ソロモン諸島
(Solomon Islands)
出典:外務省 各国・地域情勢(2011年5月現在)
一般事情
1.面積
2万8,900平方キロメートル(岩手県の約2倍)
2.人口
523,170人(2009年、世界銀行)
3.首都
ホニアラ
4.民族
メラネシア系(約94%)、その他ポリネシア系、ミクロネシア系、ヨーロッパ系、中国系
5.言語
英語(公用語)の他、ビジン英語(共通語)を使用
6.宗教
キリスト教(95%以上)
7.略史
年月 | 略史 |
---|---|
1568年 | スペイン人メンダナ、サンタ・イザベル島に来航 |
1893年 | 英国、南ソロモン諸島領有を宣言 |
1900年 | 英国、独より北ソロモン諸島を取得 |
1942年 | 日本軍、ソロモン諸島を一時占有 |
1943年 | 激戦の末(戦死者約2万人)米軍に奪取され、日本軍撤退(1950年まで米軍が駐留) |
1976年 | 「ソロモン諸島」として自治政府樹立 |
1978年7月7日 | 英国から独立 |
政治体制・内政
1.政体
立憲君主制
2.元首
エリザベス二世女王(英国女王)、フランク・カブイ(Frank Kabui)総督(2009年6月就任)
3.議会
一院制、議員数50名、任期4年
4.政府
(1)首相 ダニー・フィリップ(Hon. Danny Philip)(2010年8月就任)
(2)外務大臣 ピーター・シャネル・アゴバカ(Hon. Peter Shanel Agovaka)(2010年8月就任)
5.内政
1997年8月の総選挙の結果、ウルファアル自由党党首を首相とする連合内閣が結成されたが、1998年末より首都ホニアラがあるガダルカナル島において先住民ガダルカナル人と移民マライタ人との間で部族対立が激しくなり、2000年6月、マライタ人武装勢力による同首相拘束事件が発生し、同首相は辞任に追い込まれた。7月にはソガワレ政権が発足し、10月にはソロモン政府、ガダルカナル、マライタ両武装勢力代表の3者間で和平協定が結ばれた。
2001年12月、国際選挙監視団が監視する中、総選挙が実施され、ケマケザ政権が発足。同首相は、法秩序の回復と財政再建に取り組んだが、その後も事態は深刻化し、自力では解決できないと判断して、2003年4月に豪州に支援を求めた。7月、豪州・NZが主導し太平洋諸島フォーラム(PIF)加盟国の警察・軍隊からなるソロモン地域支援ミッション(RAMSI)が、ソロモンの法と秩序回復のために派遣されて以来、著しく治安が改善された。2006年4月、国際選挙監視団が監視する中、総選挙が平和裡に実施された。しかし、首相指名選挙でリニ氏が首相に選出後、首都ホニアラ市で騒擾が発生し、ソロモン政府は、同騒擾沈静化のため、PIF諸国へ支援を要請。豪、NZ主導で軍・警察要員がRAMSIへ増派された。その後、リニ首相は辞任。RAMSIが監視する中、首相指名再選挙が行われ、5月にソガワレ政権が発足した。
ソガワレ政権は少数5政党による連立政権であったが、同首相の政治運営に対する与野党からの不満等が高まり、2007年11月、総督に対し、首相辞任要請が提起され、12月同首相に対する内閣不信任案が可決された。その後行われた首相指名選挙で、野党統一候補として立候補したシクア前教育相が首相に任命された。
2010年8月、国際選挙監視団が監視する中、総選挙が平和裡に実施され、フィリップ政権が発足した。我が国は、同総選挙に人的及び資金的貢献を行った。
外交・国防
1.外交
PIF等地域協力機構に積極的に参加。英、豪等英連邦諸国及び近隣諸国との友好関係推進。台湾と外交関係あり。
2.国防
軍隊はない。
経済
1.主要産業
農業(コプラ、木材)、漁業
2.GNI
4.8億米ドル(2009年、世界銀行)
3.一人当たりGNI
910米ドル(2009年、世界銀行)
4.経済成長率
−2.2%(2009年、世界銀行)
5.物価上昇率
14.3%(2008年、世界銀行)
6.総貿易額
(1)輸出 1,266百万ソロモン・ドル
(2)輸入 1,730百万ソロモン・ドル
(2009年、アジア開発銀行)
7.主要貿易品目
(1)輸出 木材、魚類、ココア
(2)輸入 燃料、食糧、機械・車両
8.主要貿易相手国
(1)輸出 中国、韓国、タイ
(2)輸入 豪州、シンガポール、ニュージーランド
