シンガポール共和国
(Republic of Singapore)
出典:外務省 各国・地域情勢(2011年1月現在)
一般事情
1.面積
710平方キロメートル(東京23区(約700平方キロメートル)とほぼ同じ)
2.人口
約507万人(うちシンガポール人・永住者は373万人)(2010年)
3.民族
中華系75%、マレー系14%、インド系9%、その他2%
4.言語
国語はマレー語。公用語として英語、中国語、マレー語、タミール語。
5.宗教
仏教、イスラム教、キリスト教、道教、ヒンズー教
6.略史
年 | 略史 |
---|---|
1400年頃 | 現在のシンガポール領域にマラッカ王国建国 |
1511年 | マラッカがポルトガルに占領され、マラッカ王国が滅亡 マラッカ王国の王はマレー半島のジョホールに移り、ジョホール王国を建国。それに伴い、ジョホール王国によって現在のシンガポール領域が支配される |
1819年 | 英国人トーマス・ラッフルズが上陸。ジョホール王国より許可を受け商館建設 |
1824年 | 正式に英国の植民地となる |
1832年 | 英国の海峡植民地の首都に定められる |
(1942年〜1945年) | (日本軍による占領) |
1959年 | 英国より自治権を獲得、シンガポール自治州となる |
1963年 | マレーシア成立に伴い、その一州として参加 |
1965年 | マレーシアより分離、シンガポール共和国として独立 |
政治体制・内政
1.政体
立憲共和制(1965年8月9日成立)(英連邦加盟)
2.元首
大統領(任期6年。SRナザン現大統領は、1999年9月、第6代大統領として就任。2005年9月より2期目を務める。)
3.議会
一院制。選出議員数84(任期5年)(与党:人民行動党82議席、野党:民主同盟1議席、労働党1議席)
4.政府
(1)首相名:リー・シェンロン(人民行動党/PAP)
(2)外相名:ジョージ・ヨー(人民行動党/PAP)
5.内政
リー首相は、14年間首相を務めたゴー・チョクトン前首相(現上級相)より2004年に政権を継承。建国以来、与党人民行動党(PAP)が圧倒的多数を維持しており(2006年5月の総選挙においても、84議席中、82議席を獲得)、内政は極めて安定。
外交・国防
1.外交基本方針
ASEAN諸国との友好協力関係を基軸とした地域協力に努力。アジア太平洋地域における政治、安全保障、経済面での米国の関与を重視(ただし、非同盟諸国の一員でもある。)。
2.軍事力
(1)予算
114.5億シンガポール・ドル(全歳出予算の26.2%、2009年度)
108億シンガポール・ドル(全歳出予算の28.8%、2008年度)
(2)兵役 2年の義務兵役制度(訓練終了後は、予備役に編入。)
(3)兵力 正規7.25万名(陸軍50,000名、海軍9,000名、空軍13,500名)
(出典:ミリタリー・バランス、シンガポール政府統計局統計、シンガポール財務省ホームページ)
経済
1.主要産業
製造業(エレクトロニクス、化学関連、バイオメディカル、輸送機械、精密器械)、商業、ビジネスサービス、運輸・通信業、金融サービス業
2.名目GDP(出典:シンガポール統計局)
2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | |
---|---|---|---|---|
名目GDP(百万USドル) | 145,074 | 176,766 | 193,339 | 182,233 |
3.一人当たり名目GDP(出典:シンガポール統計局)
2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | |
---|---|---|---|---|
一人当たり名目GDP(USドル) | 32,961 | 38,523 | 39,951 | 36,537 |
4.実質GDP成長率%(出典:シンガポール統計局)
2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | |
---|---|---|---|---|
実質GDP成長率(%) | 8.6 | 8.5 | 1.8 | -1.3 |
5.消費者物価上昇率(出典:シンガポール統計局)
2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | |
---|---|---|---|---|
消費者物価上昇率(%) | 1.0 | 2.1 | 6.6 | 0.6 |
6.失業率(出典:シンガポール統計局)
2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | |
---|---|---|---|---|
失業率(%) | 2.7 | 2.1 | 2.2 | 3.0 |
7.貿易額(出典:シンガポール統計局)
2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | |
---|---|---|---|---|
輸出(百万USドル) | 271,603 | 299,003 | 336,967 | 268,900 |
輸入(百万USドル) | 238,477 | 262,742 | 318,683 | 244,961 |
