ルワンダ共和国
(Republic of Rwanda)
出典:外務省 各国・地域情勢(2011年4月現在)
一般事情
<「千の丘の国」と呼ばれる自然豊かな内陸国>
1.面積
2.63万平方キロメートル
2.人口
1,030万人(2010年、UNFPA)
3.首都
キガリ
4.言語
キニアルワンダ語、英語、仏語
5.宗教
カトリック57%、プロテスタント26%、アドヴェンティスト11%、イスラム教4.6%等
6.略史
年月 | 略史 |
---|---|
17世紀 | ルワンダ王国建国 |
1889年 | ドイツ保護領 (第一次大戦後はベルギーの信託統治領) |
1961年 | 王政に関する国民投票(共和制樹立を承認) 議会がカイバンダを大統領に選出 |
1962年 | ベルギーより独立 |
1973年 | クーデター(ハビヤリマナ少将が大統領就任) |
1990年10月 | ルワンダ愛国戦線(RPF)による北部侵攻 |
1993年8月 | アルーシャ和平合意 |
1994年4月 | ハビヤリマナ大統領暗殺事件発生をきっかけに「ルワンダ大虐殺」発生(〜1994年6月) |
1994年7月 | ルワンダ愛国戦線(RPF)が全土を完全制圧、新政権樹立 (ビジムング大統領、カガメ副大統領就任) |
2000年3月 | ビジムング大統領辞任 |
2000年4月 | カガメ副大統領が大統領に就任 |
2003年8月 | 複数候補者による初の大統領選挙でカガメ大統領当選 |
2003年9-10月 | 上院・下院議員選挙(与党RPFの勝利) |
2008年9月 | 下院議員選挙(与党RPFの勝利) |
政治体制・内政
1.政体
共和制
2.元首
ポール・カガメ大統領
3.議会
上院(26議席)
下院(80議席)
4.政府
(1)首相 ベルナール・マクザ
(2)外相 ルイーズ・ムシキワボ
5.内政
1962年の独立以前より、フツ族(全人口の85%)とツチ族(同14%)の抗争が繰り返されていたが、独立後多数派のフツ族が政権を掌握し、少数派のツチ族を迫害する事件が度々発生していた。1990年に独立前後からウガンダに避難していたツチ族が主体のルワンダ愛国戦線がルワンダに武力侵攻し、フツ族政権との間で内戦が勃発した。1993年8月にアルーシャ和平合意が成立し、右合意を受け、国連は停戦監視を任務とする「国連ルワンダ支援団(UNAMIR)」を派遣したが、1994年4月のハビヤリマナ大統領暗殺を契機に、フツ族過激派によるツチ族及びフツ族穏健派の大虐殺が始まり、同年6月までの3ヶ月間に犠牲者は80〜100万人に達した。
1994年7月、ルワンダ愛国戦線がフツ族過激派を武力で打倒すると、ビジムング大統領(フツ族)、カガメ副大統領による新政権が成立。同政権は大虐殺の爪痕を乗り越えようと、出身部族を示す身分証明書の廃止(1994年)、遺産相続制度改革(女性の遺産相続を許可)(1999年)、国民和解委員会及び国民事件委員会の設置(1999年)等、国民融和・和解のための努力を行っている。
1999年3月には、1994年の虐殺以降初めての選挙となる地区レベル選挙(市町村レベルより下位)を実施、2001年3月には市町村レベル選挙を実施、2003年8月には大統領選挙が実施されカガメ大統領が当選。政治の民主化が進展している。同年9、10月の上院・下院議員選挙及び2008年9月の下院議員選挙では与党RPFが勝利した。
カガメ大統領は汚職対策に力を入れており、他のアフリカ諸国に比して、汚職の少なさ、治安の良さは特筆される。
外交・国防
1.外交基本方針
従来非同盟中立主義が基本路線。冷戦時代は東西両陣営と友好関係を維持、現在は、経済開発のため先進諸国との協力に重点を置く。東アフリカ共同体(EAC)及び東南部アフリカ共同市場(COMESA)メンバー。コモンウェルス加盟(2009年11月)。
2.軍事力
(1)予算 7,600万ドル(2009年)
(2)兵役 志願制
(3)兵力 3万3,000人(2009年)
経済
1.主要産業
農業(コーヒー、茶等)
2.GDP
50.6億ドル(2009年)
3.一人当たりGNI
460ドル(2009年)
4.経済成長率
5.3%(2009年)
5.物価上昇率
12.1%(2009年)
6.総貿易額
(1)輸出 193百万ドル(2009年)
(2)輸入 961百万ドル(2009年)
7.主要貿易品目
(1)輸出 コーヒー、茶、錫
(2)輸入 資本材、半加工品、エネルギー財、消費財
8.主要貿易相手国
(1)輸出 ケニア、コンゴ民主共和国、タイ、中国(2009年)
(2)輸入 ケニア、ウガンダ、中国、アラブ首長国連邦
9.通貨
ルワンダ・フラン
10.為替レート
1ドル=571ルワンダ・フラン
11.経済概況
(1)農林漁業がGDPの40%以上、労働人口の90%を占め、多くの農民が小規模農地を所有。主要作物はコーヒー及び茶(輸出収入の60%)であり、高品質化により国際競争力を強化する政策をとっている。一方で、内陸国のために輸送費が高いという問題も抱える。
(2)1980年代は、構造調整計画を実施し経済の再建に努めたが、内戦勃発以降はマイナス成長、特に1994年の大虐殺で更に壊滅的打撃を受けた。その後、農業生産の堅実な回復(1998年には内戦前の水準を回復)、ドナー国からの援助、健全な経済政策により1999年までにGDPは内戦前の水準に回復した。
