モーリタニア・イスラム共和国
(Islamic Republic of Mauritania)

出典:外務省 各国・地域情勢(2011年5月現在)

一般事情

1.面積

103万平方キロメートル(日本の約2.7倍)

2.人口

320万人(2008年 UNFPA)

3.首都

ヌアクショット

4.民族

モール人、アフリカ系

5.言語

アラビア語(公用語、国語)、プラール語、ソニンケ語、ウォロフ語(いずれも国語)
なお、実務言語としてフランス語が広く使われている。

6.宗教

イスラム教(国教)

7.国祭日

11月28日(独立記念日)

8.略史

年月 略史
15世紀- アラブ系民族による支配
1902年 フランスによる支配の開始
1904年 フランス領
1945年 フランス連合植民地
1958年 自治宣言
1960年 フランスより独立(ダダ初代大統領)
1978年 クーデター、特別軍事政権成立
1984年 クーデター、タヤ参謀総長政権掌握
1992年 タヤ大統領選出
1997年 タヤ大統領再選
2003年6月 クーデター未遂事件
2003年11月 タヤ大統領三選
2005年8月 タヤ大統領不在時に軍事クーデター
軍部暫定政権発足
2007年3月 アブダライ大統領選出
2008年8月 クーデター、軍事政権発足、アブデル・アジズ将軍が政権掌握
2009年7月 大統領選挙、アブデル・アジズ大統領選出

政治体制・内政

1.政体

共和制

2.元首

モハメド・ウルド・アブデル・アジズ(Mohamed Ould ABDEL AZIZ)

3.議会

二院制(上院及び国民議会)

4.政府

(1)首相 ムライ・ウルド・モハメド・ラグダフ(Moulaye Ould Mohamed LAGHDHAF)

(2)外相 ハマディ・ウルド・ババ・ウルド・ハマディ(Hamadi Ould Baba Ould HAMADI)

5.内政

 2005年8月の軍事クーデター後、19ヶ月に亘る民政移管プロセスを経て、アブダライ政権が発足。しかし、2008年8月、同大統領が軍部により拘束されるクーデターが発生。アブデル・アジズ将軍が国家高等評議会議長に就任し、新たな大統領選挙の実施を表明。反クーデター派政党は当初同選挙へのボイコットを表明していたが、国際社会の仲介により、あらゆる政党が参加する大統領選挙が実施され、アブデル・アジズ大統領が選出された。

外交・国防

1.外交方針

 非同盟を軸として穏健中立を貫くとともに、仏を始めとする先進諸国との関係強化を進めている。アラブ・マグレブ連盟(AMU)のメンバーとしてイスラム諸国との域内協力に積極姿勢を示す一方で、1999年10月にはイスラエルとの外交関係を樹立した。しかしながら、イスラエルによるガザ地区攻撃を受け、2009年1月、イスラエルとの関係凍結を決定。

2.軍事力(ミリタリーバランス2008年版)

(1)予算 1,860万ドル(2007年)

(2)兵役 志願制(2年間)

(3)兵力 15,870人(陸軍15,000、海軍620、空軍250)

経済

1.主要産業

農牧業(ソルガム、粟、米、牛、羊)

2.GNI

31.6億ドル(2009年、世銀)

3.一人当たりGNI

960ドル(2009年、世銀)

4.経済成長率

-1.1%(2009年、世銀)

5.物価上昇率

-6.1%(2009年、世銀)

6.失業率

N/A

7.総貿易額(2010年 IMF)

(1)輸出 17.9億ドル

(2)輸入 19.4億ドル

8.主要貿易品目(2009年)

(1)輸出 鉄鉱石、原油、魚介類

(2)輸入 石油開発機器、石油製品

9.主要貿易相手国(2008年)

(1)輸出 中国、伊、日、コートジボワール

(2)輸入 フランス、オランダ、中国、ブラジル、ベルギー

10.通貨

ウギア(UM)

11.為替レート

1ドル=262ウギア(2009年平均、EIU)

12.対外債務残高

20億ドル(2009年、EIU)