8.直接投資受入額(出典:ジェトロホームページ)
2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | |
---|---|---|---|---|
直接投資受入額(百万USドル) | 4,755 | 9,746 | 11,437 | 5,765 |
9.主要貿易品目
(1)輸出 機械・輸送機器、鉱物性燃料、化学製品
(2)輸入 機械・輸送機器、鉱物性燃料、原料別製品
10.通貨
シンガポール・ドル(Sドル)
11.為替レート
1シンガポール・ドル=約63円(2010年12月)
12.経済概況
2001年 建国以来最悪の成長率(-1.2%)
(米国経済の減速、世界的な電子関連需要の減退の影響)
2002年 4.2%のプラス成長(第2四半期以降、プラス成長に)
2003年 前半はSARSの影響により低迷したが、後半は持ち直し4.6%のプラス成長を達成。
2004年 9.2%のプラス成長。経済は回復し、力強い経済成長を示した。
2005年 製造業、サービス業等の内需拡大により、7.4%のプラス成長。
2006年 製造業、建設業、サービス業等の内需拡大により、8.6%のプラス成長。
2007年 建設業、金融業等がシンガポール経済を牽引し、8.5%のプラス成長。
2008年 金融危機に端を発し、景気後退。主に製造業が不振。前年比1.2%のプラス成長。
2009年 年央から回復に転じたものの、通年では-1.3%のマイナス成長。
2010年 急速にV字回復を続けており、通年で13〜15%の成長を見込んでいる。
経済協力
1.日本の援助
(1)有償資金協力 127.4 億円(1972年度まで)
(2)無償資金協力 31.17億円(1987年度まで。以降なし)
(3)技術協力実績 239.88億円(1998年度まで)
2.対第三国技術援助協力
1994年より、援助国家に成長したシンガポールを支援するため、「日・シンガポール・パートナーシップ・プログラム(Japan-Singapore Partnership Program (JSPP))」を実施。また、1997年より、実際に共同で第三国に対する研修協力支援「21世紀のための日・シンガポール・パートナーシップ・プログラム(Japan-Singapore Partnership Program for the 21st Century (JSPP21))」を開始。2007年12月の日・シンガポール外相会談の際に両国外相間でJSPP21の新たな枠組みとなる討議議事録(Memorandum of Discussion: MOD)への署名を行い、JSPP21の方向性を定めた。
二国間関係
1.政治関係
- 日本政府は1965年8月9日にシンガポールを国家承認し、1966年4月26日にシンガポールと外交関係を樹立。現在、政治的に懸案事項は存在せず、両国関係は良好。
- 広範囲な分野で日・シンガポール間の交流が行われており要人往来も活発。
2006年は日・シンガポール外交関係樹立40周年。6月には天皇皇后両陛下が国賓として御訪問。
2007年3月、リー首相が公式実務訪問賓客として訪日。2009年5月には、ナザン大統領が国賓訪日。2009年10月に、リー首相が実務訪問賓客として訪日。
2.経済関係
2002年11月に日・シンガポール経済連携協定(JSEPA:日本初のEPA)、2007年9月に同協定改正議定書が発効。
(1)対日貿易
- (イ)輸出入ともに、電子機器・電子部品が主要品目
- (ロ)貿易額(10億円)(出典:財務省統計(日本))
-
2006年 2007年 2008年 2009年 輸出 870 829 817 570 輸入 2,250 2,566 2,758 1,933
(2)直接投資(百万ドル)(出典:ジェトロホームページ)
2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | |
---|---|---|---|---|
対内直接投資 | 1,062 | 1,282 | 2,716 | 756 |
対外直接投資 | 375 | 2,233 | 1,089 | 2,881 |
3.文化関係
2007年7月の日・シンガポール首脳会談において、日本の文化を中心とする情報を発信する拠点としてシンガポールに「ジャパン・クリエイティブ・センター(Japan Creative Centre)」http://www.sg.emb-japan.go.jp/JCC/を設置することが合意され、2009年11月に鳩山総理(当時)とリー・シェンロン首相の出席の下、開所。
4.在留邦人数(在シンガポール日本大使館への在留届数)
23,297名(2009年10月現在)
5.日系企業数
994社(「海外進出企業総覧2009」(東洋経済))
6.在日当該国人数
2,604名(2008年12月現在)
7.要人往来(2001年以降、肩書きは当時のもの)
(1)往
年月 | 要人名 |
---|---|
2002年1月 | 小泉総理 |
2002年8月 | 川口外務大臣 |
2003年1月 | 矢野外務副大臣 |
2003年10月 | 竹中金融・財政政策担当大臣 |
2004年1月 | 谷垣財務大臣 |
