マルタ共和国
(Republic of Malta)
出典:外務省 各国・地域情勢(2010年9月現在)
一般事情
1.面積
316平方キロメートル(淡路島の半分)
2.人口
約41万人(2008年末)
3.首都
バレッタ(人口約6,300人)
4.言語
マルタ語及び英語が公用語
5.宗教
カトリック
6.略史
年月 | 略史 |
---|---|
1964年9月21日 | 独立(英連邦に加入) |
1971年6月〜 | 労働党政権 |
1974年12月13日 | 共和制(総督を廃し、大統領制となる) |
1979年3月31日 | 英軍撤退 |
1987年5月 | 国民党政権 |
1996年9月 | 労働党政権 |
1998年9月〜 | 国民党政権 |
政治体制・内政
1.政体
共和制
2.元首
ジョージ・アベーラ大統領(2009年4月4日就任)
3.議会
(1)構成 一院制 (原則65議席(比例代表制、13選挙区より各5名選出)、任期5年)
(2)現議会勢力(2008年3月召集)
- 国民党(与党) 35議席
労働党(野党) 34議席
注※1987年の憲法改正により、全国区において最多票を獲得した政党が第1党となるよう、当該政党の議席数を増加させることとなっており、国民党(与党)の4議席は右に基づいて付与された議席。
4.政府
国民党単独政権(2008年3月12日第二次ゴンズィ内閣発足)
(1)首相 ローレンス・ゴンズィ
(2)外相 トーニオ・ボージ
5.内政
(1)1987年5月の総選挙の結果、過去16年間にわたる労働党政権に終止符が打たれ、親西側路線への復帰を提唱する国民党が政権を獲得。国民党は、EC加盟申請やマルタでの米・ソ首脳会談の開催等の外交上の実績、好調な経済を背景に、1990年代を通して(1996年から1998年を除く)政権を維持。
(2)2003年3月EU加盟の是非を問う国民投票は賛成多数の結果となり、翌年5月マルタはEU加盟を実現した。2003年4月に行われた総選挙では、一貫してEU加盟を支持してきた国民党政権が、EU加盟に反対の立場をとってきた野党労働党に対して勝利を収め、その立場を確固たるものとした。
(3)2008年3月、任期満了に伴う総選挙が実施され、与党国民党が僅差(約0.5%差)で野党労働党に勝利、第二次ゴンズィ内閣が発足した。同選挙で敗北した野党労働党は党首交代により指導層の若返りが図られた。
(4)2009年4月、アダミ大統領の任期満了に伴い、野党(労働党)のジョージ・アベーラ氏が議会より第8代大統領に選出された。
外交・国防
1.外交基本方針
(1)労働党政権時代は非同盟路線を標榜、EU加盟の凍結及びNATOとの関係見直しを打ち出したが、現国民党政権は再び親西欧、自由主義経済路線に戻り、EU加盟再申請を行った。2000年2月より開拓したEU加盟交渉は順調に進み、2003年3月に行われたEU加盟の是非を問う国民投票でも賛成多数(53.6%)となり、2004年5月よりEU加盟国。2005年7月、欧州憲法条約の批准が国会で承認された。
(2)2008年1月、目標であったユーロ導入を実現(公定換算率:1ユーロ=0.4293マルタリラ)するとともに、マルタ議会でのリスボン条約批准によりハンガリー、スロベニアに続く3番目のリスボン条約批准国となった。
(3)2008年4月、マルタは「平和のためのパートナーシップ(PfP)」に再加盟した。マルタは、1995年PfPに加盟したが、1996年の労働党政権時代に一旦脱退。2008年3月の総選挙に勝利した国民党率いるゴンズィ首相は、総選挙後、マルタが再びPfPの一員となることを明言し、再加盟を申請していた。
(4)地理的位置から不法移民問題が懸案となっており、EU全体で対策にとりくむべきという立場をとっている。
2.軍事力
(1)予算 4,500万ドル(ミリタリー・バランス 2008)
(2)兵役 志願制
(3)兵力 1,954人(ミリタリー・バランス 2010)
経済
1.主要産業
製造業(主に、半導体、繊維、造船、船舶修理)、観光
2.GDP
7,955百万ドル(2009年 IMF統計)
3.一人当たりGDP
19,111ドル(2009年 IMF統計)(見込み)
4.経済成長率
−1.9%(2009年 IMF統計)
5.物価上昇率
−0.4%(2009年 IMF統計)
6.失業率
7.1%(2009年 IMF統計)(見込み)
