ケニア共和国
(Republic of Kenya)

出典:外務省 各国・地域情勢(2011年5月現在)

一般事情

1.面積

58.3万平方キロメートル(日本の約1.5倍)

2.人口

3,980万人(2009年:世銀)

3.首都

ナイロビ(Nairobi)(約310万人 2009年:ケニア統計局)

4.民族

キクユ人、ルヒヤ人、カレンジン人、ルオ人等

5.言語

スワヒリ語、英語

6.宗教

伝統宗教、キリスト教、イスラム教

7.国祭日

12月12日(独立記念日)

8.略史

年月 略史
1963年 英国から独立
1964年 共和制移行(ケニヤッタ大統領)
1978年 モイ大統領就任(1983、1988、1992、1997年に再選)
1982年 ケニア・アフリカ人国民同盟(KANU)による一党制法制化
1991年 複数政党制再導入
2002年 総選挙。キバキ大統領就任
2007年 総選挙。キバキ大統領再選(任期5年)

政治体制・内政

1.政体

共和制

2.元首

ムワイ・キバキ(Mwai Kibaki)大統領(2007年12月30日二期目就任、任期は5年)

3.議会

一院制(222議席、任期5年)

4.与党

国家統一党(PNU)系政党及びオレンジ民主運動(ODM)系政党の連立与党

5.政府

首相名 ライラ・アモロ・オディンガ(Raila Amolo ODINGA)

(現在は、ジョージ・サイトティ(George Saitoti)州行政・国内治安担当大臣が外相代行)

6.内政

 2007年12月の大統領選挙の結果、与党国家統一党(PNU:Party of National Unity)から出馬したキバキ大統領がオレンジ民主運動(ODM:Orange Democratic Movement)のオディンガ党首に競り勝ち、再選を果たしたが、選挙結果を巡る与野党の対立は1963 年のケニア独立後も根強く残る国内部族間の対立を表面化させ、死者1,200人、国内避難民50万人を超える未曾有の大規模な混乱に発展した。2008年2月、キバキ大統領とオディンガODM党首はアナン前国連事務総長らの仲介を受け、連立政権発足に関する合意に達し、同年4月には両党を中心に大連立政権が発足した。連立政権は選挙改革や部族問題などの長期的な課題に取り組むとともに、大統領権限の制限や土地所有権の見直し及びイスラム法廷の設置条項等を盛り込んだ憲法改正のための国民投票を2010年8月4日に実施。投票は大きな混乱なく実施され、開票の結果、約3分の2の賛成をもって採択された。

外交・国防

1.外交基本方針

 東アフリカにおける重要な安定勢力であり、周辺国より多数の難民を受け入れてきている他、近年、エチオピア・エリトリア紛争、ソマリア、スーダンの内戦等域内の和平調停等に積極的に関与。近隣国との政治・経済的関係においては、ケニア、タンザニア、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジで構成する東アフリカ共同体(EAC)を通じた域内協力を推進している。

2.軍事力

(1)支出 対GDP比率1.8%(2007年)

(2)兵役 志願制

(3)兵力 総兵力24,120人 陸軍20,000人、海軍1,620人、空軍2,500人
(2010年ミリタリーバランス)

経済(単位 米ドル)

1.主要産業

(農)コーヒー、紅茶、園芸作物、サイザル麻、綿花、とうもろこし、除虫菊

(工)食品加工、ビール、タバコ、セメント、石油製品、砂糖

(鉱)ソーダ灰、ほたる石

2.GNI

303億米ドル(2010年:世銀)

3.一人当たりGNI

760米ドル(2010年:世銀)

4.経済成長率

約5%(2010年:世銀)

5.物価上昇率

5.9%(2010年:世銀)

6.失業率

不明

7.総貿易額・主要貿易品目(2008年、ケニア国家統計局)

