大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国
(The Great Socialist People's Libyan Arab Jamahiriya)
出典:外務省 各国・地域情勢(2010年8月現在)
一般事情
1.面積
176万平方キロメートル(日本の約4.6倍)
2.人口
629万人(2008年、世界銀行)
3.首都
トリポリ
4.民族
アラブ人
5.言語
アラビア語
6.宗教
イスラム教(スンニ派)
7.国祭日
9月1日(革命記念日)
8.略史
年月 | 略史 |
---|---|
1951年12月 | リビア連合王国(イドリース王国)として独立 |
1969年9月 | 9月1日革命、カダフィ大尉(当時)によるクーデター、国名を「リビア・アラブ共和国」に改称 |
1977年3月 | 人民主権確立宣言(ジャマーヒリーヤ宣言)発表 国名を「社会主義リビア・アラブ・ジャマーヒリーヤ国」に改称 |
1986年1月 | 米国、対リビア経済制裁発動 |
1992年3月 | 国連安保理、対リビア制裁決議748採択 |
1992年11月 | 国連安保理、対リビア制裁強化決議883採択 |
1999年4月 | 国連安保理、対リビア制裁停止 |
2003年9月 | 国連安保理、対リビア制裁解除決議 |
2003年12月 | 大量破壊兵器計画廃棄宣言、国際査察団の受け入れ表明 |
2004年1月 | CTBT(包括的核実験禁止条約)批准、CWC(化学兵器禁止条約)加入 |
2004年10月 | 米国、対リビア経済制裁措置解除 |
2006年6月 | 米国、リビアの「テロ支援国家」指定解除 |
2006年8月 | IAEA追加議定書締結 |
政治体制・内政
1.政体
ジャマーヒリーヤ体制(大衆による共同体制の意)
2.元首
ムアンマル・アル・カダフィ革命指導者(Muammar Al Qadthafi)
3.議会
全国人民会議
4.政府
全国人民委員会
(1)首相格 アル・バグダーディ・アリ・アル・マフムーディ 全国人民委員会書記 (Al-Baghdadi Ali Al-Mahmoudi)
(2)外相格 ムーサー・ムハンマド・クーサー 対外連絡国際協力担当全国人民委員会書記 (Moussa Mohamed Koussa)
5.内政
イスラム教を基調においた社会主義的、民族主義的国家の建設を目的とし、人民主権、直接民主主義に基づいた体制(ジャマーヒリーヤ体制)の確立を目指している。
外交・国防
1.外交基本方針
(1)アフリカ諸国及びアラブ諸国との連帯を基調とし、アフリカについては、その統合を目指し、「アフリカ合衆国構想」を掲げている。
(2)パンナム機事件等に関する国連安保理決議731、748及び883の採択により、国際的な孤立感が高まったが、1999年4月の国連安保理制裁停止(2003年9月には制裁解除)、遺族との補償交渉結着、大量破壊兵器計画の廃棄を受け、国際社会への復帰が急速に進んでいる。
(3)2009年には、第64回国連総会議長国、AU(アフリカ連合)議長国、2010年には、アラブ連盟議長国を務める等、国際社会での影響力を急速に強めている。
(4)2009年には、カダフィ指導者が国連総会で演説し、国連改革を提唱した。
2.軍事力(ミリタリーバランス2010)
(1)予算 8億ドル(2008年)
(2)兵役 選抜徴兵制(期間:1〜2年)
(3)兵力 76,000人(予備役40,000人)
経済
1.主要産業
石油関連産業
2.GNI(名目)
779億ドル(2008年)(世界銀行)
3.一人当たりGNI
12,380ドル(2008年)(世界銀行)
4.経済成長率
3.8%(2008年)(世界銀行)
5.消費者物価上昇率
2.6%(2009年)(IMF)
6.失業率
約30%(2009年)(リビア当局)
7.総貿易額
(1)輸出 430億ドル(2007年)(リビア中央銀行)
(2)輸入 176億ドル(2007年)(リビア中央銀行)
8.主要貿易品目
(1)輸出 石油等
(2)輸入 自動車、電器製品、食糧品等
9.主要貿易相手国
(1)リビアからの輸出 伊、独、西
(2)リビアの輸入 伊、独、英
10.通貨
リビアン・ディナール(LD)
11.為替レート
100円=1.50LD(2010年8月)
12.石油概況
(1)確認埋蔵量 415億バーレル(世界第8位)(2008年、BP)
(2)原油生産量 1日あたり185万バーレル(世界第17位)(2008年、BP)
(3)輸出量 1日あたり 138万バーレル(主要輸出先:伊、独、西、仏)(2007年、OPEC)
