モーリシャス共和国
(Republic of Mauritius)
出典:外務省 各国・地域情勢(2010年7月現在)
一般事情
1.面積
2,045平方キロメートル(ほぼ東京都大)
2.人口
130万人(2009年、UNFPA)
3.首都
ポートルイス(Port Louis 人口約15万人)
4.民族
インド系、クレオール系が大部分。その他フランス系、中国系など
5.言語
英語(公用語)、仏語、クレオール語
6.宗教
ヒンズー教(50%)、キリスト教(32%)、イスラム教(17%)、仏教(0.7%)
7.国祭日
3月12日(独立記念日)
8.略史
年月 | 略史 |
---|---|
1598年 | オランダ領 |
1715年 | フランス領、首都ポートルイスを建設 |
1814年 | イギリス領 |
1968年3月 | 独立(旧宗主国、イギリス)、ラングーラム労働党首が首相就任 |
1982年6月 | 総選挙、ジュグノートMSM党首が首相就任 |
1991年12月 | 立憲君主制(英国女王を元首)から共和制へ移行のための憲法改正 |
1992年3月 | モーリシャス共和国に移行 |
1995年12月 | 総選挙(野党連合の圧勝)、ラングーラム首相就任 |
1997年6月 | ラングーラム首相、ベランジェ外相(MMM党首)を罷免。連立政権に終止符 |
2000年9月 | 総選挙、ジュグノート首相就任 |
2003年10月 | ジュグノートMSM党首が大統領に就任 |
2005年7月 | 総選挙、ラングーラム首相就任 |
2010年5月 | 総選挙、ラングーラム首相再任 |
政治体制・内政
1.政体
共和制(1992年3月12日移行)
2.元首
アヌルード・ジュグノート大統領(Anerood JUGNAUTH)
3.議会
立法議会(議席数:70、任期5年)
4.政府
(1)首相 ナヴィンチャンドラ・ラングーラム(Navinchandra RAMGOOLAM)
(2)外務・地域統合・貿易相 アルヴィン・ブーレル(Arvin BOOLELL)
5.内政
民主的制度(議院内閣制、政党政治)が定着した安定した国。
1991年12月、エリザベス英女王を元首とする立憲君主制から共和制へ移行する旨憲法を改正し、1992年3月12日に予定通り右移行を完了(実権は、立憲君主制時代同様、首相にある)。1995年及び1997年の政権交代も混乱なく行われ、2000年9月の総選挙では、ラングーラム首相の経済運営や政治腐敗を批判して、野党連合が勝利し、ジュグノートMSM(社会主義運動)党首を首相とする新内閣が発足したが、2005年7月の総選挙ではラングーラム労働党党首率いる野党連合が勝利し、同党首は首相に返り咲いた。2010年5月の総選挙で与党連合勝利、ラングーラム首相は再任した。
外交・国防
1.外交基本方針
過半数の国民の旧母国であるインド、旧宗主国の仏・英との連携を基本としつつ、旧西側、旧東側及び非同盟諸国とも良好な関係を維持する全方位外交を展開。南部アフリカ開発共同体(SADC)、インド洋委員会(IOC)、東南部アフリカ共同市場(COMESA)、環インド洋地域協力連合(IOR-ARC)等地域協力を推進。近年、中国との協力関係が顕著。
2.軍事力
常備軍は存在しない。
国防・治安維持は主に警察(The Mauritius Police Force)やそれに属する特別機動隊(Special Mobile Force)や沿岸警備隊(National Coast Guard)によって担われている。
(1)予算 4100万ドル(ミリタリーバランス:2009)
(2)兵力 2000人(1500人:特別機動隊、500人:沿岸警備隊)
経済
1.主要産業
EPZ(輸出貿易地区)における繊維工業等、金融業、観光
2.GNI
84.97億米ドル(2008年、世銀)
3.一人当たりGNI
6,700米ドル(2008年、世銀)
4.経済成長率
4.5%(2008年、世銀)
5.物価上昇率
6.4%(2009年、IMF)
6.失業率
7.2%(外国人労働者を除く)(2008年:モーリシャス中央統計局)
7.総貿易額(2007年、EIU)
(1)輸出(fob) 2,218百万米ドル
(2)輸入(fob) 3,628百万米ドル
8.主要貿易品目
(1)輸出 繊維、衣料品、砂糖、魚
(2)輸入 機械・車両、燃料、食糧
9.主要貿易相手国(2007年、EIU)
(1)輸出 英、仏、米、マダガスカル
(2)輸入 印、中、仏、南アフリカ
10.通貨
モーリシャス・ルピー
11.為替レート
1米ドル=31.33ルピー(2007年平均:EIU)
12.経済概況