総貿易額 約161億米ドル

(1)輸出 約50億米ドル 園芸作物、紅茶、衣料品・アクセサリー、ソーダ灰、鉄鋼、コーヒー

(2)輸入 約111億米ドル 石油製品、産業用機械、原油、自動車

8.主要貿易相手国(2010年)

(1)輸出 ウガンダ、英、タンザニア、オランダ、米

(2)輸入 ア首連、インド、中国、南ア、日本、英、米

9.通貨

ケニア・シリング(K.shs)

10.為替レート

1ドル=84シリング(2011年5月現在)

11.経済概況

 比較的工業化が進んでいるものの、コーヒー、茶、園芸作物などの農産物生産を中心とする農業国。農業がGDPの約25%、労働人口の約60%を占める。1990年代後半、旱魃及びエルニーニョ現象による大雨のため農作物やインフラに深刻な被害が生じ、治安の悪化もあって、2000年にはマイナス成長となったが、2003年以降は好調な経済成長を記録した(2005年は5.8%、2006年は6.1%、2007年は7.0%)。他方、2008年以降の経済状況は、2007年末の大統領選挙後の混乱、国内避難民の発生、干ばつ、世界金融経済危機が農業、観光を始めとする各種産業に大きな打撃を与え、2008年の経済成長率は1.7%にとどまった。その後、観光業、建設業を牽引役に、経済は徐々に回復基調を見せている(2010年の成長率は約5%)。

 2008年6月、ケニア政府は2030年には中所得国入りを目指す長期経済開発戦略「ビジョン2030」、及び同戦略の第一次5ヵ年中期計画を公表した。右戦略を軸に、1) 2030年までに毎年平均経済成長率10%以上の達成、2) 公平な社会発展と清潔で安全な環境社会整備、3) 民主的政治システムの持続を目指すとしている。

経済協力

1.日本の援助実績(2008年までの累積)

(1)有償資金協力 2,452.34億円(2009年度まで、E/Nベース)

(2)無償資金協力 1,096.49億円(2009年度まで、E/Nベース)

(3)技術協力 934.44億円(2009年度まで、JICAベース)

2.主要援助国(2008年)(百万ドル)

(1)米(439.4)(2)英(91.4)(3)独(85.3)(4)スウェーデン(65.9)(5)デンマーク(59.3)

二国間関係

1.政治関係

1963年12月、独立と同時に国家承認。1964年6月に駐ケニア大使館設置。1979年1月、駐日ケニア大使館開設。

2.経済関係

(1)貿易額・主要貿易品目(2008年、ケニア国家統計局)

 輸出 648百万ドル 貨物自動車、乗用自動車、機械、鉄鋼板
 輸入 34百万ドル 魚切身、切り花、コーヒー、ナッツ類、紅茶

(2)我が国からの直接投資

 累計:10件 4.16億円(1989年〜2004年度)

3.文化関係

(1)我が国より文化無償協力として、一般文化無償資金協力15件計約5.9億円、草の根文化無償資金協力3件計約8,600万円を実施。最近ではLL機材(2006年度 3,850万円)、TV番組ソフト(2007年度 4,040万円)供与を実施。

(2)劇団風の子派遣(1984年)、ジャズ・太鼓グループ等の派遣(1989、1992、1996、1998、1999、2001、2002年)、バレーボール指導(2006年)、海外日本映画祭(2006年)、邦楽グループ派遣(2007年)

(3)JETプログラム(語学指導を行う外国青年招致事業)で英語指導助手(1名)と国際交流員(1名)を招致(2006年)

(4)文化協定なし

4.在留邦人数

670人(2011年5月現在)

5.在日当該国人数

約350人(2009年2月現在)

6.要人往来(1979年以降)

