スロベニア共和国
(Republic of Slovenia)

出典:外務省 各国・地域情勢(2011年6月現在)

一般事情

1.面積

2万273平方キロメートル(四国とほぼ同じ)

2.人口

約200万人

3.首都

リュブリャナ(人口27万9千人)

4.言語

スロベニア語

5.宗教

カトリック57.8%、イスラム教2.4%、セルビア正教2.3%、プロテスタント0.8%、その他37.7%

6.略史

年月 略史
6世紀末 スラヴ人(スロベニア人)定住開始。アヴァール王国等異民族による支配が続く。
1282年 ハプスブルグ家の所領となる。以後1918年までハプスブルグ帝国領
1918年 セルビア人・クロアチア人・スロベニア人王国
1945年 ユーゴ構成共和国の一つとして発足
1991年6月 独立と主権を宣言
1992年1月 EU各国等が国家承認
1992年5月 国連加盟
2004年3月 NATO加盟
2004年5月 EU加盟
2007年1月 ユーロ参加
2007年12月 シェンゲン領域加入
2008年1-6月 EU議長国
2010年7月 OECD加盟

政治体制・内政

1.政体

共和制

2.元首

ダニーロ・トゥルク大統領(2007年12月就任、任期5年)

3.議会

2院制

4.政府

社会民主党を中心とした中道左派政権

ボルト・パホル首相(2008年11月就任)

サムエル・ジュボガル外相(2008年11月就任)

5.内政

1990年に旧ユーゴ内スロベニア共和国において初の複数政党制による選挙が実施され、その結果、民族主義的色彩の濃い民主連合政権が成立。1991年6月、独立を宣言、これに伴い旧ユーゴ連邦軍との間で10日間の武力衝突が発生。ECの調停により停戦が成立し、EC諸国は、1992年1月以降国家承認した。

1992年12月新憲法の下で初の大統領及び議会選挙が実施され、クーチャン大統領が当選、自由民主党を中心とする4政党からなる大連立内閣が成立。1996年11月第2回目の議会選挙では自由民主党、人民党、年金者党による連立内閣が成立。2000年4月人民党が連立を離脱、人民党閣僚を解任した改造内閣が信任されず政治の空白が2ヶ月続いた後、6月人民党、社民党を中心とする新たな連立内閣が発足した。

2000年10月に第3回目の議会選挙が行われ、自由民主党が第一党になり、社民連合リスト、人民党及びキリスト教民主党が結成した新党、年金者党と共に中道・左派の連立政権を発足させた。

2004年10月に行われた総選挙では自由民主党を中心とした連立与党が敗北、野党であった民主党が勝利を収め、新スロベニア、人民党、年金生活者党と連立協定に調印、過半数を獲得し、ヤンシャ党首が首相に就任し、ルーペル外相も返り咲いた。

2007年10月、任期満了に伴う大統領選挙が実施され、11月の決選投票の結果、ダニーロ・トゥルク元国連事務次長補が大統領に選出され、12月に就任した。

2008年9月に行われた総選挙では、野党であった社会民主党が躍進し第一党となり、11月、ザレス、年金者党、自由民主党とともに、中道左派政権を発足させ、パホル社会民主党党首が首相に就任した(2011年5月、年金者党は、連立与党を離脱し、社会民主党、ザレス、自由民主党の連立は、少数派与党となった。)。

外交・国防

1.外交方針

EU加盟を外交の最重要目標とし、1996年6月EUとの欧州協定を署名、1999年2月発効。1998年3月EUとの加盟交渉が開始され、2004年5月EU加盟を果たした。また1992年3月にOSCE(2005年議長国)に、同年5月に国連に加盟。1998年1月より安保理非常任理事国(2年間)。隣接地域安定の観点から、南東欧安定化プロセスに積極的に協力。2008年1月にEU新規加盟国として初めてEU議長国に就任(同年6月末まで)。2010年7月にはOECDに加盟した。

2.軍事力

(1)予算 5億800万ユーロ(2010年)

(2)兵力 約8,900人(2010年)

2004年3月、NATO加盟

経済

1.主要産業

自動車等輸送機械、電気機器、医薬品、金属加工、観光

2.GDP

260.61億ユーロ(2010年(名目、見積))

3.1人当たりGDP

17,602ユーロ(2010年(名目、見積))

4.経済成長率

−8.1%(2009年)

5.物価上昇率

2.1%(2010年(見積))

6.失業率

7.2%(2010年平均値)

7.貿易額・貿易品目

(2010年(見積)、スロベニア統計局)

(1)輸出 182.3億ユーロ(自動車等輸送機械、電気機械類、医薬品)
(対日輸出(1,602万ユーロ)は、スロベニアの総輸出の0.09%)

