大韓民国
(Republic of Korea)

出典:外務省 各国・地域情勢(2011年7月現在)

一般事情

1.面積

約10万200平方キロメートル(朝鮮半島全体の45%、日本の約4分の1)

2.人口

約4,977.3万人(2010年現在)

3.首都

ソウル

4.民族

韓民族

5.言語

韓国語

6.宗教

宗教人口比率53.1%
(うち仏教:42.9%、プロテスタント:34.5%、カトリック:20.6%、その他:2.0%)
社会・文化に儒教の影響を色濃く受ける。

7.略史

3世紀終わり頃に氏族国家成立
三国時代(高句麗、百済、新羅)(4世紀頃〜668年)
統一新羅(676年〜935年)
高麗(918年〜1392年)
朝鮮(1392年〜1910年)
日本による統治(1910年〜1945年)を経て、第2次大戦後、北緯38度以南は米軍支配下に置かれる。1948年大韓民国成立。同時に朝鮮半島北部に北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が成立。

政治体制・内政

1.政体

民主共和国

2.元首

李明博(イ・ミョンバク)大統領

3.議会

一院制 299議席 議長:朴熺太(パク・ヒィテ)

4.主要閣僚

国務総理:金滉植(キム・ファンシク)
企画財政部長官:朴宰完(パク・ジェワン)
外交通商部長官:金星煥(キム・ソンファン)
統一部長官:玄仁澤(ヒョン・インテク)
国防部長官:金寛鎮(キム・グァンジン)
知識経済部:崔重卿(チェ・チュンギョン)

5.内政

2008年4月9日に第18代国会議員総選挙の投開票が行われ、与党ハンナラ党が153議席を獲得し、全体議席(299議席)の過半数を占める国会第1党となった。

議席数
政党名 議席数
ハンナラ党(与党) 169
民主党 87
自由先進党 16
未来希望連帯 8
民主労働党 6
創造韓国党 2
その他・空席 11
299議席

外交・国防

1.外交

(1)李明博大統領は、「グローバル・コリア」のスローガンを掲げ、2008年2月の就任演説において、より広い視野、より能動的な姿勢で国際社会と共に歩み、交流するグローバル外交を展開するとの抱負を述べた。また、米国との伝統的友好関係を未来志向的同盟関係に発展・強化させるとともに、アジア諸国との連携、特に、日本、中国、ロシア等との協力関係を強化し、東アジアの平和と繁栄を模索すること、資源とエネルギーの安定的確保に努め、平和と環境のための国際協力や国際社会への貢献にも積極的に取り組むことを掲げている。

(2)李明博政権発足後の3年間では、アジアで初めてG20サミットを開催し国際的なリーダーシップを発揮したほか、核セキュリティー・サミットの誘致に成功し、アフガニスタンにおける地方復興チーム(PRT)の設置や国連平和維持軍への参加拡大、OECD開発援助委員会(DAC)への加盟等により、国際社会における貢献に努めた。

また、韓米間では初の外交・国防長官会議を開催し高い同盟関係を維持する一方、中露とは戦略的協力関係を強化した。経済面では、韓米FTAや韓EU・FTAなどFTAの拡大、UAEにおける原発受注等にみられるように韓国企業の海外進出を積極的に支援するビジネス外交を推進してきた。

(3)2011年は、国民が安心できる安保外交の展開や新興国への外交活動の強化、グリーン成長外交、開発協力の先進化等グローバル・コリアの更なる深化に向けて取り組んでいくとしている

2.軍事力(2011年ミリタリーバランス及び国防部報道資料)

(1)韓国軍

(イ)予算 31兆4,030億ウォン(273億ドル)
(ロ)兵役 義務兵役制(24〜27ヶ月)
(ハ)兵力 陸軍52.2万、海軍6.8万、空軍6.5万

(2)在韓米軍

 米国は、1992年以降、約3万7000人の兵力を朝鮮半島に維持してきたが、2004年の米韓間の合意により、在韓米軍兵力1万2500人を、2008年までに3段階に分けて削減する予定であったが、2008年4月の米韓首脳会談において、2万8,500人である現在の水準に維持することで合意。
 また、漢江以北に駐留する第2歩兵師団等の在韓米軍を東豆川(トンドゥチョン)と議政府(ウィジョンブ)に集約した後、それらを烏山(ウサン)・平沢(ピョンテク)地域と、釜山・大邱(テグ)地域に移転する予定。

