クウェート国
(State of Kuwait)

出典:外務省 各国・地域情勢(2011年7月現在)

一般事情

1.面積

17,818平方キロメートル(四国とほぼ同じ)

2.人口

344万人(内クウェート人109万人(全体の約32%))(2008年末)

3.首都

クウェート

4.民族

アラブ人

5.言語

アラビア語

6.宗教

イスラム教

7.国祭日

2月25日(第11代アブダッラー首長即位(1950年)記念日)

8.略史

 16世紀にヨーロッパ列強が湾岸地域へ進出するようになりクウェートの存在が知られるようになった。18世紀アラビア半島中央部から移住した部族がクウェートの基礎をつくった。1899年英国の保護国となる。1938年に大油田が発見され、1961年6月19日英国から独立。

政治体制・内政

1.政体

首長制

2.元首

サバーハ・アル・アハマド・アル・ジャービル・アル・サバーハ首長殿下
(H.H. Sheikh Sabah Al‐Ahmad Al‐Jaber Al‐Sabah)
(2006年1月29日即位)

3.議会

国民議会(一院制、定員50名、任期4年)

4.政府

(1)首相 ナーセル・アル・ムハンマド・アル・アハマド・アル・サバーハ

(2)外相 ムハンマド・サバーハ・アル・サーレム・アル・サバーハ

5.内政

(1)クウェートは過去2世紀にわたりサバーハ首長家が統治。1961年6月19日の独立後も同家内より選ばれた首長を元首としている点に変わりはないが、1962年に制定された憲法に基づき、国民議会が開設され、首長、国民議会、内閣の三者を中心とした統治形態がとられるようになった。

(2)1990年8月のイラクの侵攻により約7ヵ月間占領されたが、1991年2月末解放。2003年7月、4年に1度の国民議会選挙が実施され、右に伴い新内閣が発足した。2005年5月、女性に参政権が認められ、同年6月初の女性閣僚が誕生した。また、2009年5月の総選挙で初の女性議員(4名)が誕生した。

外交・国防

1.外交基本方針

(1)西側先進国との良好な関係を維持すると共に、GCC諸国との協力の推進、アラブ諸国との連帯を外交の主要な柱とする。

(2)1990年8月のイラクの侵攻後、1991年2月の解放を経て、西側寄りの外交政策傾向が強まり、米(1991年9月)、英(1992年2月)、仏(1992年8月)、ロシア(1993年11月)それぞれとの間で防衛取極を締結。又、1995年3月中国との間で軍事協力に関する覚書に調印。

(3)サッダーム・フセイン政権崩壊後のイラクとは2010年7月までに外交使節の相互派遣が正常化した。同国とは、国連安保理決議の履行による懸案の解決を最重要課題の一つとしている。

2.軍事力

(1)支出 66億ドル(2009年)

(2)兵役 志願制

(3)兵力 15,500人(陸11,000人、海2,000人、空2,500人) 予備役23,700人

経済

1.主要産業

石油 原油確認埋蔵量 1,040億バレル(2009年1月)、世界第5位可採年数 105年
石油生産量 270万B/D(2008年)
(旧中立地帯埋蔵・生産量の2分の1を含む)(米エネルギー情報局)

2.GDP

約1,313億ドル(2010年、IMF)

3.一人当たりGDP

36,412ドル(2010年、IMF)

4.実質経済成長率

6.3%(2008年、IMF)

5.消費者物価上昇率

10.5%(2008年、IMF)

6.失業率

4.0%(2006年、クウェート計画省)

7.貿易額(2009年)(単位:億ドル、クウェート計画省)

輸出:503
輸入:179

8.主要貿易品目

(1)輸出 石油、石油製品

(2)輸入 車両、電気機器、機械類

9.主要貿易相手国

(1)輸出 日、韓、台湾、シンガポール、米(2007年)

(2)輸入 米、日、独、中国、サウジアラビア(2007年)

10.通貨

クウェート・ディナール(KD)

11.為替レート

1KD=3.48米ドル(2009年平均、クウェート中央銀行)

12.経済概況

(1)経済構造は、石油部門を中心とするモノカルチャー。国民の94%が国家公務員又は国営企業に勤める。

(2)石油収入による国内工業化は石油関連部門に集中し、その豊富なオイル・マネーを海外での投資に向けることによる金融立国を指向するとともに、国内の失業率上昇等を背景に産業の多角化を図っている。

(3)外貨導入による産業多角化を目指して、外国資本投資法が2001年に、税制改正法が2007年に可決。

(4)2003年のイラク戦争終結と共に、イラクへの物流基地としての役割が復活。

(5)2010年に、4か年開発計画を開始。

経済協力

日本の援助実績(1998年度末までの累計。1999年度よりODA非対象国となり、ODAによる協力は行われていない。)

(1)有償資金協力 なし

(2)無償資金協力 2.94億円
 (1988年度、災害緊急援助〈安全航行援助施設設置協力〉)