(2)輸入 196.3億ユーロ(自動車等輸送機械、鉄鋼、電気機械類)
(対日輸入(5,148万ユーロ)は、スロベニアの総輸入の0.26%)

8.貿易相手国

ドイツ、イタリア、クロアチア、オーストリア、フランス

9.通貨

ユーロ(2007年1月に参加)

10.為替レート

1ユーロ=約110円

11.経済概況

スロベニアは旧ユーゴの先進工業地域であり、基本的に経済的基盤は整っていた。1992年のユーゴ紛争による市場喪失からマイナス成長に陥ったが、その後市場経済化、西欧諸国との関係強化に力を注ぎ、1993年より成長率はプラスに転じた。

2009年の1人当たりのGDPは17,657ユーロであり、EU新規加盟国の中で最高水準にある。1994年10月にGATT、1996年1月にCEFTAに加盟し、2010年7月にOECDに加盟した。対EU貿易が3分の2を占める。

2007年1月にユーロ参加。

2008年の金融危機の影響を受け輸出の激減、金融機関の資金不足、企業の投資鈍化により2009年のGDP成長率は−8.1%にまで落ちこんだ。

経済協力

1.日本の援助実績

技術協力実績 4.72億円(2004年度末まで)

(1)研修員受け入れ 92名
(2)専門家派遣 7名
(3)調査団派遣 40名
(4)機材供与 853万円
(5)開発調査 1件

2.主要援助国

EU

二国間関係

1.政治関係

日本は、1992年3月17日にスロベニアを国家承認し、同年10月12日に外交関係を開設した。その後、1993年7月より在オーストリア大使館がスロベニアを兼轄していたが、2006年1月在スロベニア大使館を開設した。一方、スロベニアは、1993年2月在京大使館を設置し、1995年12月初代在京大使が信任状を捧呈した。

日本では1996年日本・スロベニア友好議員連盟が発足。スロベニアでは1995年スロベニア・日本友好議員連盟を結成。

2.経済関係

日・スロベニア貿易額・品目(2009年、財務省貿易統計)

対スロベニア輸出 81億円(自動車、非鉄金属、二輪自動車等)
対スロベニア輸入 35億円(有機化合物、家具、衣類等)

3.文化関係

(1)1995年秋にリュブリャナ大学に日本語コースが開設。

(2)平成8年度より国費留学生の受け入れ開始

(3)1994年12月、仙台市中心の日・ス友好協会が設立され、2001年4月、全国規模の日・ス友好協会(会長:相沢英之元議員)が発足した。

4.在留邦人数

121人(2011年5月現在)

5.在日当該国人数

50人(2009年12月現在)

6.要人往来

(1)往

年月 要人名
1997年10月 経団連ミッション(樋口経団連副会長)
2000年10月 清子内親王殿下
2001年9月 原田友好議連会長
2004年9月 荒井外務政務官
2005年12月 塩崎外務副大臣
2006年1月 山中外務大臣政務官、保岡友好議連会長、相沢友好協会会長
2006年7月 中野厚生労働副大臣
2006年8月 北側国土交通大臣
2006年11月 武見厚生労働副大臣
2007年7月 松島外務大臣政務官
2008年7月 横路衆議院副議長
2009年 今井最高裁判所判事

(2)来

年月 要人名
1992年2月 ルーペル外相
1992年6月 タンツィグ科技相
1993年10月 クラチューン副首相兼経済相
1994年4月 ターレル議会外交委員長
1996年4月 ウメック科技相
1996年10月 デジェラク経済関係開発相
1997年10月 ドラゴニャ経済相
1998年9月 フルレッツ外相
1998年12月 マリンチェック科技相
1999年2月 シュピレティッチ友好議連会長
1999年3月 スモルコリ農林相
2000年3月 ポドブニク国民議会議長、ペトリン経済相
2004年2月 カチン国民議会外交委員長
2006年8月 ズヴェル教育スポーツ相
2006年12月 コカル友好議連会長
2008年4月 ヤンシャ首相、(ヴィズャク経済相同行)
2008年5月 ポドブニク環境・空間計画相
2008年6月 バユク財務相、ルーペル外相
2010年10月 ジャルニッチ環境・空間計画相

7.二国間条約・取極

1994年2月、旧ユーゴ政府との間で締結された通商航海条約、科学技術協力協定、文化協定、査証免除取極等の承継を確認するための口上書交換。

8.外交使節

スロベニア駐箚日本大使 石榑利光(いしぐれ としみつ)特命全権大使

日本駐箚スロベニア大使 ヘレーナ・ドルノウシェク・ゾルコ特命全権大使