イスラエル国
(State of Israel)

出典:外務省 各国・地域情勢(2010年11月現在)

一般事情

1.面積

2.2万平方キロメートル(日本の四国程度)

注※数字はイスラエルが併合した東エルサレム及びゴラン高原を含むが、右併合は日本を含め国際的には承認されていない。

2.人口

約737万人(2008年 イスラエル中央統計局)

3.首都

エルサレム

注※日本を含め国際的には認められていない。

4.民族

ユダヤ人(約74%)、アラブ人その他(約26%)(2008年)

5.言語

ヘブライ語、アラビア語

6.宗教

ユダヤ教(75.4%)、イスラム教(16.8%)、キリスト教(2.0%)、ドルーズ(1.6%)(2008年)

7.略史

 1947年国連総会はパレスチナをアラブ国家とユダヤ国家に分裂する決議を採択。イスラエルは1948年独立を宣言。1948年、1956年、1967年、1973年と周辺アラブ諸国と4度にわたり戦争。その後、1979年にエジプトと平和条約を締結。1994年10月ヨルダンと平和条約を締結。パレスチナ解放機構(PLO)とは、1993年9月、相互承認を行い暫定自治原則宣言(オスロ合意)に署名。その後、暫定合意に従い、西岸・ガザではパレスチナ暫定自治政府による自治が実施されている。

政治体制・内政

1.政体

共和制

2.元首

シモン・ペレス大統領(Mr. Shimon Peres)

3.議会

一院制(120名)(全国1区の完全比例代表選挙制度)

4.政府

(1)首相 ビンヤミン・ネタニヤフ(Mr. Benjamin Netanyahu)

(2)外相 アヴィグドール・リーベルマン(Mr. Avigdor Lieberman)

5.内政

(1)1948年の独立以来、労働党を中心とする左派政権が約30年間続いたが、その後、リクードを中心とする右派政権、左派の労働党政権、および両者による大連立の政権が交代し、2005年11月に中道新党「カディマ」が結成されるまでの間、労働党とリクードの左右二大政党による勢力拮抗時代が続いた。

(2)2006年1月にシャロン首相が脳卒中に倒れ突然政界引退。同年3月の総選挙ではオルメルト新党首率いる「カディマ」が第一党となり、5月に労働党等との間で左派・中道の連立政権を樹立。

(3)オルメルト政権による2008年12月末からのイスラエル軍のガザ進攻後に実施された2009年2月の総選挙の結果、同年3月に「イスラエル・ベイテイヌ」等の右派・極右政党、宗教政党及び中道左派の労働党が参加する右派リクード主導のネタニヤフ政権が誕生した。

外交・国防

1.外交基本方針

(1)イスラエルの外交方針は自国の安全確保を並びに米国を中心とする欧米諸国との協力強化を重視している。

(2)アラブ諸国のうち隣接するエジプト、ヨルダンと和平を結んだことにより、周辺国との戦争の可能性が低下した一方、その外縁部にあるイランの脅威が相対的に浮上し、警戒感を強めている。

(3)中東和平問題については、当事者間の直接交渉を重視。1991年のマドリード会議以降、オスロ合意の締結、ヨルダンとの和平条約締結等により、一部アラブ諸国との関係改善を成し遂げる等、大きな進展を見せたものの、2000年9月のパレスチナとの衝突(第2次インティファーダ)発生以来、同プロセスは停滞。しかし、そうした中で、2007年11月のアナポリス中東和平国際会議において、オルメルト首相はアッバース・パレスチナ自治政府大統領との間で7年振りに和平交渉を再開することで合意した。その後も和平プロセスに進展は見られなかったが、2010年9月、約2年ぶりにイスラエル・パレスチナ間の直接交渉が開始されたが先行きは不透明。2010年9月末のイスラエルの入植活動により事実上中断。

2.軍事力(JCSS中東ミリタリーバランス2010)

(1)兵役 男子3年、女子19-24ヶ月(更に予備役あり)

(2)兵力

正規軍 17.7万人(陸軍13.3万人、海軍1万人、空軍3.4万人)
 (内訳:職業軍人約6万人、徴兵兵士約11.7万人)
予備役 56.5万人(陸軍50万人、海軍1万人、空軍5.5万人)