(3)技術協力実績 9.35億円
 (研修生受入れ203人、専門家派遣35人、機材供与4,360万円〈1998年度までの累計〉)

二国間関係

1.政治関係

1961年、クウェートの独立を承認。1963年、大使館を設置。クウェートは1962年に在京大使館を開設。

2011年3月の東日本大震災に際しては、サバーハ首長をはじめとする要人が、天皇陛下や菅総理にお見舞いの書簡を送ったほか、駐クウェート日本大使館で弔問記帳を行った。また、クウェート政府は、500万バレルの原油を無償供与する旨の決定を行うとともに、在日クウェート大使館は被災地にサッカーボール及び文具その他支援物資を被災地に寄贈した。

2.経済関係

対クウェート貿易

(イ)貿易額(2009年 百万ドル、財務省貿易統計)
対日輸出 8,942
対日輸入 1,227
(ロ)主要品目
対日輸出 原油、石油製品
対日輸入 自動車、一般機械、電気機器
(ハ)原油の対クウェート輸入量
32.3万B/D(2008年.日本総輸入量の8.1%第5位)

3.文化関係

例年、在クウェート日本大使館は、各種日本文化紹介事業を行っている。

2009年3月、4月にはクウェート市にて「日本文化週間」が開催された。

2011年は、日・クウェート外交関係樹立50周年にあたり、各種記念事業を行っている。

4.在留邦人数

189人(2009年10月)

5.要人往来

(1)往(1995年以降)

年月 要人名
1995年1月 皇太子同妃両殿下、木部日本・アラブ友好議連会長
1996年1月 小渕衆議院議員
1997年7月 小杉文部大臣
1997年10月 平林内閣外政審議室長(総理特使)
1999年5月 与謝野通産大臣
2001年1月 河野外務大臣
2001年2月 海部元総理大臣
2001年7月 平沼経済産業大臣
2003年4月 与党三幹事長(山崎自民党幹事長、冬柴公明党幹事長、二階保守新党幹事長)
2003年12月 田中外務政務官、逢沢副大臣(総理特使)
2004年1月 小池環境大臣
2004年8月 衆議院中東諸国等事情調査議員団
2004年9月 自民党・海外派遣自衛隊激励調査団
2004年10月 谷川外務副大臣
2004年12月 大野防衛庁長官、武部自民党幹事長・冬柴公明党幹事長
2005年5月 福島外務大臣政務官
2005年6月 河井外務大臣政務官
2005年12月 額賀防衛庁長官
2006年1月 麻生外務大臣(特派大使)
2006年7月 額賀防衛庁長官、金田外務副大臣
2006年8月 麻生外務大臣
2006年9月 衆議院中東諸国等事情調査団
2006年12月 木村防衛庁副長官
2007年3月 小池総理補佐官
2007年4月 安倍総理大臣
2007年8月 衆議院テロ・イラク特委議員団
2008年3月 宇野外務大臣政務官
2008年4月 小野寺外務副大臣
2008年6月 宮下財務大臣政務官、甘利経済産業大臣
2008年7月 江渡防衛副大臣、衆議院安保委議員団、額賀財務大臣
2009年3月 柴山外務大臣政務官
2011年2月 菊田外務大臣政務官(総理特使)

(2)来(1995年以降)

年月 要人名
1995年10月 ジャービル首長(公式実務訪問)
1996年4月 リファイ最高裁長官
1998年10月 サバーハ第一副首相兼外相、ムーサ計画相兼行政開発担当国務相
2001年5月 アハマド情報相
2001年9月 クウェート・日本友好議員連盟
2001年12月 アイヤール社会労働相兼水電気相
2002年1月 ホールシード商工相
2002年4月 アハマド通信相
2002年9月 アハマド情報相兼石油相代行
2002年11月 ムハンマド外務担当国務相
2004年7月 サバーハ首相(公式実務賓客)ムハンマド外相、アハマド・エネルギー相、タウィール商工相
2004年11月 ジャービル副首相兼国防相(外務省賓客)
2005年6月 シェイハ・フッサ歴史博物館館長
2006年8月 ムハンマド首長府顧問(政府特使)
2006年9月 シャッティ副首相兼閣議担当相
2007年8月 サーレム首相府顧問(政府特使)
2007年10月 クウェート・日本友好議員連盟、シェイハ・アムサール・ボランティア協会会長
2008年7月 ナーセル首相(公賓)
2009年11月 ジャービル第一副首相兼国防相(秋の外国人叙勲)
2010年6月 ムハンマド副首相兼外相(外務省賓客)
2010年12月 フレイジ首長府顧問(首長特使)

6.二国間条約・取極

航空協定(1962年12月)、司法共助取極(1967年12月)

7.外交使節

(1)小溝泰義特命全権大使

(2)アブドル・ラフマーン・アル・オタイビ特命全権大使