13.経済概況
1992年以降、国連による経済制裁の影響により、原油収入の減少、投資の縮小、外貨事情の悪化がおこり経済成長は停滞していたが、2003年の国連制裁解除や大量破壊兵器計画廃棄等を契機に経済の開放を進め、建て直しを図っている。以来、欧州やアジア諸国からの企業進出も相次ぎ、石油価格の上昇と相まって経済情勢は好転している。また、石油だけに依存することがないよう、産業の多角化も推進している。
二国間関係
1.政治関係
(1)外交関係樹立 1957年6月
(2)公館設置
- 我が方公館
- 1973年1月 大使館開設
- 先方公館
- 1971年8月 大使館開設
1980年1月 人民事務所へ改称
2.経済関係
(1)対日貿易(貿易統計)
- (イ)品目
- 輸出 まぐろ等
輸入 自動車、電線、鋼管等 - (ロ)貿易額
- 輸出 2億円(2009年)
輸入 225億円(2009年)
(2)2005年10月、リビアにおける第2回新規石油鉱区入札で日本企業5社が6鉱区を落札。2006年12月の第3回新規石油鉱区入札では、日本企業2社が2鉱区を落札。また、石油分野以外でも、水道管製造事業等が実施されている。
3.経済協力関係
2005年12月のDACリスト改訂に伴い、ODA対象国リストに追加された。2008年より技術協力(電子技術及び放射線医療関係研修員受入れ)を実施。
4.文化関係
(1)国費留学生の受入れ 毎年2-3名程度
(2)柔道専門家5名派遣 (2000年4月、2004年11月)、同3名招聘(2006年1月)
(3)「砂漠は沈黙ではない」展(リビアの現代考古学美術展)開催(2005年4月)
(4)リビアは2005年日本国際博覧会(愛・地球博)に公式参加
(5)2007年には、外交関係樹立50周年を記念して和凧製作講習会、邦楽グループ公演、日本映画上映会を実施
5.在留邦人数
約120名(2010年5月)
6.在日当該国人数
48名(2008年12月現在)
7.要人往来
(1)往(2000年以降)
年月 | 要人名 |
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2000年9月 | 荒木外務総括政務次官 |
2004年6月 | 逢沢外務副大臣(総理特使) |
2004年12月 | 福島外務大臣政務官 |
2005年11月 | 日本AU友好議員連盟北部アフリカ訪問団(団長:尾身元科学技術担当大臣) |
2006年4月 | 日本・リビア友好協会使節団(町村元外務大臣、柿澤元外務大臣) |
2006年8月 | 松田内閣府科学技術政策・IT担当大臣(総理特使) |
2006年12月 | 小池内閣総理大臣補佐官(国家安全保障問題担当) |
2007年3月 | 松田元内閣府科学技術政策・IT担当大臣 |
2007年6月 | 岩屋外務副大臣 日本・リビア友好協会使節団(団長:柿澤元外務大臣) |
2008年12月 | 松田元内閣府科学技術政策・IT担当大臣 |
2009年7月 | 松田元内閣府科学技術政策・IT担当大臣 |
2009年11月 | 日本・リビア友好協会使節団(団長:小池百合子衆議院議員) |
2010年6月 | 松田元内閣府科学技術政策・IT担当大臣 |
(2)来(2000年以降)
年月 | 要人名 |
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2000年2月 | ズリティニー経済貿易担当全国人民委員会書記(大臣)(高級実務者) |
2001年6月 | サーディ・カダフィ・サッカー協会会長 |
2002年9月 | ズリティニー国営石油公社総裁 (第8回国際エネルギーフォーラム) |
2003年9月 | シアラ対外連絡国際協力担当全国人民委員会副書記(副大臣)(TICAD III) |
2004年8月 | シアラ対外連絡国際協力担当全国人民委員会副書記(副大臣) |
2005年4月 | セイフ・アルイスラム・カダフィ国際慈善基金総裁(博覧会賓客) |
2006年7月 | ガーネム・リビア国営石油公社総裁(元首相) |
2006年9月 | マトーク労働・訓練・雇用担当全国人民委員会書記 |
2008年1月 | シアラ対外連絡国際協力担当全国人民委員会副書記(副大臣)(カダフィ指導者特使) |
2008年5月 | バラーニ対外連絡国際協力担当全国人民委員会副書記(副大臣)(TICAD IV) |
2009年3月 | バラーニ対外連絡国際協力担当全国人民委員会副書記(副大臣) |
7.二国間条約・取極
なし