ニュージーランド
(New Zealand)
出典:外務省 各国・地域情勢(2011年7月現在)
一般事情
1.面積
27万534平方キロメートル(日本の約4分の3)
2.人口
約437万人(2010年7月末、NZ統計局推計)
3.首都
ウェリントン(20万人、2009年6月末、NZ統計局推計)
4.民族
欧州系(67.6%)、マオリ系(14.6%)、太平洋島嶼国系(6.9%)、アジア系(9.2%)、その他(12%)(2006年国勢調査)
5.言語
英語、マオリ語、手話(2006年より)
6.宗教
55.6%がキリスト教で、宗派別では英国国教会が約14%を占め、以下カトリック、長老会、メソディストの順となっている(2006年 国勢調査)
7.略史
年月 | 略史 |
---|---|
1642年 | タスマン(オランダ人探険家)により発見される |
1769年 | クック(英国人探険家)南北両島を探検。 |
1840年 | 英国代表と先住民マオリの伝統的首長との間でワイタンギ条約署名(これにより英国はNZを自国の植民地とした) |
1907年 | 英国自治領となる |
1947年 | 英国のウェストミンスター法受諾(英国議会から独立した立法機能取得) |
政治体制・内政
1.政体
立憲君主国
2.元首
エリザベス二世女王(英国女王)
総督 アナンド・サティアナンド(Anand Satyanand)(2006年8月就任、任期5年)
3.議会
一院制
(122名、任期3年、国民党58、労働党43、緑の党9、ACT党5、マオリ党5、統一未来党1、革新党1)
4.政府
国民党政権(ACT党、マオリ党、統一未来党閣外協力)
(1)首相 ジョン・キー(国民党)(2008年11月就任)
(2)外務大臣 マレー・マッカリー(2008年11月就任)
5.内政
2008年11月の総選挙で、キー党首率いる国民党が、クラーク首相(当時)率いる労働党を抑え議会第一党となり、9年振りに政権を奪回した。
外交・国防
1.外交基本方針
米国、豪州を含むアジア太平洋地域との関係強化、対太平洋島嶼国支援の拡大、非核政策の堅持等が外交の基本政策となっている。また、国連を中心として、テロ対策や人道人権、軍縮・不拡散、気候変動等地球規模問題への対応も重要な外交政策としている。
2.防衛力
(1)予算 約31.7億NZドル(2011年-2012年度予算)
(2)兵役 志願制
(3)兵力 正規9,782名(陸軍5,027名、海軍2,166名、空軍2,589名)(2011年4月現在、NZ国防省)
経済
2008年に入ってから減速気味であったNZ経済は、世界金融危機の影響もあり、GDPは2008年第1四半期(1-3月)以降、5期連続で対前期比マイナス成長を記録した。また、2009年第2四半期(4-6月期)には、失業率が過去9年間で最高値の6%に達した。 しかし、金融機関や製造業の規模が比較的小さく、経済全体に及ぼす影響が限られていたことに加え、政策金利引下げや(8.25%→2.50%)、政府の緊急経済対策等により、NZ経済は欧米諸国ほど深刻な打撃を受けることはなかった。2009年第2四半期(4-6月)から成長はプラスに転じた。しかしその後、2010年9月及び2011年2月のクライストチャーチでの地震(特に2月の地震)の影響により、当面は経済成長の減速が見込まれるものの、復興が本格化すれば経済にプラスの影響を与えることが予想される。
1.主要産業
1次産品輸出に依存する経済であり、貿易依存度が高い。生産性と国際競争力を有する1次産品は輸出の6〜7割程度を占めており、酪農製品、肉類、林産品、水産物が主力となっている。最近ではバイオテクノロジーや映画製作等にも力を入れている。
2.GDP
1946億NZドル(2010年末 IMF World Economic Outlook April 2010)
3.一人当たりGDP
4万4,553NZドル(2010年末 IMF World Economic Outlook April 2010)
4.実質GDP成長率
2004/ 2005年度 |
2005/ 2006年度 |
2006/ 2007年度 |
2007/ 2008年度 |
2008/ 2009年度 |
2009/ 2010年度 |
|
---|---|---|---|---|---|---|
実質GDP成長率(%) | 2.6 | 2.4 | 1.7 | 2.2 | -3.6 | 1.8 |
(NZ財務省)
5.消費者物価上昇率
2004/ 2005年度 |
2005/ 2006年度 |
2006/ 2007年度 |
2007/ 2008年度 |
2008/ 2009年度 |
2009/ 2010年度 |
|
---|---|---|---|---|---|---|
