タンザニア連合共和国
(United Republic of Tanzania)

出典:外務省 各国・地域情勢(2011年1月現在)

一般事情

1.面積

94.5万平方キロメートル(日本の約2.5倍)

2.人口

4,248万人(2008年:世銀)、人口増加率 2.9%(2009年:世銀)

3.首都

ドドマ(法律上の首都であり、国会議事堂が置かれている。人口約195万人)(2007年:タンザニア国家統計局)
(政府官庁が存在するなど、事実上の首都機能を有し、経済面でも中心となっているのはダルエスサラーム(人口約288万人))(2007年:タンザニア国家統計局)

4.民族

スクマ族、マコンデ族、チャガ族、ハヤ族等(約130)

5.言語

スワヒリ語(国語)、英語(公用語)

6.宗教

イスラム教(約40%)、キリスト教(約40%)、土着宗教(約20%)

7.略史

年月 略史
1881年 ドイツ領となる。
1920年 英国委任統治領となる。
1961年 独立(ニエレレ首相)
1962年 共和制移行(ニエレレ大統領)
1964年 タンガニーカ・ザンジバル合邦、タンザニア連合共和国成立
1985年 ムウィニ大統領選出
1990年 ムウィニ大統領再選
1995年 ムカパ大統領選出
2000年 ムカパ大統領再選
2005年 キクウェテ大統領選出
2010年 キクウェテ大統領再選

政治体制・内政

1.政体

共和制(本土タンガニーカと島嶼ザンジバルが合併してできた連合共和国。連合共和国大統領は本土および島嶼ザンジバルの有権者の直接投票により選出される。一方で、島嶼ザンジバルには、連合共和国政府とは別の独自の司法・立法・行政自治権があり、独自の大統領を有する。本土タンガニーカのみの自治政府はない。)

2.元首

ジャカヤ・ムリショ・キクウェテ(Jakaya Mrisho Kikwete)大統領
(2005年12月21日就任、2010年11月6日再任、任期5年)

3.議会

一院制(任期5年)定員329名

4.政府

(1)首相 Mizengo Peter Pinda(ミゼンゴ・ピーター・ピンダ)

(2)外務国際協力相 Bernard Membe(バーナード・メンベ)

5.内政

 1961年の独立、1964年の本土タンガニーカと島嶼ザンジバルの合邦以降、ニエレレ大統領を中心とした強力な指導体制がとられ、非同盟外交を展開し、アフリカ型社会主義を追及した。20年以上にわたり大統領を務めたニエレレ大統領が引退表明後、1985年に選出されたムウィニ大統領は、社会主義的政策の緩和、経済自由化を推進し、1992年に複数政党制が導入された。1995年の複数政党制の下での初の選挙では、ムカパ候補が第3代大統領に選出され、2000年の選挙でも再選された。ザンジバルにおいては与党CCM(革命党)と野党CUF(国民党)との勢力が拮抗している。2000年には、ザンジバルの大統領・国民議会選挙をめぐる与野党間の対立から暴動事件も発生した。
 三選を禁じた憲法に従い、ムカパ大統領は勇退し、2005年12月に行われた連合共和国の大統領選挙は、平穏に実施され、80%の得票率によりキクウェテ現大統領が選出された。。
 2010年10月には連合共和国及びザンジバル共に大統領選挙・国民議会選挙が平穏に実施された。連合共和国では、約61%の得票率によりキクウェテ大統領が再選され、ザンジバルでは、任期満了のカルメ大統領に代わり、シェイン与党CCM候補(連合共和国副大統領)がハマド野党CUF候補を僅差で破った。

外交・国防

1.外交基本方針

 非同盟を基調としつつ、地域の平和と安定を目指し、アフリカ連合(AU)には創設以来参加し、2008年2月より1年間AU議長国を務めた。近隣諸国との良好な関係を維持しながら、コンゴ民主共和国及びブルンジ等大湖地域情勢の安定化、ジンバブエ問題の解決等に向け尽力している。ケニア、ウガンダとの三国間協力を推進しており、2001年、東アフリカ共同体(EAC)を正式に発足(2007年7月には、ブルンジ、ルワンダも正式加盟)させ、経済関係強化を進めている。また、南部アフリカ開発共同体(SADC)のメンバーでもある。

2.軍事力

(1)予算 173百万ドル(2007年)

(2)兵力 総兵力27,000人 陸軍23,000人 海軍1,000人 空軍3,000人

(2008 ミリタリー・バランス)

経済(単位 米ドル)

1.主要産業(2009年(推定)ただし、農業従事者の割合は2002年値):CIA)