2004年1月 | 茂木IT担当・科学技術担当大臣 |
2004年8月 | 石原国土交通大臣 |
2004年8月 | 中川経済産業大臣 |
2005年1月 | 大野防衛庁長官 |
2005年4月 | 逢沢外務副大臣 |
2005年4月 | 竹中経済財政政策担当大臣 |
2005年6月 | 大野防衛庁長官 |
2005年7月 | 町村外務大臣 |
2005年10月 | 中川経済産業大臣 |
2006年5月 | 北側国土交通大臣 |
2006年6月 | 額賀防衛庁長官 |
2006年6月 | 天皇皇后両陛下 |
2006年7月 | 塩崎外務副大臣 |
2006年9月 | 谷垣財務大臣 |
2006年12月 | 麻生外務大臣 |
2007年1月 | 高市内閣府特命担当大臣 |
2007年5月 | 久間防衛大臣、小池総理補佐官 |
2007年6月 | 若林環境大臣 |
2007年7月 | 山本金融担当大臣 |
2007年8月 | 甘利経済産業大臣 |
2007年11月 | 福田総理(ASEAN関連首脳会議出席のため)、高村外務大臣(ASEAN関連閣僚会議出席のため)、甘利経済産業大臣(ASEAN関連閣僚会議出席のため)、鴨下環境大臣 |
2008年5月 | 石破防衛大臣 |
2008年7月 | 高村外務大臣(ASEAN関連外相会議出席のため) |
2008年8月 | 二階経済産業大臣 |
2009年4月 | 西村外務大臣政務官 |
2009年5月 | 浜田防衛大臣 |
2009年7月 | 橋本外務副大臣(APEC貿易担当大臣会合出席のため) |
2009年10月 | 中井国家公安委員長 |
2009年11月 | 鳩山総理(APEC首脳会議出席のため)、岡田外務大臣(APEC閣僚会議出席のため)、直嶋経済産業大臣(APEC閣僚会議出席のため) |
2010年5月 | 北澤防衛大臣 |
2010年8月 | 川端文部科学大臣(ユースオリンピック開会式出席のため) |
2010年12月 | 海江田内閣府特命担当大臣 |
(2)来
年月 | 要人名 |
---|---|
2001年1月 | リー・シェンロン副首相 |
2001年9月 | トニー・タン副首相 |
2002年2月 | ジャヤクマール外相 |
2002年10月 | リー・シェンロン副首相 |
2002年11月 | ジャヤクマール外相 |
2003年3月 | ゴー・チョクトン首相 |
2003年6月 | リー・クァンユー上級相 |
2003年12月 | ゴー・チョクトン首相 |
2004年6月 | リー・クァンユー上級相 |
2005年1月 | ジョージ・ヨー外相(外務省賓客) |
2005年1月 | テオ・チーヒン国防相 |
2005年4月 | リム・フンキャン貿易産業相、ヨー・チョートン運輸相、ヤーコブ・イブラヒム環境水資源相兼ムスリム担当相 |
2005年5月 | リー・シェンロン首相及びジョージ・ヨー外相 |
2005年6月 | ターマン・シャンムガラトナム教育相 |
2005年11月 | ゴー・チョクトン上級相 |
2006年1月 | ヨー・チョートン運輸相 |
2006年5月 | リー・クァンユー内閣顧問 |
2006年6月 | マー・バオタン国家開発相 |
2006年6月 | リー・ブーンヤン情報通信芸術相 |
2006年12月 | ビビアン・バラクリシュナン社会開発・青年・スポーツ相 |
2007年1月 | レイモンド・リム運輸相兼第二外相 |
2007年3月 | リー・シェンロン首相兼財務相(公式実務訪問賓客)、ジョージ・ヨー外相(リー首相に同行)、リム・フンキャン貿易産業相(リー首相に同行) |
2007年5月 | リム・ブーンヘン首相府相、リー・クアンユー内閣顧問 |
2007年8月 | コー・ブンワン保健相(故宮澤喜一内閣・自民党合同葬儀の弔問特使) |
2007年10月 | ジョージ・ヨー外相 |
2007年11月 | テオ・チーヒン国防相 |
2007年12月 | ジョージ・ヨー外相 |
2008年1月 | リム・フンキャン貿易産業相 |
2008年6月 | リム・フンキャン貿易産業相 |
2009年4月 | ターマン・シャンムガラトナム財務相 |
2009年5月 | ナザン大統領(国賓)、ジョージ・ヨー外相(ナザン大統領に同行)、リー・クァンユー内閣顧問 |
2009年10月 | リー・シェンロン首相(実務訪問賓客)、ジョージ・ヨー外相(リー首相に同行) |
2009年12月 | テオ・チーヒン副首相兼国防相 |
2010年4月 | ゴー・チョクトン上級相 |
2010年5月 | リー・クァンユー内閣顧問 |
2010年6月 | ウン・エンヘン教育相、リム・フンキャン貿易産業相、グレース・フー上級国務相 |
2010年10月 | リム・フィーファ首相府大臣兼第二財務大臣兼第二運輸大臣、マー・バオタン国家開発相 |
2010年11月 | リー・シェンロン首相(APEC首脳会議出席)、ジョージ・ヨー外相(APEC閣僚会議出席)、リム・フンキャン貿易産業相(APEC閣僚会議出席) |
8.二国間条約・協定
- 航空協定(1967年8月1日発効)
- シンガポールとの1967年9月21日の協定(1968年5月7日発効)
- 租税協定(1995年4月28日発効)
- 日本・シンガポール新時代経済連携協定(2002年11月30日発効)