2006年より経済構造調整改革を進めており、従来の伝統的産業である砂糖生産、繊維産業及び観光産業に頼る経済からの脱皮を図るため、IT産業など新分野への投資を積極的に進めている。また、外国直接投資の誘致に熱心であり、積極的に投資協定の締結に取り組んでいるほか、2008年世銀Doing businessランキングはアフリカで第1位となっており、投資環境は非常に良好と言える。なお、モーリシャスは、エネルギー及び食糧等主要生活物資の大部分を輸入に頼っている。2009年、モーリシャスの主要産業である観光、繊維業、砂糖生産業は、世界経済危機の打撃を受け、貿易収支の赤字幅は拡大(対前年比31.46%)したが、経済成長率はプラス(2.07%)を維持した。
経済協力
1.日本の援助実績(2008年度までの累計、単位:億円)
(1)有償資金協力(EN(交換公文)ベース) 91.34
(2)無償資金協力(ENベース) 57.34
(3)技術協力実績(JICAベース) 45.99
2.主要援助国(2007年、単位:百万ドル)
(1)フランス(39.8) (2)日(2.8) (3)カナダ(0.6) (4)米(0.3)
二国間関係
1.政治関係
日本はモーリシャスを独立(1968年3月12日)と同時に承認。翌1969年8月に在モーリシャス大使館(在マダガスカル大使館が兼轄)を開設。在京「モ」大使館はなく、在京名誉領事館が商船三井株式会社社内に置かれている。
2.経済関係
(1)対日貿易
- (イ)貿易額(2009年:JETRO)
- 輸出 6億5,211万円
輸入 65億8,988万円 - (ロ)主要品目
- 輸出 魚介類、花類
輸入 貨物・乗用自動車・バス、原動機
(2)日系企業 1社
3.文化関係
2000年4月には日本映画祭を開催した。
4.在留邦人数
21人(2009年10月現在)
5.在日当該国人数
87人(2010年7月末現在)
6.要人往来
(1)往
年月 | 要人名 |
---|---|
1968年3年12月 | 福田篤泰衆議院議員(独立式典・特派大使) |
1994年1月 | 東外務政務次官 |
1996年3月 | 衛藤征士郎W杯招致議連事務局長 |
1996年9月 | 西村六善総理特使 |
2004年2月 | 松浦UNESCO事務局長 |
2005年1月 | 川口順子総理大臣補佐官(小島嶼開発途上国国際会議) |
2006年7月 | 平井卓也内閣府大臣政務官 |
2006年8月 | 大野功統衆議院議員、田中和徳衆議院議員、小渕優子衆議院議員、奥野信亮衆議院議員、山谷えり子参議院議員(日・AU友好議連) |
(2)来
年月 | 要人名 |
---|---|
1972年4月 | ラングーラム首相(非公式) |
1973年9月 | ラングーラム首相(非公式) |
1987年1月 | ジュグノート首相(非公式) |
1988年1月 | ダルー農業・漁業・天然資源相 |
1988年4月 | ルチミナライドゥ蔵相 ウチャナン・エネルギー・国内通信相 |
1989年2月 | ダルー農業・漁業・天然資源相(大喪の礼) |
1989年7月 | ウチャナン・エネルギー・水資源・郵便相 |
1990年1月 | グールブルーン副首相・経済計画開発相 |
1990年2月 | ルチミナライドゥ副首相・蔵相 |
1990年3月 | ダルー農業・漁業・天然資源相(花博) |
1990年11月 | ダルー農業・漁業・天然資源相(即位の礼) |
1991年3月 | ジュグノート首相 |
1993年10月 | ナバブシング副首相兼計画開発大臣(TICAD I) |
1993年12月 | リー観光大臣 |
1994年11月 | リー観光大臣(世界観光大臣会議) |
1997年12月 | ジェームス・バーティ・デヴィッド地域行政・環境大臣(気候変動枠組条約京都会議) |
1998年9月 | ブンワレ蔵相 |
1998年10月 | ビーニック経済開発・地域協力大臣(TICAD II) |
2000年5月 | ビアリー漁業・組合大臣 |
2001年12月 | クンジュー商業・協同組合大臣(TICAD閣僚レベル会合) |
2001年12月 | ナヴァール・マリー女性の権利・児童発達・家庭福祉大臣(第2回児童の商業的性的搾取に反する世界会議) |
2004年10月 | ラマノージ・ゴパルシン警察庁長官(防衛庁招待) |
2006年11月 | ブーレル農工業・漁業大臣(財団法人海外漁業協力財団招待) |
2007年7月 | ブーレル農工業・漁業大臣(第9回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー) |
2008年5月 | ビービージョン副首相兼公共整備・海運・陸運大臣(TICAD IV) |
2009年7月 | フォゴー農業産業・生産・食糧危機大臣(財団法人海外漁業協力財団招待) |
2009年10月 | ウテム元大統領(ノン・オフィシャル・グループ・オブ・フレンズ・オブ・スリランカ) |
7.二国間条約・取極
1980年6月18日 日・モ査証免除取極
2005年1月 日・モ技術協力協定