(1)往

年月 要人名
1979年 園田外務大臣
1981年 鯨岡環境庁長官
1983年 皇太子・同妃両殿下
1994年 玉沢防衛庁長官
1997年8月 石井環境庁長官
1999年1月 橋本元総理大臣
1999年12月 高円宮同妃両殿下
2001年1月 森総理大臣
2003年3月 矢野外務副大臣
2003年8月 鶴保国土交通政務官
2004年12月 河井外務大臣政務官
2005年3月 福島外務大臣政務官
2005年11月 逢沢外務副大臣、日AU友好議連(矢野団長)
2006年9月 中川農林水産大臣
2006年11月 若林環境大臣
2007年1月 田中財務副大臣
2007年3月 岩屋外務副大臣
2007年11月 澤農林水産大臣政務官
2008年3月 小野寺外務副大臣
2008年7月 参議院重要事項調査団(矢野団長)
2008年9月 御法川外務大臣政務官(東部アフリカ貿易投資促進合同ミッション)
2009年3月 福田元総理大臣
2009年5月 西村外務大臣政務官
2010年3月 皇太子殿下
2010年5月 大谷環境大臣政務官

(2)来

年月 要人名
1981年 オウコ外相
1982年 モイ大統領(国賓)
1987年 サイトティ蔵相
1989年 モイ大統領(大喪の礼参列)
1990年 サイトティ副大統領兼蔵相
1990年 モイ大統領(即位の礼参列)
1993年 サイトティ副大統領(アフリカ開発会議出席)
1994年 ワコ司法長官
1994年 ムダバディ大蔵相(高級実務者招聘)
1995年9月 サイトティ副大統領(福田元総理葬儀参列)
1998年2月 ビウォット東アフリカ地域協力相、(EAC閣僚使節団)
1998年10月 ゴダナ外相(第2回アフリカ開発会議出席)
2000年6月 サイトティ副大統領(小渕前総理葬儀参列)
2001年12月 アウィティ計画相(TICAD閣僚レベル会合)
2003年2月 キトゥイ貿易産業相(WTO東京非公式閣僚会合出席)
2003年3月 カルア水資源相(水フォーラム出席)
2003年4月 バララ文化・スポーツ相
2003年7月 ムウィラリア財務相、アヤコ・エネルギー相
2003年9月 ニョンゴ計画・国家開発相(第3回アフリカ開発会議出席)
2004年3月 ムショカ外相、トゥジュ観光・情報相(外務相賓客)
2004年5月 ケニア議会教育議員団
2004年11月 キバキ大統領(実務訪問賓客・TICADアジア・アフリカ貿易投資会議。ムワクウェレ外相、キトゥイ貿易産業相、ニョンゴ計画・国家開発相、トゥジュ情報通信相が大統領に同伴して訪日。)
2005年2月 マータイ環境・天然資源副大臣(毎日新聞招待)、ニョンゴ計画・国家開発相、ンギル保健相
2005年3月 マータイ環境・天然資源副大臣(万博協会招待)
2005年6月 キトゥイ貿易・産業相
2005年8月 キトゥイ貿易・産業相、ドゥゾロ観光・野生動物相
2006年9月 ドゥゾロ観光・野生動物相
2006年11月 トゥジュ外相
2008年5月 キバキ大統領、ケニヤッタ副首相兼貿易相、ウェタングラ外相、キムニャ財務相、オパラニャ計画・国家開発・ビジョン2030担当相、コネス道路相、ルト農業相、バララ観光相(TICAD IV)
2008年10月 コスゲイ高等教育・科学技術相(日アフリカ科学技術大臣会合出席)
2009年3月 ポギシオ情報・通信相(TICAD IVフォローアップシンポジウム出席)
2010年2月 オディンガ首相(実務訪問賓客)、マータイ元環境・天然資源副大臣

7.二国間条約・取極

1966年 青年海外協力隊派遣取極
1984年 同取極一部改正
2004年 技術協力協定

8.外交使節

(1)当該国駐箚日本国大使 田稔久特命全権大使(2010年9月より)

(2)本邦駐箚当該国大使 ベンソン・ヘンリー・オウマ・オグトゥ特命全権大使(2010年7月より)