9.通貨
ソロモン・ドル(SI$)
1ソロモン・ドル=10.6円(2011年4月)
10.経済概況
1997年以降のアジア経済の不調と2001年以降の首都ホニアラでの部族対立による騒擾の影響で輸出が伸び悩み、大幅な財政赤字となっていたが、治安の安定に伴い2003年以降は5%を超える実質経済成長率を示すなど回復の兆しをみせている。他方、2008年後半に発生した世界的経済危機の影響を受け、2009年の実質経済成長率は約1%前後となる見込み。
現在、ニッケルの探鉱が実施されており、探鉱が成功すれば、ニッケル輸出国となる見込み。
経済協力
1.日本の援助
2009年度 | 2009年度までの累計 | |
---|---|---|
(1)有償資金協力 | なし | なし |
(2)無償資金協力 | 12.92億円 | 196.92億円 |
(3)技術協力 | 3.39億円 | 86.49億円 |
2.主要援助国
(1)豪州(177) (2)ニュージーランド(24) (3)日本(8)
(単位:百万米ドル、2008-2009年平均、DAC)
二国間関係
1.政治関係
1978年7月7日 ソロモン独立と同時に同国を国家承認
1980年2月 在パプアニューギニア大使館が在ソロモン大使館を兼轄
1980年11月 臨時代理大使がホニアラ常駐
1990年3月 在京ソロモン名誉領事館を開設
2.経済関係
(1)貿易額(2009年度、財務省貿易統計)
- ソロモンへの輸出 8.8百万米ドル
ソロモンからの輸入 6.8百万米ドル
(2)日本からの直接投資 22件 76億円(2004年度までの累計)
(3)進出日本企業数 2社(2007年現在)
3.在留邦人数
69名(2009年10月現在)
4.在日ソロモン人数
29名(2009年、法務省在留外国人統計)
5.要人往来
(1)往(1978年以降)
年月 | 要人名 |
---|---|
1978年 | 山中貞則特派大使 |
1988年 | 上村千一郎特派大使 |
1991年 | 鈴木外務政務次官 |
1992年 | 柿澤外務政務次官 |
2003年 | 矢野外務副大臣 |
2010年 | 西村外務大臣政務官 |
2011年 | 菊田外務大臣政務官 |
(2)来(1983年以降)
年月 | 要人名 |
---|---|
1983年 | ウルファアル蔵相 |
1984年 | タラササ外相 |
1985年 | トヴァ外相(万博賓客) |
1985年 | ケジョア蔵相、ハルヒル経済計画相 |
1987年 | バートレット経済計画相 |
1987年 | ケニロレア副首相 |
1988年 | アレブア首相 |
1988年 | トヴァ経済相 |
1989年 | レピン総督夫妻(大喪の礼) |
1990年 | ポール天然資源相(花博賓客) |
1990年 | レピン総督夫妻(即位の礼) |
1991年 | ケニロレア外務貿易相、ゲレ航空・観光相 |
1992年 | アベ大蔵大臣 |
1995年 | フィリップ副首相兼外相(高級実務者招聘) |
1997年 | ウルファアル首相(日・SPF首脳会議) |
1998年 | デヴエシ副首相 |
1999年 | オティ外相 |
2000年 | ウルファアル首相(第2回太平洋・島サミット) |
2001年 | ケマケザ副首相 |
2003年 | チャン外相(水フォーラム) |
2003年 | ケマケザ首相(第3回太平洋・島サミット) |
2003年 | リニ副首相、キレ漁業大臣 |
2003年 | キレ漁業大臣 |
2005年 | ナエゾン商工大臣 |
2005年 | ケマケザ首相(博覧会賓客) |
2005年 | フォノ国家計画・援助調整大臣 |
2006年 | タウシンガ副首相(第4回太平洋・島サミット) |
2009年5月 | シクア首相(第5回太平洋・島サミット) |
2010年10月 | シャネル外務貿易大臣(太平洋・島サミット中間閣僚会合) |
6.二国間条約・取極
1978年 青年海外協力隊派遣取極
1978年 日・ソロモン漁業協定
7.外交使節
(1)ソロモン駐箚日本国大使
橋廣治パプア・ニューギニア特命全権大使が兼任し、現地に岩撫明臨時代理大使が駐在
(2)本邦駐箚ソロモン大使(本国駐在)
(空席)
(3)在京ソロモン名誉領事
北野次登