(3)ルワンダ政府は、1996年に「公共投資計画」を、2000年に20年後の経済達成目標を定める「VISION2020」を、2002年には「貧困削減戦略文書完全版(F-PRSP)」を、また、2007年には、第2次世代PRSPとなる経済開発貧困削減戦略(EDPRS)を策定し、これら戦略等を基軸とした経済政策を実施している。2000年12月には、拡大HIPCイニシアティブの決定時点に達し、2005年4月に完了時点に到達している。
(4)カガメ大統領は、汚職対策にも力を入れており、グッドガバナンスの模範国として世銀等からの評価も高い。
経済協力
<二国間援助の本格再開>
1.日本の援助実績
(1)有償資金協力(2009年度まで、ENベース) 46.49億円
(2)無償資金協力(2009年度まで、ENベース) 342.45億円
(3)技術協力実績(2009年度まで、JICAベース) 58.44億円
2.主要援助国(2008年)
(1)米 (2)英 (3)ベルギー (4)オランダ (5)スペイン
二国間関係
<極めて親日的>
1.政治関係
(1)日本は、ルワンダが独立した1962年7月に国家承認。2009年末まで在ケニア日本大使館がルワンダを兼轄していたが、2010年1月に在ルワンダ日本大使館開館。ルワンダは1979年5月に在京大使館を開設。2000年9月に閉鎖したが、2005年1月に再開。
(2)1994年4〜6月のルワンダ大虐殺により国外に避難したルワンダ難民を救援するため、日本は、同年9〜12月の間、国際平和協力法に基づき、ザイール共和国(当時、現コンゴ民主共和国)のゴマ 等に約400名の難民救援隊・空輸隊等を派遣した。
2.経済関係(対日貿易)
(1)貿易額
- 輸出 4,700万円(2010年)
輸入 5.8億円(2010年)
(2)主要品目
- 輸出 コーヒー、バッグ類
輸入 自動車、二輪、機械
3.文化関係
国営テレビ局に対し番組ソフトを供与
4.在留邦人数
40人(2009年10月現在)
5.在日当該国人数
21人(2009年)
6.要人往来
(1)往
年月 | 要人名 |
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(1965年から6年間服部正也氏(日本銀行からIMFに出向)がルワンダ中央銀行総裁としてルワンダの経済・財政再建に貢献した。) | |
1982年6月 | 辻外務政務次官(独立20周年記念式典に政府特派大使として参加) |
2005年10月 | 逢沢外務副大臣 |
2006年8月 | 日本・アフリカ連合友好議員連盟(村田吉隆衆議院議員、北村誠吾衆議院議員) |
2006年10月 | 浜田外務大臣政務官 |
2008年12月 | 御法川外務大臣政務官 |
2009年6月 | 橋本外務副大臣 |
(2)来
年月 | 要人名 |
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1981年10月 | ンガリュキイントワリ外務・協力相(外務省賓客) |
1985年3月 | ルカシャサ外務協力次官(中堅指導者招聘) |
1988年3月 | ハビヤリマナ大統領(非公式) |
1989年2月 | ムゲマナ内務相(大喪の礼) |
1990年11月 | ハビマナ「発展のための国民革命運動」書記長(即位の礼) |
1991年3月 | ンギラバトワレ計画大臣(大統領特使) |
1993年10月 | ルコゴザ情報相(アフリカ開発会議) |
1996年1月 | ビララ計画相(非公式) |
1996年6月 | ビジムング大統領(非公式)及びガザナ外務・協力相 |
1997年4月 | カガメ副大統領(外務省賓客)及びビララ大蔵・計画相 |
1998年10月 | ルイジェマ首相(第2回アフリカ開発会議) |
2000年1月 | イヤムレムイェ外相 |
2001年12月 | カベルカ財務・経済計画大臣(TICAD閣僚レベル会合) |
2003年9月 | マクザ首相、ムリガンデ外相(TICAD III) |
2005年2月 | ムジャワマリア初等中等教育担当大臣(フォーラム出席) |
2005年4月 | カベルカ財務・経済計画大臣(実務) |
2005年6月 | ンシュティ商業・産業・投資促進・観光・協同組合大臣(愛知万博) |
2005年7月 | ムリガンデ外相(外務省賓客) |
2005年9月 | ムレンジ教育・科学・技術・研究大臣(科学技術社会フォーラム出席) |
2006年6月 | ムリガンデ外相、ンサンザバガンワ経済計画担当国務大臣、カレガ産業・投資促進担当国務大臣 |
2006年11月 | カガメ大統領(実務訪問賓客)、カマンジ・インフラ大臣、ムセミナリ協力担当国務大臣、ンサンザバガンワ経済計画担当国務大臣 |
2007年10月 | ムレンジ科学・技術・研究大臣(科学技術社会フォーラム出席) |
2008年5月 | カガメ大統領(TICAD IV)、ムセミナリ外相 |
7.二国間条約・取極
1985年6月 青年海外協力隊派遣取極
2005年1月 技術協力協定