ラオス人民民主共和国
(Lao People's Democratic Republic)
出典:外務省 各国・地域情勢(2011年6月現在)
一般事情
1.面積
24万平方キロメートル
2.人口
612万人(2009年、ラオス統計局)
3.首都
ビエンチャン
4.民族
ラオ族(全人口の約半数以上)を含む計49民族
5.言語
ラオス語
6.宗教
仏教
7.略史
1353年、ランサーン王国として統一。1899年フランスのインドシナ連邦に編入される。1949年仏連合の枠内での独立。1953年10月22日仏・ラオス条約により完全独立。その後内戦が繰返されたが、1973年2月「ラオスにおける平和の回復及び民族和解に関する協定」が成立。インドシナ情勢急変に伴って、1975年12月、ラオス人民民主共和国成立。
政治体制・内政
1.政体
人民民主共和制
2.元首
チュンマリー・サイニャソーン国家主席(ラオス人民革命党書記長)
3.議会
国民議会
(1)議長名 パーニー・ヤートートゥ(党政治局員)
(2)一院制 (132名)
4.政府
(1)首相名 トンシン・タンマヴォン(党政治局員)
(2)外相名 トンルン・シースリット(党政治局員、副首相兼任)
5.内政
(1)人民革命党を指導党とするラオス政権は1975年の成立以来一貫してカイソーン党議長を中心とする指導体制が維持されたが、1992年11月カイソーン党議長の死去に伴い、カムタイ党議長(1998年国家主席に就任)、ヌーハック前国家主席等を中心とする指導体制に。新指導部は、引き続き第4回党大会(1986年)の決議に沿った経済面を主とする諸改革の方針を踏襲。
(2)2006年3月の第8回党大会において、党による指導的役割を再確認するとともに、1986年以来の「改革路線」の維持を決議。チュンマリー党書記長が就任。同6月には国家主席、首相及び主要閣僚が交代。
(3)2010年12月第6期第10回国民議会にて、2006年6月から在任していたブアソーン首相の辞任とトンシン国民議会議長の首相就任が承認され、パーニー国民議会副議長が新議長に選出。
(4)2011年3月の第9回党大会においても、「改革路線」の維持が確認された他、2015年までの年8%以上の経済成長と1人当たりGDP1,700ドルMDGsの達成と、これら目標達成のための4つの躍進を採択。チュンマリー書記長が再任。
(5)2011年4月に第7期国民議会総選挙が行われ、5月9日に結果発表。6月15日に初回会議が開かれ、チュンマリー党書記長が国家主席に再任された他、トンシン首相、トンルン副首相兼外相、パーニー国民議会議長が再任。
外交・国防
1.外交基本方針
- 平和5原則に基づく全方位外交(ベトナムとは、「特別な関係」)
- 近隣諸国との友好関係の維持拡大(1997年7月、ASEAN加盟)
2.軍事力
(1)徴兵制
(2)現役総兵力:2.9万人
(3)国防予算:1,220万ドル(2005年)
経済
(※統計は全てラオス政府によるもの)
1.産業
サービス業(GDPの約42%)、農業(約33%)、工業(約25%)。但し労働人口の約8割が農業に従事。
2.GDP(名目)
約56億ドル(46兆7,969億キープ)(2009年)
3.一人当たりGDP
916ドル(2009年)
4.GDP成長率
7.6%(2009年)
5.消費者物価上昇率
0.034%(2009年)
6.失業率
不明
7.貿易
(1)輸出 10.05億ドル(2009年)
(2)輸入 14.14億ドル(2009年)
8.主要貿易品目
(1)輸出 銅、縫製品、電力、金、農産・林産物
(2)輸入 投資プロジェクト用建材、燃料、消費財、工業・縫製原料
9.主要な貿易相手国
タイ、中国、ベトナム、韓国、独、仏、日本他
10.通貨
キープ(Kip)
11.為替レート
1ドル=8,031キープ(2011年4月1日)
12.経済概況
(1)1975年以来の計画経済が行き詰まり、1986年に「新経済メカニズム」とよばれる経済改革に着手、銀行制度、税制、外国投資法の制定、国営企業の民営化等幅広い分野での措置を通じ、市場経済の導入、開放経済政策を推進中。
(2)アジア経済危機の際、国内マクロ経済運営のまずさから、高率のインフレ及び為替レートの下落に直面。現在は緩やかな回復基調。
(3)第8回党大会(2006年)において2020年までのLDC脱却、2010年までの貧困の基本的な解決等を目指した長期目標を策定。
(4)外国投資の促進による社会経済開発の加速を目指し、2008年8月、日本との間の二国間投資協定が発効。日ラオス官民合同対話を通じて、投資環境の改善に取り組んでいる。
経済協力
1.日本の援助実績
(1)有償資金協力 189.30億円(2010年度まで)(2010年度実績なし)
(2)無償資金協力 1,264.59億円(2010年度まで)(2010年度31.11億円)
