パプアニューギニア独立国
(Independent State of Papua New Guinea)

出典:外務省 各国・地域情勢(2011年8月現在)

一般事情

1.面積

46.2万平方キロメートル(日本の約1.25倍)

2.人口

673万人(2009年、世界銀行)

3.首都

ポートモレスビー

4.民族

メラネシア系

5.言語

英語(公用語)の他、ピジン英語、モツ語等を使用

6.宗教

主にキリスト教徒多数、祖先崇拝等伝統的信仰も根強い。

7.略史

年月 略史
16世紀前半〜19世紀後半 ヨーロッパ人の来訪
1884年 独、ニューギニア北東部を保護領とする(独領ニューギニア)
1884年 英国、ニューギニア南東部を保護領とする(英領ニューギニア)
1906年 英領ニューギニア、豪領となる
1914年 第1次世界大戦勃発に伴い、豪が独領ニューギニアを占領
1920年 国際連盟、独領ニューギニアの統治を豪に委任
1942年 日本軍進駐
1945年 日本軍降伏、豪州が統治
1946年 豪州を施政権者とする国連の信託統治地域となる
1963年 住民議会設置
1973年 内政自治に移行
1975年9月16日 独立

政治体制・内政

1.政体

立憲君主制

2.元首

エリザベス二世女王(英国女王)、マイケル・オギオ(Michael Ogio)総督(2011年1月選出)

3.議会

一院制、議員数109名、任期5年

4.政府

(1)首相 ピーター・オニールPeter O'Neill

(2)外務移民相 アノ・パラ(Ano Pala

5.内政

(1)2007年6月から7月にかけて総選挙が行われた結果、与党の国民同盟党(NA)が再び勝利し、ソマレ首相が再任され、新政権を発足させた。ソマレ首相は「建国の父」と呼ばれる独立時の初代首相であり、今回で5度目の首相就任。2012年に総選挙が予定されており、ソマレ首相が続投するか注目される。

(2)1988年末にブーゲンビル銅山を巡り一部過激派地主が起こした反政府暴動に端を発したブーゲンビル紛争は分離独立運動に発展し、PNG内政の最大の課題の1つであったが、2001年8月に中央政府と分離独立派との間で、(イ)武器回収計画、(ロ)ブーゲンビル自治政府の創設、(ハ)ブーゲンビルの将来の政治的立場についての住民投票権の創設の3つを柱とする「ブーゲンビル和平協定」が締結された。2005年5月にブーゲンビル自治選挙が実施され、6月15日には自治政府が発足した(なお、選挙に際し我が国は選挙監視要員を派遣した他、投票用紙・通信用機器等の購入にかかる資金を供与した)。2010年3月、第2回ブーゲンビル自治選挙が実施され、第2代長官が選出された。

外交・国防

1.外交

独立後30年を迎えた現在、PNGは旧宗主国であり、圧倒的に最大の援助国・貿易相手国である豪州との対等な関係促進、国境を接しているインドネシアとの友好関係の維持、近隣諸国との連携強化等を引き続き外交の機軸としている。また、アジア太平洋地域の一員として、日本をはじめとするアジア諸国との関係強化、同地域内での多国間外交にも力を入れており、太平洋島嶼地域で唯一のAPEC加盟国となっている。

また、太平洋島嶼地域の大国として、太平洋諸島フォーラム(PIF)において強い発言力を有し、地域のリーダーとして独自の外交を展開している。

2.国防

(1)予算 101.0百万キナ(39.0百万米ドル)(2008年度予算)

(2)兵役 志願兵制度

(3)兵力 兵員規模 約3,100人(陸軍2,500人、空軍200人、海軍400人。豪州政府の支援の下で兵員規模を約2000人まで削減する計画が進行中)

経済

1.主要産業

鉱業(金、原油、銅)、農業(パーム油、コーヒー)、林業(木材)

2.GNI

79.1億米ドル(2009年、世界銀行)

3.一人当たりGNI

1,180米ドル(2009年、世界銀行)

4.経済成長率

4.5%(2009年、PNG財務省)

5.物価上昇率

9.8%(2008年、世界銀行)

6.総貿易額

(1)輸出 11,873百万キナ(43.2億米ドル※)

(2)輸入 7,738百万キナ(28.1億米ドル※)

(2009年、アジア開発銀行)

(※

1キナ=0.3637米ドル PNG中央銀行2009年平均レート)

7.主要貿易品目

(1)輸出 金、原油、銅、パーム油、コーヒー、木材

(2)輸入 コメ、食肉、タイヤ・チューブ、紙製品

8.主要貿易相手国

(1)輸出 豪州、日本、中国、独

(2)輸入 豪州、シンガポール、日本、中国

9.通貨

キナ及びトヤ(100分の1キナ)

1キナ=32.7円(2011年4月)

