ジャマイカ
(Jamaica)
出典:外務省 各国・地域情勢(2011年2月現在)
一般事情
1.面積
11,424平方キロメートル(秋田県とほぼ同じ大きさ)
2.人口
271.9万人(2009年 ECLAC)
3.首都
キングストン
4.民族
アフリカ系91%、混血6.2%、その他2.6%
5.言語
英語、英語系パトゥア語
6.宗教
プロテスタント等
7.略史
年月 | 略史 |
---|---|
1494年 | コロンブスによるジャマイカ島「発見」 |
1670年 | 英領植民地 |
1944年 | 選挙による議会設置 |
1957年 | 英国自治領となる |
1962年8月 | 独立(カリブ海英領植民地の中で最初) |
政治体制・内政
1.政体
立憲君主制
2.元首
エリザベス2世女王
3.議会
二院制(上院21名、下院60名)
4.政府
(1)首相名 ブルース・ゴールディング<
(2)外相名 ケネス・ボー
5.内政
- 独立以来、ジャマイカ労働党(JLP)及び人民国家党(PNP)の二大政党が民主的選挙により政権交代。
- 1980年10月の総選挙で、JLPがそれまでの左傾化したマンレイ首相のPNP政権を破り、セアガJLP党首が首相に就任。セアガ政権は自由主義経済路線をとり経済再建に努めたが必ずしも成功せず、1989年2月の総選挙でマンレイ政権が再び登場。同政権は、前回の1972〜1980年の政権時代とは異なり、親米路線をとった。
- 1992年3月、マンレイ首相が健康問題を理由に引退した後、パターソン副首相が首相に就任。パターソン政権は前政権の内外政策を継承。同首相は、同国史上初めて4期連続で長期に政権を担当したが(1992年3月、1997年12月、2002年10月)、2007年までの任期満了を待たず首相を退任。2006年3月、シンプソン・ミラー副党首が初の女性党首として選出され、ジャマイカ初の女性首相に就任した。庶民派の首相として期待が寄せられたが、雇用増加や治安対策などの分野で期待されていた程の成果をあげることができなかった。
- 2007年9月に実施された総選挙においてJLPが勝利し、18年振りに政権交代が実現し、9月11日、JLPのゴールディング党首が新首相として就任した。
- ゴールディング首相率いるJLP政権は、過去一年、ハリケーン等の自然災害への対応に追われると共に、石油・一次産品価格の高騰及び世界経済の減速の圧迫を受けた。
- 2010年は、大物ギャングの米国への引き渡しをめぐり、国内政治は混乱(5月〜7月、国家非常事態宣言発出)。次回総選挙は2012年の予定。
外交・国防
1.外交基本方針
- 英連邦の一員として、英国や米国をはじめとする西側諸国との関連促進。ラテンアメリカ・アジア地域との関係促進を図る。
- 非同盟諸国の一員として、途上国との関係強化に務める(2005年、G77の議長国を務めた)。
- カリコム(カリブ共同体)では、「域外交渉」担当の職責を担い外交面でのスポークスマン的役割を果たす。
2.軍事力
(1)予算 96百万米ドル(2008年 ミリタリーバランス2010)
(2)兵役 志願制
(3)兵力 2,830人(陸軍2,500人、沿岸警備隊190人、空軍140人)
経済(単位 米ドル)
1.主要産業
サービス業、観光業、鉱業(ボーキサイト及びアルミナ)、農業(コーヒー、砂糖、バナナ)
2.GNI
12,402百万米ドル(2009年 世銀)
3.一人当たりGNI
4,590米ドル(2009年 世銀)
4.GDP成長率
−2.7%(2009年 ECLAC)
5.インフレ率
238.2(2008年)、261.0(2009年) (IMF指数 / 2000年 = 100)
6.失業率
11.4%(2009年 ECLAC)
7.総貿易額
(1)輸出 1,386百万ドル(2009年 ECLAC) (財、F.O.B.)
(2)輸入 4,509百万ドル(2009年 ECLAC) (財、F.O.B.)
