サントメ・プリンシペ民主共和国
(Democratic Republic of Sao Tome and Principe)

出典:外務省 各国・地域情勢(2011年7月現在)

一般事情

<ギニア湾上に浮かぶ小島国>

1.面積

1,001平方キロメートル(東京都の約半分)

2.人口

16万人(2009年、世銀)

3.首都

サントメ(Sao Tome)

4.民族

バンツー系及びポルトガル人との混血

5.言語

ポルトガル語

6.宗教

キリスト教

7.略史

年月 略史
1975年7月 ポルトガルから独立、ダ・コスタ大統領就任
1985年10月 ダ・コスタ大統領3選
1988年3月 クーデター未遂事件発生
1990年8月 憲法改正(複数政党制への移行)
1991年3月 大統領選挙(トロヴォアダ大統領選出)
1994年10月 総選挙実施
1996年7月 大統領選挙(トロヴォアダ大統領再選)
1998年11月 国民議会議員選挙
2001年7月 大統領選挙(デ・メネゼス大統領選出)
2002年3月 国民議会議員選挙
2003年7月 クーデター未遂事件発生
2006年3月 総選挙実施
2006年7月 大統領選挙(デ・メネゼス大統領再選)
2010年8月 国民議会議員選挙

政治体制・内政

1.政体

共和制

2.元首

フラディッケ・デ・メネゼス大統領

3.議会

国民議会(55議席)

4.政府

(1)首相 パトリス・エメリー・トロヴォアダ

(2)外務・共同体相 マニュエル・サルヴァドール・ドス・ラモス

5.内政

独立以来、ダ・コスタ大統領の一党独裁が続いていたが、1990年に複数政党制を導入。1991年ミゲル・トロヴォアダ大統領が誕生するが、1994年、1998年の総選挙ではいずれもダ・コスタ大統領派が勝利し、大統領と政府与党が対立しながら共存するコアビタシオンの状況となる。2001年7月の大統領選挙には、憲法で3選が禁止されていることから、トロヴォアダ大統領が不出馬、トロヴォアダ派(当時)のデ・メネゼス大統領が当選、同年9月内閣改造を行いコアビタシオンを解消した。2002年3月の国民議会選挙により、複数政党制導入以来初の挙国一致内閣が誕生。2003年7月、軍の一部によるクーデター未遂が発生するもCEEAC(中部アフリカ諸国経済共同体)、CPLP(ポルトガル語諸国共同体)を中心とする国際仲介団等の活動により無血終結。2004年3月には4閣僚の辞任に伴い内閣改造を行った。9月にはダス・ネイヴィス首相が外国援助に絡むスキャンダルの疑いで更迭、トロヴォアダ首相率いる新内閣が任命される等、不安定な政治状況が継続。2005年には中央銀行総裁のシルヴェイラ女史が首相に就任した。2006年3月の総選挙で、デ・メネゼス大統領率いるMDFM(改革勢力民主運動)が55議席中23議席を獲得。ダ・ヴェラ・クルス氏が首相に就任。同年7月の大統領選挙でデ・メネゼス大統領が第1回投票で過半数を得て再選された。2007年11月の内閣改造を経て、2008年6月、3党連立の下で再び内閣改造が行なわれ、第2党のMLSTP-PSD(サントメ・プリンシペ解放運動・民主社会連合)のブランコ党首が首相に就任した。2010年8月に実施された国民議会選挙で野党のADI(独立民主運動)が勝利し、パトリス・トロヴォアダ党首が首相に就任した。

外交・国防

1.外交基本方針

 非同盟が基本方針。近隣諸国、ポルトガル語圏諸国との友好関係を中心に、多角化外交を重視している。1997年11月正式に仏語圏の仲間入りを果たす(ただしCFAフラン圏へは未加盟)。また、同年5月台湾と外交関係を樹立。

2.軍事力

(1)予算 52百万ドブラ(1987年)

(2)兵役 あり(30ヶ月)

(3)兵力 約600名(1995年)、空軍はない

経済(単位 米ドル)