南北関係

(1)2000年6月、史上初の南北首脳会談が開催され南北共同宣言が採択されて以降、南北間の対話と交流は活発化していった。2003年2月に発足した盧武鉉大統領も、南北間の経済協力を通じて朝鮮半島の繁栄を図ろうとする「平和繁栄政策」を掲げ、積極的に南北関係を発展させる政策を実施し、2007年10月には二度目の南北首脳会談が開催され、南北間で経済協力の更なる拡大等に合意した。

(2)2008年2月に就任した李明博大統領は、北朝鮮に対し核の放棄を強く求め国際社会との協調を重視する「相互共栄政策」を掲げたが、北朝鮮は韓国の姿勢に反発し、同年12月には南北間の陸路交通を遮断する措置を講じるなど、強硬な姿勢を打ち出した。

(3)2009年8月、開城工団等の開発事業等を手がける現代グループの玄貞恩(ヒョン・ジョンウン)会長が訪朝し、金正日国防委員長と会談した。また、金大中元大統領逝去の際には、北朝鮮から弔問団が訪韓し、李明博大統領と会談した。その後、南北間では各種協議も開催されたが、他方で、同年11月には黄海で南北間の銃撃戦が行われるなど緊張も続いた。

(4)2010年3月、韓国海軍の哨戒艦「天安(チョナン)」号が黄海・白翎(ペンニョン)島近海で沈没。同年5月、「天安」号は北朝鮮の小型潜水艇から発射された魚雷攻撃により沈没したとの調査結果が発表されたことを受けて、韓国政府は、北朝鮮に対し、謝罪及び事件関係者の即時処罰等を要求した。同年8月、韓国政府は北朝鮮で発生した水害を受けて人道支援を行う旨を発表したものの、11月に北朝鮮が韓国の延坪(ヨンピョン)島を砲撃したことで、南北関係は再び緊張した。

(5)2011年に入ると、北朝鮮は韓国を含む関係国との対話を呼びかけるなど対話攻勢に転じた。5月末からは李明博大統領を相手にしないとの声明を発表し、南北間の秘密接触を暴露するなど強硬姿勢を鮮明にしたが、7月22日、ASEAN関連外相会合の際にインドネシア・バリにおいて非核化に関する南北対話が行われた。これが南北関係改善につながるか注目していく必要がある。

経済

1.主要産業

電気・電子機器、機械類、自動車、造船、鉄鋼、石油化学

2.名目GDP

8,325億ドル(2009年)

3.一人当たりGNI

20,759ドル(2010年)

4.経済成長率

6.2%(2010年)

5.失業率

3.7%(2010年)(ただし、15歳〜29歳のいわゆる青年層の失業率は8.0%)

6.総貿易額

輸出:4,664億ドル(2010年)
輸入:4,252億ドル(2010年)

7.主要貿易品目

輸出:機械類、電気電子製品、化学工業製品、鉱産物、鉄鋼金属製品
輸入:鉱産物、電気電子製品、鉄鋼金属製品、機械類、化学工業製品

8.主要貿易相手

輸出:中国、米国、日本、香港、シンガポール
輸入:中国、日本、米国、サウジアラビア、オーストラリア

9.通貨

ウォン

10.為替レート(2011年7月末)

1ドル=1,053.74ウォン
100円=1,335.69ウォン

11.経済概況

(1)2008年の金融危機から回復しつつある韓国経済は、2010年、製造業の生産、設備投資及び輸出の好調等により6.2%の高い成長率を記録。一方、物価上昇の傾向にあり、韓国政府は経済政策の優先順位を物価安定に置いている。

(2)外需に大きく依存する経済構造。2010年の経済収支は282億ドルの黒字であり、また、対日貿易は慢性的に赤字(2010年は約361億ドル(過去最高))。

二国間関係

1.政治関係

(1)日韓両国は、自由と民主主義、市場経済、基本的人権等の基本的価値を共有する重要な隣国である。

(2)近年、両国の関係は、一層の深みと広がりを見せており、将来に向けて一層強固な友好協力関係を発展させることが、日韓両国のみならず、北東アジア地域の平和と繁栄にとって極めて重要である。