(3)主要装備

戦車3,360両、装甲戦闘車7,070両、水上艦艇67隻、潜水艦3隻、戦闘機(F-15、F-16)442機、攻撃ヘリコプター80機

経済

1.主要産業

鉱工業(ダイヤモンド研磨加工、ハイテク関係、食品加工、繊維、ゴム、プラスチック、薬品、機械、電子機器、カリ、臭素、燐鉱石等)、農業(柑橘類、野菜、穀物、酪農品等)

2.GDP

1,772億ドル(2009年)

3.一人当たりGDP

28,100ドル(2009年)

4.経済成長率

0.5%(2009年)

5.物価上昇率

3.9%(2009年)

6.失業率

7.7%(2009年 イスラエル中央統計局)

7.総貿易額

(1)輸出 477億ドル(2009年 イスラエル中央統計局)

(2)輸入 474億ドル(2009年 イスラエル中央統計局)

8.貿易品目

(1)輸出 ダイヤモンド、医療精密機器、化学製品、電子部品等

(2)輸入 自動車、機械類、光学・医療機器、ダイヤモンド等

9.貿易相手国

(1)輸出 北米(37%)、欧州(32%)、アジア(20%)(2009年 イスラエル中央統計局)

(2)輸入 欧州(48%)、アジア(21%)、北米(13%)(2009年 イスラエル中央統計局)

10.通貨

新シェケル(NIS)

11.為替レート

1米ドル=3.7新シェケル(2010年4月)

12.経済概況

(1)2003年以降、通貨シェケルの対ドル・レートが低位に安定し、かつ、国内賃金の停滞等を背景として輸出競争力が向上するとともに、イラク戦争終結によってビジネス環境が改善したこと等により、2003年の経済成長率は1.3%と3年ぶりにプラス成長に転じ、回復基調が継続している。2008年に4%の経済成長を達成したが、2009年には0.5%となった。

(2)死海のマグネシウム等を除けばエネルギー資源に恵まれていないが、ダイヤモンド研磨等の高付加価値品の加工貿易を志向する産業構造となっている。最近はハイテク分野の成長が著しい。

経済協力

1.主要援助国

 米(建国以来、多額の有償無償経済援助を実施。対エジプト平和条約締結後の1981年以降は全額無償援助となり、1985年以降は経済援助12億ドル、軍事援助18億ドル)。イスラエルの提案を踏まえ、1999年より、米の経済援助は毎年1.2億ドルずつ減額され10年間でゼロにすることとされている。(但し、その半額は軍事援助の増額分として振り分けられる。)

二国間関係

1.政治関係

政治関係
1952年 日本のイスラエル承認
イスラエルの公使館開設(東京)
1954年 在トルコ大使の在イスラエル公使兼任
1955年 日本の公使館開設(テルアビブ)
1963年 双方の公使館の大使館昇格

2.経済関係(2009年)

(1)主要品目

(イ)対日輸入 自動車、電気機器、化学品
(ロ)対日輸出 機械・電子機器、光学・医療機器、化学製品等

(2)貿易額

(イ)対日輸入 15.2億ドル(2009年 イスラエル中央統計局)
(ロ)対日輸出 5.3億ドル(2009年 イスラエル中央統計局)

3.文化関係

(1)1987年総務庁事業によりイスラエル青年招聘及び日本青年派遣。また1989年以来、中近東青年招聘計画により毎年5〜8名のイスラエル青年を日本へ研修招待。1992〜1993年日本文化祭実施。1993年知的交流開始。1998年研究交流開始。

(2)カツィール元大統領が日本国際賞受賞(1985年)。小平(1984年)、早石(1985年)、伊藤(1987年)、槙(1988年)、西塚(1995年)、小柴(2000年)、佐藤(2003年)各教授がウルフ賞受賞。

(3)イスラエル交響楽団来日公演(2000年、2003年11月、2007年3月)、大相撲佐渡ヶ嶽部屋イスラエル巡業(2006年6月)他、両国芸術家の交流事業多数。

4.在留邦人数

914名(2010年9月現在)

