マダガスカル共和国
(Republic of Madagascar)
出典:外務省 各国・地域情勢(2011年6月現在)
一般事情
1.面積
587,041平方キロメートル(日本の1.6倍)
2.人口
1,890万人(2008年、UNFPA)
3.首都
アンタナナリボ(人口150万人:2008年)
4.民族
アフリカ大陸系、マレー系、部族は約18(メリナ、ベチレオ他)
5.言語
マダガスカル語、フランス語(共に公用語)
(2007年4月の憲法改正で英語も公用語となった。)
6.宗教
キリスト教41%、伝統宗教52%、イスラム教7%
7.国祭日
6月26日
7.略史
年月 | 略史 |
---|---|
18世紀末〜19世紀初頭 | メリナ王朝 |
1896年 | 仏の植民地化 |
1958年10月 | 共和国宣言 |
1960年6月 | フランスより独立、チラナナ大統領就任(第1共和制) |
1972年5月 | ラマナンツォア政権誕生 |
1973年5月 | フラン圏離脱 |
1975年6月 | ラチラカ政権誕生、社会主義政策採用宣言 |
1975年12月 | 新憲法採択(第2共和制) |
1976年1月 | ラチラカ大統領就任 |
1992年8月 | 新憲法採択、国名をマダガスカル共和国に変更(第3共和制) |
1993年2月 | 大統領選挙、ザフィ国家最高機関議長当選 |
1993年3月 | ザフィ大統領就任 |
1996年9月 | 憲法最高裁判所、ザフィー大統領弾劾を決定 |
1996年11月 | 大統領選挙第1回投票 |
1996年12月 | 大統領選挙第2回投票 |
1997年2月 | ラチラカ大統領就任 |
2001年5月 | 上院開設 |
2001年12月 | 大統領選挙、得票結果を巡り政情危機 |
2002年5月 | ラヴァルマナナ大統領就任 |
2002年12月 | 国民議会選挙 |
2003年7月 | AU(アフリカ連合)首脳サミットでAU復帰を承認される |
2006年12月 | 大統領選挙 |
2007年1月 | ラヴァルマナナ大統領就任(再任) |
2009年3月 | 反政府勢力が、軍の支持を受け、ラヴァルマナナ大統領を辞任させ、憲法に則らない形で「暫定政府」発足 |
政治体制・内政
1.政体
共和制(現「暫定政府」は我が国未承認)
2.元首
アンドリー・ラジョリナ「暫定政府大統領」
3.議会
二院制(国民議会127議席、上院33議席)
4.政府
(1)首相 カミール・ヴィタル「暫定政府首相」
(2)外相 イヴェット・シラ「暫定政府外相」
5.内政
2001年12月に行われた大統領選挙での得票結果をめぐり、ラチラカ候補とラヴァルマナナ候補が対立した。ラヴァルマナナ候補は2002年2月、一方的に「大統領」就任宣言を行い、独自の「内閣」を発足させた。この結果、二人の大統領が併存する政治危機となる。同年4月に実施された大統領選挙再集計ではラヴァルマナナ候補が過半数を獲得しマダガスカル共和国大統領に選出され、また7月にはラチラカ前大統領が仏に出国し、事態は収束した。12月に国民議会選挙が平穏に実施されラヴァルマナナ大統領派が圧勝し、2003年後半以降、内政は徐々に安定。政府は、急速な成長、貧困削減等を目指し「マダガスカル行動計画」を策定。2006年12月の大統領選挙の結果、ラヴァルマナナ大統領が再選された。本年9月の国民議会選挙においてもラヴァルマナナ大統領派与党が圧勝。2009年3月、ラジョリナ・アンタナナリボ市長を首班とする反政府勢力が軍の支援を受けラヴァルマナナ大統領を辞任させ、憲法にのっとらない形で「暫定政府」が発足。国際社会の承認が得られず、同国は孤立している。
外交・国防
1.外交基本方針
全方位外交、非同盟との善隣友好。1980年代半ばより特に西側諸国との関係強化を図る。旧宗主国仏は主要パートナーであるが、米国との経済関係も活発化。2003年7月にアフリカ連合(AU)復帰が承認された他、2005年には南部アフリカ開発共同体(SADC)に正式加盟。2009年3月の「暫定政府」発足で、AU、SADC及び仏語圏国際機関(OIF)への参加資格停止。
2.軍事力(ミリタリーバランス 2010)
(1)予算 103百万米ドル(2008年)
(2)兵役 あり(18ヶ月)
(3)兵力 総兵力約13,500人(陸軍12,500人、空軍500人、海軍500人)、憲兵隊8,100人
経済
1.主要産業
農牧業(米、コーヒー、バニラ、砂糖、クローブ、牛)
漁業(えび、まぐろ)
2.GNI
79.3億米ドル(2008年:世銀)
3.一人当たりGNI
420米ドル(2008年:世銀)
4.経済成長率
0.4%(2008年:世銀)
5.インフレ率
9.1%(2008年:世銀)
6.総貿易額(2009年、EIU)
(1)輸出 10億米ドル
(2)輸入 23憶米ドル
7.主要貿易品目(2007年、EIU)
(1)輸出 経済特別区輸出(再輸出品等) バニラ、甲殻類、コーヒー
(2)輸入 資本財(Capital goods)・原料、燃料、一次産品、消費財、食料
8.主要貿易相手国(2009年、EIU)
(1)輸出 仏、米、蘭、独、中国、英
(2)輸入 中国、タイ、バーレーン、仏、米
9.通貨
