成を図っている。近年はマキラ(保税加工区)における製造業(特に繊維)や観光業が注目されている。
- 在米ホンジュラス人(約100万人)からの本国送金も急増しており、2010年の送金額は25.3億ドル。
- 近年は国際経済危機の影響により建設業やマキラ産業が打撃を受け、2009年6月のクーデター後は国際協力の停止の影響も出て、国内経済は厳しい不況に陥った。経済状況の立て直しが急務の課題。
- 米・中米・ドミニカ共和国自由貿易協定(DR-CAFTA)が2006年4月に発効。また、2010年5月に中米・EU連携協定交渉が合意・署名に至った。
13.対外債務
2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | |
---|---|---|---|---|
対外債務(単位:百万ドル) | 3,190 | 3,461.1 | 3,291.0 | 2,831.7 |
(出典:中央銀行)
経済協力
1.日本の援助実績
(1)有償資金協力(2009年度まで、E/Nベース) 347.74億円
(2)無償資金協力(2009年度まで、E/Nベース) 719.91億円
(3)技術協力実績(2009年度まで、JICA経費実績ベース) 380.33億円
2.主要援助国(2008年、単位:百万ドル)
(1)スペイン(117.6) (2)米国(96.3) (3)日本(40.9)
二国間関係
1.政治関係
伝統的に友好関係。1935年2月外交関係樹立。1941年12月からの外交関係中断を経て、1953年10月外交関係再開。1967年相互に大使館開設。1971年我が方大使館実館設置。
1998年、ハリケーン災害の人道援助のため、日本は国際緊急援助隊として初めて自衛隊の医療部隊を派遣。約4千人の診察と約3.3万平米の防疫を行った。
2.経済関係
対日貿易
- (1)貿易額(2010年、財務省貿易統計)
- 輸出 28.7億円
輸入 77.5億円 - (2)主要品目
- 輸出 コーヒー、衣類等
輸入 自動車部品、機械類等
3.文化関係
一般文化無償累計 18件 9,782億円
草の根文化無償累計 5件 3,816億円
4.在留邦人数
206人(2010年10月現在)
5.在日当該国人数
177人(2009年12月現在)
6.要人往来
(1)往(1982年以降)
年月 | 要人名 |
---|---|
1982年 | 山下徳夫特派大使(コルドバ大統領就任式) |
1984年 | 北川外務政務次官 |
1984年 | 山下徳夫衆議院議員(叙勲) |
1986年 | 奥田敬和特派大使(アスコナ大統領就任式) |
1990年 | 斉藤十朗特派大使(カジェハス大統領就任式) |
1991年 | 杉浦正健衆議院議員、渡海紀三朗衆議院議員 |
1992年 | 小渕恵三衆議院議員、杉浦正健衆議院議員、三原朝彦衆議院議員、新盛辰雄衆議院議員、木間章衆議院議員、藤原房雄衆議院議員 |
1994年 | 山下徳夫特派大使(レイナ大統領就任式) |
1998年 | 綿貫民輔特派大使(フローレス大統領就任式)、町村外務政務次官(ハリケーン見舞い) |
1999年 | 愛知和男衆議院議員 |
2002年 | 清水嘉与子特派大使(マドゥーロ大統領就任式) |
2003年 | 清子内親王殿下 |
2005年 | 有馬龍夫政府代表(日本・ホンジュラス外交関係樹立70周年記念式典)、小平忠正衆議院議員 |
2006年 | 鳩山邦夫特派大使(セラヤ大統領就任式) |
2007年 | 山際大志郎衆議院議員 |
(2)来(1984年以降)
年月 | 要人名 |
---|---|
1984年 | パス・バルニカ外務大臣(外務省賓客) |
1985年 | パス・バルニカ外務大臣 |
1986年 | カスティーリョ国会副議長 |
1988年 | エステラ・バーリエ文部大臣、フエルナンデス国会副議長、ロペス・コントレーラス外務大臣 |
1989年 | アスコナ大統領(大喪の礼)、ロペス・コントレーラス外務大臣(大喪の礼)、カストロ通信・公共事業運輸大臣 |
1990年 | イリアス国会議長、カステリャーノス厚生大臣、マルティネス予算企画大臣、カスティーリョ大統領顧問、メンブレーニョ通信・公共事業運輸大臣、カジェハス大統領(即位の礼)、カリアス外務大臣(即位の礼) |
1991年 | メディーナ経済大臣、ビジャヌエバ大蔵大臣、マドゥーロ中銀総裁、ヌフィオ天然資源大臣 |
1993年 | カリアス外務大臣、チャイン経済貿易大臣 |
1994年 | パス外務大臣 |
1995年 | ヘレサノ副大統領 |
1997年 | レイナ大統領(実務訪問賓客) |
1999年 | フローレス外務大臣(台湾訪問帰路立ち寄り) |
2003年 | バトレス文化大臣、ピエレフ観光大臣、ロドリゲス枢機卿、パンティング環境大臣 |
2004年5月 | マドゥーロ大統領(実務訪問賓客) |
2005年3月 | ロサ・バウティスタ外務大臣(外務省賓客) |
2005年4月 | マドゥーロ大統領(IDB沖縄総会) |
2005年8月 | マドゥーロ大統領、ロボ副大統領、フォルティン外務大臣(日本・中米首脳会談) |
2007年10月 | メサ厚生大臣 |
2010年10月 | クエジカル環境大臣(COP10) |
2011年2月 | アルバレス・テグシガルパ市長(国民党党首) |
7.二国間条約・取極
1974年 査証相互免除取極
1976年 青年海外協力隊派遣取極
2007年 技術協力協定