モルディブ共和国
(Republic of Maldives)
出典:外務省 各国・地域情勢(2011年8月現在)
一般事情
1.面積
298平方キロメートル(淡路島の約半分)
2.人口
31.9万人(2010年)
3.首都
マレ(マレ島人口:10.4万人)(2006年4月)
4.民族
モルディブ人
5.言語
ディベヒ語
6.宗教
イスラム教
7.国祭日
7月26日(独立記念日)
8.略史
年月 | 略史 |
---|---|
1887年 | 英国保護国となる |
1965年7月 | 英国保護国から独立、 同年9月国連加盟 |
1968年11月 | 共和制に移行 |
1985年7月 | 英連邦に正式加盟 |
政治体制・内政
1.政体
共和制
2.元首
モハメド・ナシード(Mohamed Nasheed)大統領
3.議会
一院制(議席77: 小選区制)
議席数:モルディブ人民党(DRP)(27)、モルディブ民主党(MDP)(27)、人民連合(PA)(7)他
4.政府
(1)首相 なし
(2)外相 アフメッド・シャヒード(Ahmed Shaheed)
5.略史
約2000年前にスリランカと南インドからモルディブに移住した住民は仏教の影響下にあったが、1153年、イスラム教に改宗した。その後イスラム教のスルタン(イスラム世界における君主)が治めてきたが、16世紀にポルトガル、17世紀にオランダの支配下となった。1887年にイギリスの保護領となり、スリランカのコロンボにあった総督府から間接的に支配された。1965年7月26日に主権国家として独立し国連に加盟した。1968年にはスルタンによる世襲王制を廃止し、共和国となった。
初代大統領イブラヒム・ナシールに代わり1978年11月11日、マウムーン・アブドゥル・ガユーム大統領が就任。以降6期30年の間にモルディブは観光立国として成長する一方、その独裁的体制に批判が高まり、2004年以降の民主化改革の結果、2008年8月に民主的な新憲法が制定された。同年10月の大統領選挙では、ガユーム大統領との決選投票を制したナシード・モルディブ民主党(MDP)会長が大統領に選出された。
外交・国防
1.外交基本方針
独立以来非同盟中立政策を外交の基本方針とし、全ての国との良好な関係維持に努めている。
2.軍事力
(1)予算 51.8億米ドル(2009年予算)
(2)兵役 志願制
(3)兵力 約1,500人の主として国内秩序維持及び密漁防止を目的とする国家保安隊のみ。
(出典:モルディブ政府資料)
経済(単位 米ドル)
(出典:モルディブ政府資料)
1.主要産業
漁業及び観光
2.名目GDP
1,908.5百万米ドル(2010年)
3.一人当たり名目GDP
5,983米ドル(2010年)
4.実質GDP成長率
9.9%(2010年)
5.消費者物価上昇率
4.7%(2010年)
6.失業率
14.4%(2006年)
7.総貿易額(2010年)
(1)輸出(FOB) 74.0百万米ドル
(2)輸入(CIF) 1,095.1百万米ドル
8.主要貿易品目(2010年)
(1)輸出 鮮魚、水産加工物
(2)輸入 機械、鉱物、食料品、繊維製品
9.主要貿易相手国(2010年)
(1)輸出 タイ、スリランカ、フランス、イギリス
(2)輸入 UAE、シンガポール、インド、マレーシア
10.通貨
ルフィア
11.為替レート
1米ドル=12.80ルフィア(2010年)
1ルフィア=6.38円(2010年平均値)
12.経済概況
モルディブ経済は水産業と観光産業が基盤となっている(実質GDPの約4割はこれら産業が寄与)。観光業が深刻な影響を受けた米国同時テロの発生した2001年以降、経済は順調に回復していたものの、2004年末に発生したインド洋大津波の影響で2005年の実質GDP成長率は−7.1%に落ち込んだ。その後、観光、漁業分野のほか関連分野も力強い回復を見せた。2008年の実質GDP成長率は12.0%となったものの、2008年9月以降の世界的経済危機により、2009年は観光収入の減少など更に深刻な影響を受け、−6.5%とマイナス成長となった。その後、観光業の持ち直しに伴い2010年は9.9%成長となった。
経済協力
- 援助の目的と意義
南西アジア地域と中東を結ぶ地政学的にも重要な位置にある。また日本との良好な関係を維持するためにも、ODAの効果的・効率的な活用を通じて、同国の社会経済的発展を支援することが求められている。
- 日本の援助の重点分野
同国の国家開発計画を踏まえつつ、保健、教育等の社会開発分野を中心に支援。また、日本は、同国の地勢的な特殊性に配慮し、1981年より継続的に食糧援助を実施。右食糧援助は人道支援の側面を持つほか、外貨負担を軽減させて見返り資金を社会開発に再活用するという本スキーム本来の目的が的確に確保された効果的・効率的支援となっている。
1.日本の援助実績
(1)1985年以来日本はモルディブにとって最大の二国間援助供与国。
(2)日本の援助実績(単位:億円)
- (1)有償資金協力(2006年度、ENベース) 27.33億円(初の円借款)
(2)無償資金協力(2010年度まで、ENベース) 274.52億円(内2010年度実績 3.00億円)
(3)技術協力実績(2010年度まで、JICAベース) 62.79億円(内2010年度実績 1.93億円)