(3)2010年は韓国併合から100年となる節目の年であり、8月10日に菅総理は日韓関係に関する総理談話(首相官邸ホームページへリンク)を発表した。植民地支配への反省とお詫びとともに、これからの100年を見据えた未来志向の日韓関係を構築していくことを表明。

2.経済関係

(1)日韓双方ともに、相手国は中国、米国に次ぐ第3位の貿易相手国。日本側統計では、2010年の二国間の貿易総額は対前年比23.2%増の約7.96兆円。

(2)日韓の産業構造は似通っており(電子・電気機器、自動車、鉄鋼、船舶等)、産業内貿易が多くを占める。

(3)韓国は半導体、平面ディスプレイ等の主力輸出品を生産するための中間財(部品、素材)と資本財(製造設備)を日本に依存しており、このため慢性的な対日赤字が発生している。2010年は2.96兆円(財務省貿易統計:韓国側統計によると約361億ドル)。背景には、韓国の対世界輸出が好調であることによる日本からの中間財の輸入増加、対日輸入に比しての対日輸出の伸び悩み、日本からの消費財の輸入増加等がある。

(4)日韓EPA締結交渉は、2004年11月の第6回会合以降中断。2008年4月の首脳会談での合意を受け、6月25日及び12月4日に交渉再開に向けた検討及び環境醸成のための実務協議を開催。2009年2月の外相会談で首席代表レベルを審議官級に上げることで一致し、7月及び12月に審議官級の実務協議を開催した。また、2010年5月の首脳会談で交渉再開に向けたハイレベルの事前協議を行うことで一致し、同9月及び本年5月に局長級協議を開催した。

3.交流

(1)日韓間では、経済、文化、芸術・スポーツ等、幅広い分野で交流が進展。

(2)日韓間の人の往来は、約546万人(2010年)。

(3)日本の26空港から韓国の5空港に直行定期便が運航。2003年11月の羽田-金浦間チャーター便就航以降、人の往来が活発化。

(4)姉妹都市提携数は、134組。

(5)2007年1月の東アジア首脳会議で安倍総理が発表した「21世紀東アジア青少年大交流計画」により、2007年から5年間、韓国から毎年1,400人〜1,500人程度の青少年を招聘中(2010年度末までに、約5,600人の青少年が訪日)。

4.在留邦人数

28,320名(2009年10月)

5.在日当該国人数

578,495名(2009年、在日韓国人含む)

6.要人往来(首脳)

(1)往(2000年以降)

年月 要人名
2000年5月 森総理
2001年10月 小泉総理
2002年3・5月 小泉総理
2003年2月 小泉総理
2004年7月 小泉総理
2005年6月 小泉総理
2006年10月 安倍総理
2008年2月 福田総理
2009年1月 麻生総理
2009年10月 鳩山総理
2010年5月 鳩山総理
2010年11月 菅総理

(2)来(2000年以降)

年月 要人名
2000年9月 金大中(キム・デジュン)大統領
2002年6月 金大中(キム・デジュン)大統領
2003年6月 盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領
2004年12月 盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領
2008年4・7・12月 李明博(イ・ミョンバク)大統領
2009年6月 李明博(イ・ミョンバク)大統領
2010年11月 李明博(イ・ミョンバク)大統領
2011年5月 李明博(イ・ミョンバク)大統領

7.主な二国間条約・取極

基本関係条約、漁業協定、請求権・経済協力協定、文化財・文化協定、在日韓国人の法的地位協定(以上1965年締結)、日韓航空協定(1967年)、租税条約(1970年)、大陸棚南部共同開発協定(1974年)、大陸棚北部境界画定協定(1974年)、科学技術協力協定(1985年)、原子力平和的利用協力取極、海難救助協定(1990年)、環境保護協力協定(1993年)、漁業協定(1999年)、犯罪人引渡条約(2002年)、投資協定(2003年)、税関相互支援協定(2004年)、社会保障協定(2005年)、刑事共助条約(2006年)、日韓図書協定(2011年)