7.総貿易額
(1)輸出 2,280百万ドル(2009年 国連統計)
(2)輸入 4,034百万ドル(2009年 国連統計)
8.主要貿易品目
(1)輸出 半導体機器、薬品、コネクター等
(2)輸入 集積回路、石油、航空機・宇宙機器等
9.主要貿易相手国
(1)輸出 独、シンガポール、仏、米
(2)輸入 伊、英、仏、独、中国
10.通貨
ユーロ(2008年1月より導入。公定換算率は1ユーロ=0.4293マルタリラ)
11.経済概況
(1)天然資源に乏しく、市場規模も小さいマルタは、主要な物資を輸入に依存している。貿易収支の赤字は主要産業である観光業からの収入で補填するというパターンを維持しており、経常収支の赤字幅は比較的小さい。1980年代半ばまでは安価かつ豊富な労働力に基づく経済構造であったが、1980年代後半から政権を担当した国民党によって、経済の自由化が図られ、高度な技術・専門性を有する労働力による付加価値経済及び輸出志向型製造業への転換が行われた。近年、政府は海外投資の誘致、オフショア・ビジネスの活性化に積極的に取り組んでいる。
(2)2008年1月にユーロ導入を実現した国民党政権は、引き続き、社会保障及び公的部門の支出抑制の維持、自由化促進、競争力強化、投資環境改善等に積極的に取り組む姿勢を示している。
二国間関係
1.政治関係
1965年 外交関係開設
1974年 在マルタ日本名誉総領事設置
1996年 在本邦マルタ観光局開設
2003年 在本邦マルタ名誉総領事設置
参考※第一次世界大戦時に英国の要請を受け、地中海方面に派遣された日本海軍の艦隊は「地中海の守り神」と呼ばれた。その際の戦没者71名の慰霊碑がマルタの英軍墓地内に建てられており、1921年4月、皇太子殿下(当時)が同慰霊碑をご訪問になった。1998年、同墓碑の修復が行われた(大理石の研磨、銅板の修復)。
2.経済関係
(1)二国間貿易
- (イ)貿易額 (2009年)
- 輸出(日本→マルタ) 190億円
輸入(マルタ→日本) 114億円 - (ロ)主要品目
- 輸出(日本→マルタ):船舶、乗用車、ゴム製品等
輸入(マルタ→日本):魚介類、自動車部品、半導体等
(2)日本からの直接投資
- 1951〜1986年度累計:8件 1,453千ドル
- 2009年1月、コニカ・ミノルタ(独法人)が近隣35カ国をカバーするサービス・オフィスをマルタに開設。
<参考:過去の日本企業進出例>
新白砂電機(音響機器:1974〜1982年に現地製造)、東光(電子部品:1973〜1984年現地製造)、ダイキン工業(エアコン:1968〜1977年に欧州アフリカ地区総代理店が存在)
3.文化関係
1991年9月 日本文化週間(海上自衛隊練習艦隊の寄港)
1994年12月 マルタ大学に図書寄贈(国際交流基金事業)
1996年9月 手塚治虫展
2005年7月 日本文化週間(日・マルタ修好40周年、日・EU市民交流年)
4.在留邦人数
64人(2009年10月)
5.在日当該国人数
21人(2008年末)
6.要人往来
(1)往
年月 | 要人名 |
---|---|
1984年 | 政府派遣官民経済使節団(溝口大使団長) |
1991年6月 | 渡部恒三衆議院議員(日・マルタ友好議連会長)他国会議員団 |
1998年11月 | 中山正暉衆議院議員(衆議院公式派遣/国対班) |
2005年7月 | 森山真弓衆議院議員 |
2006年7月 | 海部俊樹元総理 |
(2)来
年月 | 要人名 |
---|---|
1985年 | トリゴナ外相 |
1989年2月 | タボーネ外相(大喪の礼) |
1990年8月 | アダミ首相、ガレア社会政策大臣 |
1990年11月 | タボーネ大統領(即位の礼) |
1991年9月 | フェネック海事長官 |
1993年2月 | デ・マルコ副首相兼外相 |
1995年9月 | ボンニチ経済相(高級実務者招聘) |
1996年4月 | ボンニチ経済相(高級実務者招聘) |
1997年9月 | ヴェラ副首相兼外相(外務省賓客) |
2000年10月 | ボンニチ経済相 |
7.二国間条約・取極等
貿易協定(1968年11月署名)
査証及び査証料の相互免除取極(1973年2月)
8.外交使節
マルタ駐箚日本大使(イタリア常駐) 安藤裕康
日本駐箚マルタ大使(中国常駐) カール・アール・シュエレブ