10.経済概況

3年続いた実質GDPのマイナス成長を経て、2003年以降はプラス成長を達成している。経済活動の改善は鉱業産品・非鉱業産品の増産・価格上昇、順調な気候条件を反映して輸出部門により主導された。好調な輸出は、輸入の減少及び政府による財政引き締めとも相俟って為替相場の安定、インフレ率の低下、外貨準備高の増加をもたらしており、国内的には、民間部門の活動と雇用に成長が見られる。また2014年頃から、LNG(液化天然ガス)の産出も見込まれており、これが更なる経済成長をけん引することが予想される。

経済協力

1.日本の援助

  2009年 2009年までの累計
(1)有償資金協力 82.61億円 704.46億円
(2)無償資金協力 15.58億円 342.22億円
(3)技術協力 6.42億円 254.69億円

2.主要援助国

(1)豪州(312)、(2)ニュージーランド(16)、(3)日本(11)

(単位:百万米ドル、2008-2009年平均、DAC)

二国間関係

1.政治関係

1975年1月 ポートモレスビーに日本側総領事館開設
1975年9月 独立と同時に外交関係を樹立
1975年12月 在パプアニューギニア日本大使館開設
1979年9月 在パプアニューギニア大使館に初代大使赴任

2.経済関係

(1)貿易額(2009年度、財務省貿易統計)

パプアニューギニアへの輸出 175億円
パプアニューギニアからの輸入 725億円

(2)日本からの直接投資 1億円(2008年)

(3)駐在日本企業数 15社(2009年)

3.在留邦人数

170名(2009年10月現在)

4.在日当該国人数

61名(2009年、法務省在留外国人統計)

5.要人往来

(1)往(1980年以降)

年月 要人名
1980年 大平総理、大来外相
1985年 中曽根総理、安倍外相
1986年 浦野外務政務次官
1987年 倉成外相
1989年 小泉厚相
1991年 鈴木外務政務次官
1992年 柿沢外務政務次官(立寄り)
1995年 福田外務政務次官(独立20周年特派大使)
1997年 佐々木満参議院議員一行
2000年 伊藤公介衆議院議員(独立25周年特派大使)
2002年 原田昇左右衆議院議員、植竹外務副大臣
2004年 村田吉隆衆議院議員
2005年 福島外務政務官、有馬政府代表(日・PIF域外国対話)
2006年 遠山外務政務官
2011年 菊田外務政務官

(2)来(1977年以降)

年月 要人名
1977年 ソマレ首相(公賓)
1979年 オレワレ副首相兼外務・貿易相(外務省賓客)
1985年 ソマレ首相(公賓)
1989年 ディベラ総督(大喪の礼)
1989年 ポラ蔵相
1989年 エブ漁業相
1990年 マティアベ文化・観光相(花博賓客)
1990年 エリ総督(即位の礼)
1992年 ドイ副首相兼漁業大臣等
1994年 モミス通信相
1995年 ヤマ運輸・公共事業相、コンガ商工相、チャン首相兼外務貿易相(APEC)
1996年 チャン首相兼外務貿易相(SPF議長、外賓)
1997年 ゲニア外相(第1回太平洋・島サミット)
1998年 ナマリュウ石油エネルギー相
1999年 タラヌピ教育相、ペイプル公共サービス相
2000年 モラウタ首相(第2回太平洋・島サミット)
2000年 モラウタ首相(小渕前総理葬儀)
2001年 ソマレ元首相、アベイ・ブーゲンビル問題担当大臣、ヤキ石油・エネルギー大臣(大阪シンポジウム)
2001年 ナロコビ国会議長
2002年 クンバコール金融大臣 、アウアリ民営化大臣、ルス文化観光大臣
2003年 ソマレ首相、アベイ石油・エネルギー大臣(第3回太平洋・島サミット)
2005年 ソマレ首相(公実賓)、アベイ石油・エネルギー大臣、ティエンステン貿易・産業大臣、ソマレ国家計画・地方開発大臣、ブラウン公共サービス大臣
2006年 ナマリュー外相(外務省賓客(PIF議長代理))、ソマレ首相(PIF議長として第4回太平洋・島サミットに参加)
2007年10月 ライモ教育相(オピニオン・リーダー招待)
2007年12月 アラン環境保全大臣(第1回アジア・太平洋水サミット(於:大分))
2009年2月 アバル外務貿易移民大臣、ソマレ国営企業大臣
2009年5月 ソマレ首相(第5回太平洋・島サミット)、カプリス商工大臣
2010年3月 ソマレ首相(実務訪問賓客)
2010年10・11月 ポリエ副首相兼運輸公共大臣(太平洋・島サミット中間閣僚会合及びAPEC)
2011年4月 ポリエ外務貿易大臣(日・パプアニューギニア投資協定署名)
2011年6月 ティエンステン国家計画・地方開発大臣(ミレニアム開発目標(MDGs)フォローアップ会合)

6.二国間条約・取極

1979年 青年海外協力隊派遣取極
1997年 航空協定

7.外交使節

(1)パプアニューギニア駐箚日本国大使
 橋廣治特命全権大使

(2)本邦駐箚パプアニューギニア大使
 デニス・ベベゴ臨時代理大使