これまでマダガスカルフラン(FMG)が流通していたが、2003年8月から新通貨単位アリアリが流通開始。5FMG=1アリアリ
10.為替レート
1ユーロ約2,700アリアリ(2009年5月)
11.経済概況
農業が基幹産業。1990年代半ばより国営企業民営化、投資法改正、貿易自由化等の自由化政策強化により、1997年以降は一定の経済成長を遂げるに至った。しかし、2002年前半の政治危機は経済にも深刻な悪影響を与え、経済もマイナス成長(-12.7%)を記録。その後徐々に経済は回復し、近年は石油価格高騰の影響を受けるも、観光サービス業が好況な他、鉱業分野での投資も活発化した。2009年3月に発足した「暫定政府」に対し主要ドナーは新規援助を凍結させたため、財政が逼迫している。また騒ユウの影響で、観光業をはじめ経済の不振は深刻化している。
経済協力
1.日本の援助実績(単位:億円)
(1)有償資金協力(2009年度まで、ENベース) 107(除く債務免除)
(2)無償資金協力(2009年度まで、ENベース) 632.27
(3)技術協力実績(2009年度まで、JICAベース) 150.57
2.主要援助国(2008年、単位:百万ドル)
(1)仏(88.42) (2)米国(83.85) (3)ノルウェー(22.52) (4)日本(20.37) (5)独(17.70)
二国間関係
1.政治関係
1960年7月 マダガスカル(1960年6月独立)を承認
1968年2月 日本大使館をマダガスカルに開設
1969年3月 マダガスカル大使館が東京に開設
2.経済関係
(1)対日貿易
- (イ)貿易額(2010年)
- 輸出 12億3,340万円
輸入 11億9,945万円 - (ロ)主要品目
- 輸出 再輸出品(航空機用品等) 甲殻類、バニラ、クローブ
輸入 自動車、二輪車
(2)日本からの直接投資
68百万ドル(1951〜2004年度累計)
(3)日本企業(合弁含)で事務所を有する企業:3社
3.文化関係
図書館に対する図書寄贈、中等基礎教育省に対する楽器及び青年・スポーツ省に対する柔道機材等の文化無償協力を実施。
4.在留邦人数
122人(2009年10月現在)
5.在日当該国人数
61人(2009年6月末現在)
6.要人往来
(1)往(主に2000年以降)
年月 | 要人名 |
---|---|
1990年4月 | 礼宮殿下(当時) |
2001年4月 | 松浪健四郎衆議院議員 |
2003年8月 | 日・マ友好議連議員団(岩井國臣、段本幸男参議院議員) |
2004年9月 | 田中和徳外務大臣政務官 |
2005年11月 | 矢野哲朗参議院議員、小渕優子衆議院議員、河合常則参議院議員、山内俊夫参議院議員、水落敏栄参議院議員、山本順三参議院議員(日・AU友好議連訪問団) |
2006年7月 | 岩永峯一衆議院議員、山本明彦衆議院議員、加藤勝信衆議院議員、秋葉賢也衆議院議員、藤井勇治衆議院議員(日・AU友好議連訪問団) |
2006年8月 | 川崎厚生労働大臣 |
2007年1月 | 岩永峯一総理特使(大統領就任式出席) |
2007年8月 | 岩永峯一衆議院議員 |
2007年8月 | 文仁親王殿下及び眞子内親王殿下 |
2008年9月 | 吉川貴盛経済産業省副大臣(貿易投資促進合同ミッション) |
(2)来(主に2000年以降)
年月 | 要人名 |
---|---|
1965年11月 | チラナナ大統領(国賓) |
2000年6月 | ラツィファンジアマナナ外務大臣(小渕前総理葬儀) |
2001年7月 | ラジョンソン治水・森林大臣 |
2001年9月-10月 | ブランダン観光大臣 |
2002年10月 | アンジアンパンザーヴァ人口大臣 |
2002年10月 | ラザカ・エネルギー鉱山大臣 |
2003年3月 | ラバリゾン・エネルギー鉱山大臣(世界水フォーラム) |
2003年9月-10月 | ラヴァルマナナ大統領・ランジェヴァ外相(TICAD III) |
2003年12月 | ラバリゾン・エネルギー鉱山大臣 |
2004年10月 | ペテラ・ベアジャイナ国防大臣(防衛庁招待) |
2005年1月 | ソジャ内務・行政改革大臣(国連防災会議) |
2005年3月 | アンジアンナリスン産業化・通商・民間セクター開発大臣(愛知博) |
2005年5月-6月 | ラヴァルマナナ大統領、ランジェヴァ外相(愛知博) |
2005年8月 | ランジャリマナナ農業・畜産・漁業大臣 |
2005年10月 | ランジャリマナナ農業・畜産・漁業大臣 |
2006年2月 | ラザフィンジャトヴォ国民教育・科学研究大臣 |
2006年4月 | ロビンソン保健家族計画大臣 |
2006年8月 | ラファヌメゾンツ産業化・通商・民間セクター開発大臣 |
2007年6月 | ラポールト運輸・観光大臣 |
2007年7月 | ロビンソン保健家族計画大臣 |
2007年11月 | ラトゥルザナハリ農業・畜産・水産大臣 |
2008年5月 | ラヴァルマナナ大統領、ランジェヴァ外相、ラザフィアヘファ経済・計画・民間セクター・通商大臣、ボトザザ運輸大臣(TICAD IV) |
7.二国間条約・取極
1963年5月 貿易取極
2000年10月 青年海外協力隊派遣取極
2003年10月 技術協力協定