(3)モルディブでは2004年12月のインド洋津波の際、日本が無償資金協力で建設したマレ島の防波堤がマレ島を津波による深刻な被害から守ったことが各メディアで取り上げられ、2006年6月にはモルディブ政府より日本国民に対し、同支援への感謝の意を示すべく「グリーン・リーフ賞」が授与された。
(4)日本は2006年6月26日、モルディブ政府との間で「モルディブ津波復興計画」に関する円借款(27.33億円)の供与に関する交換公文の署名を行った。これは津波による被害を受けた多数の小規模インフラ(港湾・下水道)の復旧を行うもので、モルディブに対する初の円借款となる。
2.主要援助国
(1)日本 17.99(83.1%) (2)オーストラリア 1.71(8.0%) (3)カナダ 0.63(3.0%)
(2009年DAC資料、総額21.65百万米ドル)
(単位:百万米ドル)(カッコ内数値はDAC諸国合計に占める割合)
二国間関係
1.政治関係
(1)モルディブは、
- ・インド洋の日本側シーレーン上の要衝、地政学上重要な位置にある国。
・国際場裡において日本の活動にも協力的な国。
・観光立国として多くの日本の観光客も訪問している。
・小規模島嶼国として経済社会開発上の困難を抱えており、その面での日本の協力に対する期待感が強い。
(2)日本はモルディブの独立以来良好な関係にある。日本とモルディブの外交関係樹立40周年を迎えた2007年には、2月に東アジア初の大使館となる在京モルディブ大使館が開設され、11月にはマレにて外交関係樹立40周年記念式典及び日本文化紹介の記念行事が行われた。
日本は1970年以来、モルディブに対する支援を行っており、モルディブの経済社会基盤の整備及び民生の安定に寄与する分野に対する協力を実施してきた。
2.経済関係
(1)対日貿易
- (イ)貿易額(日本国財務省統計)
- モルディブへの輸出 約4.9億円(2010年)
モルディブから輸入 約1.4億円(2010年) - (ロ)主要品目
- モルディブへの輸出 船舶用エンジン、貨物自動車、乗用車
モルディブから輸入 魚介類(まぐろ、かつお等)
(2)日本からの直接投資(日本国財務省統計、許可・届出ベース)
- 1989年度から2003年度までの累計3件約15億円
(3)モルディブへの邦人観光客数(モルディブ観光省資料)
- 38,791人(2010年)(中、英、伊、独、仏、露に続き7番目)
3.文化関係
文化無償協力(1979年度から2009年までの累計8件、246.1百万円)、青少年交流事業の実施。
4.在留邦人数
192人(2010年10月1日現在、在スリランカ日本大使館調査)
5.在日当該国人数
42人(2010年12月末現在、法務省)
6.要人往来
(1)往(1980年以降)
年月 | 要人名 |
---|---|
1980年12月 | 愛知外務政務次官 |
1981年8月 | 奥田衆議院外務委員長 |
1981年12月 | 小渕日・モ友好議連会長 |
1985年7月 | 小渕日・モ友好議連会長 |
1993年11月 | 小渕特派大使(大統領就任式参列) |
2005年1月 | 谷川外務副大臣 |
2008年6月 | 野呂田日・モ友好議連会長 |
2008年11月 | 御法川外務大臣政務官(大統領就任式参列) |
(2)来(1980年以降)
年月 | 要人名 |
---|---|
1980年5月 | ジャミール外相(非公式) |
1980年10月 | ジャミール外相(外務省賓客) |
1984年10月 | ガユーム大統領(非公式) |
1988年6月 | イリヤス・イブラヒム貿易工業大臣(外務省賓客) |
1989年2月 | ガユーム大統領、ジャミール外相(大喪の礼参列) |
1989年3月 | カマルディーン公共事業・労働大臣(UNDPラウンド・テーブル会合事前協議) |
1990年11月 | ガユーム大統領(即位の礼参列) |
1991年9月 | シャフィーユ計画・環境大臣(UNDPラウンド・テーブル会合事前協議) |
1992年5月 | ジャミール外相(非公式) |
1993年11月 | ジャミール内務大臣(日本国際観光会議出席) |
1994年11月 | ザキ観光大臣(大阪ワールド・ツーリズム・フォーラム'94) |
1995年9月 | ハミード国民議会議長(福田元総理合同葬参列) |
1995年11月 | ザキ観光大臣(第10回日本国際観光会議) |
1996年3月 | ザキ観光大臣(WTOアジア太平洋地域委員会) |
1997年11月 | ザキ観光大臣(日本国際観光会議) |
1998年2月 | ジャミール外相(非公式) |
2000年6月 | ジャミール外相(小渕前総理合同葬参列) |
2001年9月 | ガユーム大統領(WTOミレニアム観光会合)、小泉総理と会談 |
2004年5月 | ザヒール建設・公共事業大臣 |
2004年8月 | ヤミーン・モルディブ貿易・工業大臣 |
2005年9月 | シャウギー観光大臣 |
2006年7月 | シャヒード外相 |
2006年8月 | シャヒード外相(橋本元総理葬儀参列) |
2007年4月 | シャウギー観光・民間航空大臣 |
2007年8月 | シャヒド外相(宮澤元総理葬儀参列) |
2007年9月 | シャウギー観光・民間航空大臣 |
2009年1月 | シャヒード外相 |
2010年3月 | ザキ大統領特使 |
7.二国間条約・取極
青年海外協力隊派遣取極(1981年12月6日)