サンマリノ共和国
(Republic of San Marino)
出典:外務省 各国・地域情勢(2010年10月現在)
一般事情
1.面積
61.2平方キロメートル
2.人口
31,538人(2009年9月:サンマリノ経済企画局・統計センター)
3.首都
サンマリノ
4.言語
イタリア語
5.宗教
カトリック教
6.国祭日
9月3日
7.略史
4世紀初頭、ローマ皇帝によるキリスト教徒迫害を逃れるため、マリーノという石工がこの地にたてこもり、信徒を集め共同体を作ったのが建国の伝説とされている。中世にも天然の要塞を利用し外敵の侵入を防ぎ、自由と独立を守り続けた。1631年にローマ法王により独立的地位を認められた。1862年にイタリアとの友好善隣条約を結び近代国家としての主権と独立を確立した。
政治体制・内政
1.政体
共和制
2.元首
執政2名。6ヶ月毎に議会の議員の中から互選し、毎年4月1日と10月1日に就任。
ジョヴァンニ・フランチェスコ・ウゴリーニ(2010年10月就任)
アンドレア・ザッフェラーニ(2010年10月就任)
3.議会
(1)構成 大評議会のみの一院制。任期は5年、定数は60名。
政党/リスト名 | 議席数 | |
---|---|---|
「サンマリノのための協定」連合 (連立与党・中道右派) |
人民同盟 | 7 |
自由リスト | 4 | |
キリスト教民主党・サンマリノのための欧州人民・アレンゴと自由 | 22 | |
サンマリノ穏健派連合 | 2 | |
計 | 35 | |
「改革と自由」連合 (中道左派) |
中道民主主義者 | 2 |
社会主義者・民主主義者党 | 18 | |
統一左翼 | 5 | |
計 | 25 | |
合計 | 60 |
(2)選挙制度 比例代表制
4.政府
国家評議会。任期は議会の立法期に同じ。
首相職はなし。
アントネッラ・ムラローニ外務・政務・通信・運輸長官
5.内政
- 戦後長年にわたりキリスト教民主党と社会党を中心とする左派勢力との連立政権が続いたが、2000年以後はキリスト教民主党、社会党、民主主義者党(旧共産党)及びその他の政党による連立の組み替えといった政治的に不安定な状況が続いた。
- 2006年6月、任期満了に伴う大評議会選挙が実施された。キリスト教民主党は最多議席を獲得したものの他党との連立を実現できず、キリスト教民主党、社会党、民主主義者党の三党によるベラルディ内閣に変わり、7月末、社会主義者・民主主義者党、人民同盟、統一左翼による中道左派政権・ストルフィ内閣が誕生した。
- 2007年10月23日、大評議会(国会に相当)において司法改革法案が否決されたことを受け、同日ストルフィ内閣は総辞職した。11月28日、従来の連立に中道民主主義者党(キリスト教民主党から分裂)を加えた4党連立による第2次ストルフィ内閣が発足した。
- 2008年6月、連立与党の離脱により第2次ストルフィ内閣は総辞職、8月6日議会解散、11月9日繰り上げ総選挙が実施された。「サンマリノのための協定」連合(中道右派)が「改革と自由」連合(中道左派)に勝利し、12月3日ムラローニ内閣が発足。
外交・国防
1.外交
(1)サンマリノは四方をイタリアに囲まれており、歴史的・地理的・経済的に最も同国との関係が深い。イタリアとの友好善隣条約のもとに、通信や郵便等の運営協力を通じて同国と密接な協力関係にある。
(2)約90か国と外交関係を有する。
(3)従来からユネスコ、世界保健機関、国際労働機関等の国際機関に加盟しており、1992年には国連及びIMFにも加盟した。欧州内においては、CSCE(現OSCE)(1972年)、欧州評議会(1988年)等のメンバーであるが、EUには加盟していない(伊との取りきめに基づき、通貨はユーロを使用。)
(4)2008年サンマリノ旧市街が位置するティターノ山のユネスコ世界遺産登録が実現。
2.軍事力
通常の意味での軍隊は存在せず、城塞警備隊、大評議会衛兵憲兵隊及び民兵隊よりなる護衛隊が任務にあたる。
経済
1.主要産業
観光、金融、繊維、電気、製陶等
2.GDP
992.57百万ユーロ(2006年:サンマリノ経済企画局・統計センター)
3.一人当たりGNP
22,630ユーロ(2005年:サンマリノ経済企画局・統計センター)
4.経済成長率
2.4%(2005年:サンマリノ経済企画局・統計センター)
5.物価上昇率
2.0%(2007年:サンマリノ経済企画局・統計センター)
6.失業率
1.47%(2007年:サンマリノ経済企画局・統計センター)
7.総貿易額
(1)輸出 2,307百万ユーロ(2006年:サンマリノ外務省)
(2)輸入 2,310百万ユーロ(2006年:サンマリノ外務省)
8.主要貿易品目
(1)輸出 建築用石材、石炭、木材、栗、小麦、ワイン等
(2)輸入 消費財全般、食料品
9.主要貿易相手国
伊、東欧、南米、中国、台湾等(輸出の約85%は対イタリア)
10.通貨
ユーロ
11.経済概況
イタリア経済に大きく依存。
二国間関係
1.政治関係
(1)1961年、領事関係開設、1962年より名誉総領事を交換。
(2)1996年11月、外交関係開設。
(3)1999年3月、在本邦サンマリノ総領事館開設(2002年12月閉鎖)。
(4)2002年12月、在本邦サンマリノ大使館開設。
(5)2004年6月、在神戸名誉領事館開設。
2.経済関係
(1)日本からの輸入
- 約4.54百万ユーロ(2006年)(サンマリノ外務省)
(2)日本への輸出
- 約3.42百万ユーロ(2006年)(サンマリノ外務省)
(3)日本からの直接投資 記録なし
(4)日本人観光客がサンマリノを訪問しているが、イタリアからサンマリノへの入国審査はないため、日本人観光客の統計はない。
3.文化関係
特記事項なし。
4.在留邦人数
4人(2009年)
5.在日サンマリノ人数
1人(2009年)
6.要人往来
(1)往
年月 | 要人名 |
---|---|
1984年 | 浩宮殿下(当時) |
1987年 | 福田元総理 |
(2)来
年月 | 要人名 |
---|---|
1990年 | ガスペローニ、ブッチ両執政(即位の礼出席) |
2004年 | ベラルディ外務長官 |
7.二国間条約・取極
査証免除取極(1968年)
8.外交使節
(1)サンマリノ駐箚日本大使(イタリア常駐) 安藤裕康
(2)日本駐箚サンマリノ大使 マンリオ・カデロ