8.主要貿易品目
(1)輸出 アルミナ、ボーキサイト、砂糖、ラム酒、コーヒー
(2)輸入 燃料、機械類・輸送機材、食料その他の消費財、建設資材
9.主要貿易相手国(2009年 WTO)
(1)輸出 米国、EU、カナダ、ノルウェー、アイスランド
(2)輸入 米国、ベネズエラ、トリニダード・トバゴ、EU、中国
10.通貨
ジャマイカドル(J$)
11.為替レート
1米ドル=89J$(2009年)
12.経済概況
- ジャマイカ経済は、サービス業がGDPの60%以上を占めている。外貨は、観光業、海外移住者からの送金、鉱業(ボーキサイト、アルミナ)に大きく依存している。世界的な金融危機と景気後退により、ボーキサイト・アルミナ価格が暴落し、また、観光客(約70%が米国から)が減少し、大きな影響を受けた。
- 政府は2010年1月に高金利国債を低金利国債に借り換える緊急措置を実施するとともに、2月にIMFのスタンドバイ・アレンジメント融資を受けた。
経済協力(単位 億円)
1.日本の援助実績
(1)有償資金協力(2008年度まで、交換公文ベース) 534.21
(2)無償資金協力(2008年度まで、交換公文ベース) 15.06
(3)技術協力実績(2008年度まで、JICAベース) 77.28
2.主要援助国(2007年)
(1)カナダ (2)ベルギー (3)英国 (4)スペイン (5)スウェーデン
二国間関係
1.政治関係
日本は、1962年8月6日ジャマイカ独立と同時に、同国を承認。1964年3月17日外交関係開設。同年5月以来、在ドミニカ(共)大使館が兼轄(1975年11月より駐在官常駐)していたが、1995年1月をもって実館化。ジャマイカは1990年駐日名誉領事館設置、1992年1月駐日大使館設置。1996年6月、神戸に名誉領事館設置。
2.経済関係
対日貿易(2009年 JETRO貿易統計)
- (1)貿易額
- 対日輸出 31.7億円
対日輸入 78.0億円 - (2)主要品目
- 対日輸出 コーヒー、ラム酒、とうがらし、レコード
対日輸入 自動車、自動車部品
3.文化関係
文化無償協力 17件(うち草の根2件含む) 6.6億円
(TV番組編集機材、視聴覚機材、音響照明機材等)
JETプログラム、国費留学生の実績あり
4.在留邦人数
158人(2009年10月現在)
5.在日当該国人数
316人(2009年12月現在)
6.要人往来
(1)往
年月 | 要人名 |
---|---|
1985年 | 佐藤栄佐久参議院議員、河本喜久蔵国土庁長官 |
1988年 | 浜田卓二郎外務政務次官 |
1989年 | 田中直紀外務政務次官 |
1992年 | 中山正暉衆議院議員 |
1997年 | 秋篠宮同妃両殿下 |
2001年1月 | 平沼赳夫経済産業大臣 |
2001年8月 | 山口泰明外務大臣政務官 |
2005年5月 | 小野寺五典外務大臣政務官 |
2007年5月 | 松島みどり外務大臣政務官 |
2008年6月 | 木村仁外務副大臣 |
2010年5月 | 武正公一外務副大臣 |
(2)来
年月 | 要人名 |
---|---|
1985年 | セアガ首相、ギルモア文相 |
1986年 | ハート鉱山・エネルギー・観光相 |
1987年 | アンダーソン国家安全保障相、ペラルト外務・貿易・工業副大臣、ハート鉱山・エネルギー・観光相 |
1989年 | フィリップス首相府副大臣、プリングル観光相 |
1990年 | ダンクレイ教育相、ナイト国家安全保障相、マリングス蔵相、プリングル観光相、ラムタリー建設相、ジュノー開発企画生産省副大臣、コーア外相(即位の礼) |
1991年 | マンレイ首相(非公式)、パターソン副首相、コーア外相、プリングル観光相、カニングハム国会議長 |
1992年 | デイビス企画庁長官、ダグラス保健相 |
1994年 | ピッカースギル公共事業鉱業エネルギー相、ダンクレー観光相 |
1995年 | マリングス副首相兼外相(外務省賓客) |
1996年 | デイビス蔵相 |
1997年 | ロバートソン産業投資商業大臣、クラーク農業鉱業大臣 |
1998年 | クラーク農業大臣、デイビス蔵相、パターソン首相(公式実務) |
1999年 | ポーウェル商業技術相 |
2000年11月 | ロバートソン外相(第1回日・カリコム外相会議) |
2001年 | デイビス蔵相、ジャクソン国務相、バートラム地方政府・コミュニティー開発相 |
2002年 | ヒルトン鉱業エネルギー相 |
2003年 | ヒューズ経済企画庁長官 |
2005年 | ラティボディエール中央銀行総裁 |
2008年4月 | バートレット観光相 |
2008年10月 | マリングス・エネルギー相 |
2010年8月 | ボー副首相兼外相(外務省賓客、第2回日・カリコム外相会議) |
7.二国間条約・取極
1987年 青年海外協力隊派遣取極