5.在日当該国人数

372名(2010年10月現在)

6.要人往来

(1)往

年月 要人名
1988年 宇野宗佑外務大臣
1991年 中山太郎外務大臣
1994年 柿澤弘治外務大臣
1995年 村山富市総理大臣、河野洋平外務大臣(故ラビン首相国葬参列)、池田行彦外務大臣
1996年 久間章生防衛庁長官
1998年 鈴木宗男北海道・沖縄開発庁長官、鈴木宗男内閣官房副長官
1999年 高村正彦外務大臣、町村信孝外務政務次官、中馬弘毅衆議院外務委員長
2000年 東祥三総括外務政務次官
2001年1月 石破茂防衛庁副長官
2001年7月 杉浦正健外務副大臣
2001年8月 鈴木宗男衆議院外務委筆頭理事
2001年9月 衆議院憲法調査会議員団
2002年1月 与党3幹事長一行
2002年5月 山崎拓自由民主党幹事長一行
2002年6月 川口順子外務大臣
2003年4月 川口順子外務大臣
2004年11月 川口順子特派大使(総理補佐官:故アラファト議長弔問)
2004年12月 福島啓史郎外務政務官
2005年1月 河井克行外務政務官(パレスチナ大統領選挙監視団団長)、野呂田芳成衆議院議員(日・イスラエル友好議連会長)他一行、町村外務大臣
2005年4月 岡田克也民主党代表他民主党代表団、中山泰秀衆議院議員他日・イスラエル友好議連一行
2006年1月 伊藤信太郎外務大臣政務官(パレスチナ立法評議会選挙監視団長)
2006年5月 三浦一水農林水産副大臣
2006年7月 小泉純一郎総理大臣、鈴木内閣官房副長官
2006年8月 伊藤信太郎外務大臣政務官
2006年12月 木村隆秀防衛副長官
2007年5月 小池百合子安全保障担当総理大臣補佐官
2007年8月 麻生外務大臣
2008年2月 中山外務大臣政務官
2010年5月 長島防衛大臣政務官
2010年8月 武正外務副大臣

(2)来

年月 要人名
1985年9月 シャミール外相
1989年2月 ヘルツォグ大統領(大喪の礼参列)
1989年11月 アレンス外相
1990年11月 ヘルツォグ大統領(即位の礼参列)
1992年12月 ペレス外相
1994年12月 ラビン首相
1997年2〜3月 レヴィ副首相兼外相
1997年4月 シャランスキー産業貿易大臣
1997年8月 ネタニヤフ首相、ネエマン蔵相
1998年5月 エイタン副首相兼農業相
1999年3月 ティホン・クネセット議長
2000年6月 ベン・エリエゼル通信相(故小渕恵三首相葬儀参列)
2000年8月 ペレス地域協力相
2001年12月 シトリート司法相
2002年1月 ハネグビ環境相
2002年8月 リヴリン通信相
2003年9月 シャローム副首相兼外相
2004年9月 ラッサービ・クネセット議員(イスラエル・日本友好議連会長)
2005年4月 オルマート副首相兼産業・貿易・労働相
2006年2月 カラディ・イスラエル警察長官
2007年1月 リヴニ筆頭副首相兼外相
2007年2月 フィッシャー・イスラエル中央銀行総裁、アブラモヴィッチ外務次官(第1回外務次官級協議)
2007年3月 ヘルメッシュ・イスラエル日本友好議員連盟会長、ペレス副首相兼ネゲブ・ガリラヤ地方開発担当相
2007年8月 アハロノヴィッチ観光相
2008年2月 オルメルト首相
2008年7月 エズラ環境保護相
2008年10月 シトリート内相
2010年4月 メリドール副首相兼諜報相
2010年5月 リーベルマン副首相兼外相

7.二国間条約・取極

航空協定(2000年1月)
科学技術協力協定(1995年8月)(2000年7月、更に5年間延長)
文化教育取極(1994年12月)
租税条約(1993年12月)
査証免除取極(1971年)

8.友好協会等

日本・イスラエル友好議員連盟(1984年2月)
日本・イスラエル商工会議所(1996年6月)
日本・イスラエル親善協会(1965年)