13.経済状況

 経済は、農業、漁業及び牧畜を基盤とし、外貨収入は水産物(タコ及びイカ)及び鉄鉱石の輸出に依存。ただし、ヌアクショット沖合で相当量の石油と天然ガスの埋蔵が確認され、2006年2月にシンゲッティ油田で石油生産開始。これにより、2006年の経済成長率は12%近くに達したものの、技術的問題により石油生産量は当初予想より落ち込んでおり(7万5千バレル/日から8千バレル/日(2010年))、国家予算に占める石油の割合は、1.2%に過ぎない(2010年)。
 なお、2010年〜2015年までの中・長期的な開発目標を掲げた第3次貧困削減戦略文書(PRSP)を現在策定中。

経済協力

1.日本の援助実績(単位:億円)

(イ)有償資金協力 (2009年度まで、E/N(交換公文ベース))110.84(債務免除を除く)

(ロ)無償資金協力 (2009年度まで、E/Nベース)478.96

(ハ)技術協力 (2009年度まで、JICAベース)58.41

2.主要援助国(2008年、単位:百万ドル)

1.西(34.12)、2.仏(29.40)、3.米(25.64)、4.独(17.37)、5.日(14.49)

二国間関係

1.政治関係

 1960年11月29日、日本はモーリタニアを承認。2009年1月に在モーリタニア大使館の新規開設を予定していたが、2008年8月のクーデター発生により開館を一時延期、2009年7月の大統領選挙の実施を踏まえ、同年8月に政府承認を行ったことにより、同年12月1日に開館。モーリタニアは1989年7月、在京大使館開設。

2.経済関係

(1)貿易額・主要貿易品目(出展:貿易統計2010年)

 対日輸出 121億842万円(たこ等)
 対日輸入 28億324万円(ダンプカー、自動車等)

(2)進出企業 1社(2010年12月現在)

3.文化関係

 ヌアクショット国立博物館に文化遺産保護・展示体制強化のため機材供与(文化無償)

4.在留邦人数

12名(2010年12月現在)

5.在日当該国人数

16名(2008年12月)

6.要人往来

(1)往

年月 要人名
2004年8月 村田吉隆衆議院議員、北村誠吾衆議院議員(日・AU議連訪問団)
2006年8月 伊藤外務大臣政務官
2007年4月 浜田外務大臣政務官(総理特使)(大統領就任式)
2011年1月 菊田外務大臣政務官

(2)来訪

年月 要人名
1989年2月 シディヤ外務・協力相(大喪の礼)
1990年11月 ディディ外務・協力相(即位の礼)
1993年10月 シディ計画相(第1回アフリカ開発会議(TICAD))
1993年11月 ダー漁業海洋経済相
1995年9月 ヴァル労働青年スポーツ相(福田元総理葬儀参列)
1997年1月 シディア計画相、ネム漁業海洋経済相(水産調査船引渡式)
1998年10月 ナジ経済開発相(TICAD II)
2001年2月 ザメル漁業相
2001年12月 フメイド経済財政相(TICAD閣僚レベル会合)
2003年3月 メルズグ・セネガル川開発機構(OMVS)事務局長(元モーリタニア水利大臣)(世界水フォーラム)
2003年9月 モハメッド・ウルド・マーウヤ経済・開発省次官(TICAD III)
2004年6月 ムンバレ漁業・海洋経済相
2005年7月 ベラル外務・協力相
2006年7月 モハメド・アリ・エネルギー・石油相
2007年8月 レミン外務・協力相
2007年9月 スマレ漁業大臣
2008年5月 アブダライ大統領、フナ外務・協力相、ヴェザス経済・財政相(TICAD IV)
2009年12月 ヴダー産業鉱業相、ハンマーディー投資促進庁長官(第1回日・アラブ経済フォーラム)
2010年10月 フッセイヌー環境大臣(生物多様性条約 COP10)
2010年12月 エイー漁業大臣(海外漁業協力財団)

7.二国間条約・取極

技術協力協定(2007年12月)