(3)技術協力 約512.62億円(2009年度31.57億円)
2.主要援助国
(1)日本 (2)オーストラリア (3)ドイツ (4)韓国 (5)フランス
(2009年、OECD/DAC)
二国間関係
1.政治関係
日ラオス間に特に懸案はなく、従来より良好な関係。1955年に外交関係を樹立し、2010年3月に55周年を迎えた。
2.経済関係
(1)対日貿易(2010年、財務省貿易統計)
- (イ)貿易額
- 日本の輸出 54.55億円
日本の輸入 38.04億円 - (ロ)品目
- 日本の輸出 乗用車、バス・トラック、建設・鉱山用機械
日本の輸入 衣類付属品、はき物、コーヒー、木材
(2)日本からの投資
- 縫製業、木材加工業、部品組立業、植林業、農業、電力、鉱業等
3.文化関係
日本は1976年より文化無償協力案件を実施。文化遺産保存、スポーツ交流、人物交流等の文化交流も拡大中。
4.在留邦人数
490人(2009年10月現在)
5.在日ラオス人数
2,630人(2009年8月現在)
6.要人往来
(1)往(2000年以降)
年月 | 要人名 |
---|---|
2000年1月 | 小渕総理大臣 |
2001年8月 | 秋篠宮殿下 |
2002年1月 | 塩川財務大臣 |
2002年12月 | 矢野外務副大臣 |
2003年11月 | 川口外務大臣 |
2004年3月 | 荒井外務大臣政務官 |
2004年8月 | 阿部外務副大臣 |
2004年11月 | 小泉総理大臣及び町村外務大臣(ASEAN+3首脳会議等出席) |
2005年1月 | 福島外務大臣政務官 |
2005年7月 | 逢沢外務副大臣 |
2005年11月 | 北側国土交通大臣(ASEAN+3交通大臣会合出席) |
2006年7月 | 遠山外務大臣政務官 |
2006年12月 | 浅野外務副大臣 |
2007年12月 | 宇野外務大臣政務官 |
2008年5月 | 木村外務副大臣 |
2009年1月 | 中曽根外務大臣 |
2009年12月 | 西村外務大臣政務官 |
2010年3月 | 秋篠宮殿下及び眞子内親王殿下 |
2010年7月 | 岡田外務大臣 |
2010年11月 | 徳永外務大臣政務官 |
(2)来(2000年以降)
年月 | 要人名 |
---|---|
2000年6月 | シーサワート首相(故小渕前総理合同葬議参列) |
2001年3月 | ソムサワート副首相兼外相 |
2002年2月 | トンルン副首相兼計画協力委員長 |
2002年5月 | ブンニャン首相 |
2002年8月 | ソムサワート副首相兼外相(東アジア開発イニシアティブ閣僚会合出席) |
2002年12月 | トンルン副首相兼計画協力委員会委員長 |
2003年7月 | トンルン副首相兼計画協力委員会委員長 |
2003年8月 | ソムサワート副首相兼外相 |
2003年11月 | トンルン副首相兼計画協力委員会委員長 |
2003年12月 | ブンニャン首相(日・ASEAN特別首脳会議出席) |
2004年1月 | ブアソーン副首相 |
2005年3月 | スリヴォン商業大臣(日ラオス外交関係樹立50周年レセプション出席及び「愛・地球博」開会式出席) |
2005年4月 | トンルン副首相兼計画投資委員会委員長 |
2005年5月 | ソムサワート副首相兼外相(ASEM第7回外相会合出席)、サマーン国民議会議長(衆議院議長招待) |
2005年6月 | ソムサワート副首相兼外相(愛・地球博ラオス・ナショナルデー出席) |
2006年2月 | トンルン副首相兼計画投資委員会委員長 |
2006年12月 | トンルン副首相兼外相 |
2007年5月 | ブアソーン首相 |
2008年1月 | トンルン副首相兼外相(日メコン外相会議出席) |
2008年5月 | チュンマリー国家主席兼党書記長(日経新聞社主催「アジアの未来」出席) |
2008年7月 | ソムサワート常任副首相 |
2009年5月 | ブアソーン首相(日経新聞社主催「アジアの未来」出席) |
2009年11月 | ブアソーン首相(日本・メコン地域諸国首脳会議出席) |
2010年1月 | トンルン副首相兼外相(FEALAC外相会合) |
2010年3月 | チュンマリー国家主席兼党書記長(公式実務訪問賓客) |
2010年5月 | ブアソーン首相(日経新聞社主催「アジアの未来」出席) |
2010年5月 | トンシン国民議会議長(参議院議長招聘) |
7.二国間条約・取極
対日平和条約(1952年6月20日発効)
対日賠償請求権放棄(1957年3月11日)
日ラオス経済・技術協力協定(1959年1月23日発効)
日ラオス技術協力協定(2003年12月12日発効)
日・ラオス投資協定(2008年8月3日発効)