消費者物価上昇率(%) | 2.8 | 3.3 | 2.5 | 3.4 | 3 | 2 |
(NZ財務省)
6.失業率
2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | |
---|---|---|---|---|---|---|
失業率(%) | 3.9 | 4 | 3.9 | 3.9 | 5.1 | 6 |
(NZ財務省、各年1〜3月四半期の数値)
7.財政収支
2004/ 2005年度 |
2005/ 2006年度 |
2006/ 2007年度 |
2007/ 2008年度 |
2008/ 2009年度 |
2009/ 2010年度 |
|
---|---|---|---|---|---|---|
財政収支(単位:億NZドル) | 46 | 44 | 34 | 31 | -21 | -33 |
(NZ財務省)
8.経常収支
2004/ 2005年度 |
2005/ 2006年度 |
2006/ 2007年度 |
2007/ 2008年度 |
2008/ 2009年度 |
2009/ 2010年度 |
|
---|---|---|---|---|---|---|
経常収支(単位:億NZドル) | -93 | -139 | -133 | -144 | -147 | -45 |
(NZ財務省)
9.総貿易額
総額 859億NZドル (1)豪州(20.6%) (2)中国(13.5%) (3)米国(9.5%)
(1)NZからの輸出 435億NZドル
(2)NZへの輸入 424億NZドル
(2010年、NZ統計局)
10.主要貿易品目
(1)NZからの輸出 酪農製品(23.9%)、食肉(11.7%)、木材(6.8%)
(2)NZへの輸入 石油・鉱物燃料(15.3%)、機械類(12.3%)、車両(10.1%)
11.主要貿易相手国
総額 豪州(20.6%)、中国(13.5%)、米国(9.5%)、日本(7.6%)
(1)NZからの輸出 豪州(23.0%)、中国(11.1%)、米国(8.6%)、日本(7.8%)
(2)NZへの輸入 豪州(18.2%)、中国(16.0%)、米国(10.4%)、日本(7.3%)
(2009年、NZ統計局)
12.通貨及び為替レート
1NZドル=66.37円=0.8262米ドル(2011年7月12日時点、NZ準備銀行)
二国間関係
1.政治経済関係
(1)捕鯨、放射性物質輸送などの分野で意見の相異はあるが、全体的に良好な関係を維持。
(2)アジア・太平洋地域の先進民主主義国の一員として基本的価値を共有。
(3)首相、閣僚レベルの他、高級事務レベルでの政務及び経済協議等を通じ意見交換。
(4)2008年5月、クラーク首相(当時)訪日時に、共同プレスステートメントが発出され、これに基づいて両国関係の更なる強化に向け協力していくことで一致、2009年に「事務レベルグループ(課長級経済協議)」を設立し、両国間の貿易・経済関係発展のための様々なオプションにつき議論を行っている。
(5)2009年10月、キー首相が公式実務賓客として訪日。鳩山総理(当時)との間で首脳会談を行い、両国間の貿易経済関係の進展、人的交流の強化、安全保障・防衛対話の更なる強化へ向けて協力していくことで一致した。また岡田外相とマッカリー外相の間で、科学技術協力協定が署名された。
(6)二国間の貿易
- (イ)貿易額(2010年、財務省統計)
- 総額 約3,386億円
NZ→日本 34億NZドル 約2,365億円
NZ←日本 31億NZドル 約1,668億円 - (ロ)品目
- NZ→日本: 自動車等輸送機器、機械、電気電子機器、紙類、光学機器、鉱産物、鉄鋼
NZ←日本: アルミニウム、酪農品、林産品、肉類、魚介類、果物、野菜
(7)日本からNZへの直接投資残高
- 22億NZドル(2010年3月末、NZ統計局)
2.文化関係
(1)外務省文化事業、国際交流基金事業等により、人物交流、日本語教育助成、各種展示・公演事業等を実施。NZの学校(小中高)における日本語学習者は約3万人(仏語に次ぐ)。
(2)1985年より日NZワーキング・ホリデー制度が発足。
(3)姉妹都市提携先数は42(2011年2月末)。
(4)日本からNZへの留学生は9,697名(2009年NZ教育機構)。渡航者数は87,735名(2010年NZ統計局)。
(5)日本側には日豪NZ協会等、NZ側にはジャパン・ソサエティ等がある。
3.在留邦人数
13,447名(2009年10月、外務省海外在留邦人数調査統計)
4.在日NZ人数
3,250名(外国人登録数)(2010年12月末日)「登録外国人統計(2011年6月公表)」(法務省)
5.要人往来
(1)往(1971年以降)
年月 | 要人名 |
---|---|