1.主要産業

農業(カカオ豆など)

2.GNI

180百万ドル(2009年、世銀)

3.一人当たりGNI

1,130ドル(2009年、世銀)

4.GDP成長率

4.0%(2009年、世銀)

5.物価上昇率

17.0%(2009年、EIU)

6.失業率

16.7%(2006年、世銀)

7.総貿易額

(1)輸出 9.7百万ドル

(2)輸入 79.6百万ドル

(2009年、EIU推計)

8.主要貿易品目

(1)輸出 カカオ豆、綿、再輸出品

(2)輸入 食料品、石油製品

(2009年、EIU)

9.主要貿易相手国

(1)輸出 オランダ、ベルギー、フランス、タイ

(2)輸入 ポルトガル、マレーシア、オランダ、ガボン

(2010年、EIU)

10.通貨

ドブラ(Dobra)

11.為替レート

1米ドル=19,641ドブラ(2010年平均、EIU)

12.経済概況

同国経済は外国からの援助に大きく依存している。ポルトガルやフランスのほか、近年では同じポルトガル語圏のアンゴラが同国の経済協力に力を入れている。

長い間カカオ豆の輸出に依存していたが、近年の調査により同国周辺海域で石油鉱床の存在が確認されたことから、今後の経済構造に変化が期待される。開発の足枷となっていた周辺国との国境問題も解決し、ナイジェリアとの共同鉱区の開発が進められている。

また、観光業の発展にも力を注いでいるが、アクセスの悪さ、インフラの未整備及びマラリア等が障害となっている。

経済協力(単位 億円)

<食糧及び水産分野の援助が中心>

1.日本の援助実績(2009年度までの累積)

(1)有償資金協力(EN(交換公文)ベース) 0

(2)無償資金協力(EN(交換公文)ベース) 51.79億円

(3)技術協力実績(JICAベース) 6.92億円

2.主要援助国(2008年)

(1)ポルトガル (2)日本 (3)フランス (4)ベルギー

二国間関係

1.政治関係

日本の食糧援助や草の根無償資金協力等を中心とする経済協力は高く評価されている。

我が方公館:在ガボン大使館(兼轄)

先方公館:なし

2.経済関係

(1)対日貿易(2010年、財務省貿易統計)

(イ)貿易額
輸出 318万円
輸入 1億7,948万円
(ロ)主要品目
輸出 カカオ豆等
輸入 再輸出品、自動車等

(2)日本からの直接投資 なし

3.文化関係

特になし

4.在留邦人数

1人(2010年10月現在)

5.在日当該国人数

0人(2008年12月末現在)

6.要人往来

(1)往

年月 要人名
2003年4月 西川公也衆議院議員
2007年8月 伊藤忠彦衆議院議員

(2)来

年月 要人名
1989年月2月 チョング外務次官(大喪の礼)
1992年12月 ゴメス保健相(国際保健フォーラム)
1993年10月 リタ開発協力相(アフリカ開発会議)
1997年10月 フェルナンデス外務・在外共同体大臣顧問(TICAD II準備会合)
2002年2月 シルヴァ農業・地方発展・漁業大臣(民間入漁協定締結)
2003年9月 マリア・デ・ルールデス・サルヴァテラ官房長(TICAD III)
2005年7月 ガウデンシオ・ルイス・ダ・コスタ経済大臣(商業・産業・観光・農業・漁業分野担当)(愛知万博賓客)
2007年4月 フェルナンデス・ディアス経済大臣(商業・産業・観光・農業・漁業分野担当)
2008年3月 グラシアス・マルティン・ダ・シルバ・タヴァレス農業・農村開発・漁業大臣
2008年5月 ペケノ外務大臣(TICAD IV)
2009年3月 シャビエ・メンデス農業・漁業・農村開発大臣
2010年10月 カルロス・マニュエル・ヴィラ・ノヴァ公共事業・天然資源大臣(COP10)

7.二国間条約・取極

2006年6月 技術協力協定に署名