1971年1月 | 崇仁親王同妃両殿下 |
1973年5月 | 皇太子同妃両殿下 |
1980年8月 | 文仁親王殿下 |
1982年11月 | 宜仁親王殿下 |
1991年4月 | 中山外相、近藤農水相 |
1992年1月 | 奥田運輸相 |
1992年11月 | 紀宮殿下 |
1993年5月 | 宮沢総理 |
1995年5月 | 田中科技庁長官、武村蔵相 |
1995年8月 | 宮崎経企庁長官、野呂田農水相 |
1996年7月 | 塚原通産相 |
1996年8月 | 永井労働相 |
1997年1月 | 亀井建設相 |
1997年4月 | 橋本総理 |
1998年11月 | 高村外相 |
1999年6月 | 与謝野通産相 |
1999年7月 | 宜仁親王殿下 |
1999年8月 | 中川農水相 |
1999年9月 | 小渕総理、高村外相、与謝野通産相 |
2002年5月 | 小泉総理 |
2002年12月 | 皇太子同妃両殿下 |
2003年1月 | 石原行革相 |
2003年4月 | 片山総務相 |
2003年8月 | 矢野外務副大臣(PIF域外国対話出席)、渡部衆院副議長 |
2004年6月 | 野沢法務相 |
2006年9月 | 皇太子殿下(お立ち寄り) |
2006年11月 | 秋篠宮殿下(お立ち寄り) |
2009年2月 | 橋本外務副大臣 |
2009年4月 | 中曽根外相 |
2011年2月 | 徳永外務政務官 |
2011年3月 | 松本外務副大臣(当時)、山花外務政務官 |
(2)来(2000年以降)
年月 | 要人名 |
---|---|
2000年4月 | カレン蔵相、ゴフ外務貿易相 |
2000年6月 | アンダートン副首相 |
2000年7月 | ホーキンス警察相 |
2001年2月 | サットン農業・貿易交渉相 |
2001年4月 | クラーク首相 |
2001年7月 | カレン大蔵・財務相 |
2001年9月 | マハリー社会サービス・雇用相 |
2001年11月 | バートン国防・観光相 |
2001年12月 | ハーレ青少年問題・女性問題相 |
2002年1月 | ロブソン矯正、司法、軍縮・軍備管理相兼外務貿易副大臣 |
2002年5月 | マラード教育相 |
2003年2月 | サットン農業・貿易交渉相 |
2003年5月 | ゴフ外務貿易相(第3回太平洋・島サミット) |
2003年8月 | バートン国防・観光相、マラード教育・スポーツ相、カレン副首相兼大蔵相 |
2003年9月 | ハント国会議長(参議院賓客) |
2004年5月 | ゴフ外務貿易相(PIF議長代理) |
2004年8月 | ホロミア・マオリ問題相、ホジソン研究・化学・技術相 |
2005年4月 | サットン農業・貿易交渉相 |
2005年6月 | クラーク首相、バートン国防・観光相 |
2006年5月 | ピーターズ外相(第4回太平洋・島サミット) |
2006年10月 | ゴフ国防・貿易相 |
2007年5月 | アンダートン農業相 |
2007年8月 | マラード経済開発大臣 |
2007年9月 | ダルジール商務大臣(女性問題担当) |
2007年11月 | オコナー観光大臣 |
2007年12月 | マフタ関税・地方自治体大臣(青少年担当、環境副大臣) |
2008年5月 | クラーク首相、ゴフ国防・貿易相 |
2008年6月 | カンリフ通信・情報技術・保健相 |
2009年4月 | スミス国会議長(衆議院招待) |
2009年5月 | マッカリー外相(第5回太平洋・島サミット) |
2009年9月 | イングリッシュ副首相兼財務相 |
2009年10月 | キー首相、マッカリー外相 |
2010年2月 | グローサー貿易相 |
2010年3月 | ジョイス運輸相 |
2010年6月 | グローサー貿易相(APEC貿易大臣会合) |
2010年9月 | ウォン女性問題・民族問題担当大臣 |
2010年10月 | マップ研究・科学・技術大臣兼国防大臣 |
2010年11月 | キー首相(APEC)、マカリー外相、ヒートリー水産大臣兼住宅大臣 |
2011年4月 | スミス環境・気候変動問題担当大臣 |
2011年5月 | マカリー外相(外務省賓客) |
2011年7月 | グローサー貿易大臣兼気候変動問題交渉担当大臣 |
6.二国間条約・取極等
通商協定(1958年)、租税条約(1963年)、査証免除取極(1970年)、航空協定(1980年)、ワーキングホリデー制度実施(1985年)、石油備蓄協定(2007年)、認定事業者(AEO)相互認証取決め(2008年)、科学技術協力協定(2009年)
7.外交使節
(1)ニュージーランド駐箚日本国大使 三田村秀人
(2)本邦駐箚ニュージーランド大使 イアン・ケネディ