農業 GDPの約3割。農業従事者は労働人口の約8割(コーヒー、サイザル麻、茶、綿花、カシューナッツ、タバコ、グローブ、トウモロコシ、キャッサバ等)
鉱工業 GDPの約2割。(農産物加工業(砂糖、ビール等)、ダイヤモンド、金、セメント、石油精製、製靴、アパレル、木製品、肥料等)
サービス業 GDPの約5割。(観光業等)

2.GNI

213億米ドル(2009年:世銀)

3.一人当たりGNI

500米ドル(2009年:世銀)

4.経済成長率

5.5%(2009年:世銀)

5.物価上昇率

8.9%(2009年:世銀))

6.失業率(2008年:タンザニア統計局)

1.5%

7.貿易額(2008年:タンザニア中央銀行)

(1)輸出 3,036百万ドル

(2)輸入 6,483百万ドル

8.主要貿易品目(2008年:タンザニア中央銀行)

(1)輸出 金、製造品、綿、タバコ、コーヒー等

(2)輸入 原油、機械、産業資材等

9.主要貿易相手国(2008年:タンザニア中央銀行)

(1)輸出 スイス、ケニア、南ア、中国、印

(2)輸入 アラブ首長国連邦、印、南ア、中国、シンガポール

10.通貨

タンザニア・シリング(T.shs)

11.為替レート

1ドル=約1,500タンザニア・シリング(2010年11月現在)約1,500タンザニア・シリング(2010年11月現在)

12.経済概況

 独立後、社会主義経済政策を推進していたが、石油危機や対ウガンダ戦争、旱魃の影響により、1980年代に入り経済は危機的状態に陥り、1986年以降、世銀・IMFの支援を得て、社会主義経済から市場経済へと転換し、規制緩和等を通じ、経済改革を推進した。。
 世界金融・経済危機の影響が懸念される中でも、2009年のGDP実質成長率は5〜6%と推定されている。また、一人当りGNIも1997年の210ドルから2009年には500ドルと順調に推移している。財政は歳出超過であるが、貧困削減戦略(Poverty Reduction Strategy Papers)の下で、ドナーの協力を得つつ、その実施に取り組んでいる。

経済協力

1.日本の援助実績(2008年度までの累計)(単位 億円)

(1)有償資金協力(2008年度まで、E/Nベース)334.84(債務免除:約757.87)

(2)無償資金協力(2008年度まで、E/Nベース)1,458.34

(3)技術協力実績(2008年度まで、JICAベース)650.45

2.主要援助国(2007年、単位:百万ドル)

(1)日(721.7) (2)英(231.8) (3)米(166.9) (4)蘭(128.2) (5)ノルウェー(114.3)

二国間関係

1.政治関係

1961年12月 独立と同時に承認

1966年2月 駐タンザニア日本大使館開設

1970年2月 駐日タンザニア大使館開設

2.経済関係

(1)日本の対タンザニア貿易(2008年度累計、財務省貿易統計)

(イ)貿易額
輸出 252.2億円
輸入 139.9億円
(ロ)主要品目
輸出 自動車等輸送機械、機械製品
輸入 コーヒー、貴金属、ゴマ、魚

(2)日本からの直接投資

 20件 1億3,400万ドル(2003年までの累計)
 松下電池(乾電池他製造)、JT等

3.文化関係

(1)日本より文化無償協力として視聴覚機材(1986年度)、映画制作用機材(1985年度)、理科実験機材(1981年度)、ザンジバルテレビ局への番組ソフト供与(1997年度)、国立博物館へ展示用機材(1999年度)、タンザニア国営テレビ局への番組ソフト供与(2002年度)、ンゴロンゴロ自然保護区ビジターセンター展示及び視聴覚機材整備(2010年度)等がある。

(2)日本・タンザニア協会(1978年9月28日設立)、日本タンザニア友好協会(2006年4月18日設立)

4.在留邦人数

346名(2009年10月現在)

5.在日当該国人数

300人(2009年12月現在)

6.要人往来

(1)往

年月 要人名
1974年 木村外務大臣
1979年 園田外務大臣
1982年 辻外務政務次官
1983年 皇太子同妃両殿下
1991年 鈴木外務政務次官
1997年7月 小泉厚生大臣
1999年5月 武見外務政務次官
1999年8月 鈴木官房副長官
1999年10月 愛知衆議院議員(特派大使)
1999年12月 高円宮同妃両殿下
2001年4月 櫻田外務政務官
2003年9月 矢野外務副大臣
2004年9月 日AU友好議連(自見団長)
2005年7月 河井外務政務官
2005年11月 日AU友好議連(矢野団長)
2005年12月 矢野参議院議員(特派大使)(キクウェテ大統領就任式典)
2006年7月 日AU友好議連(岩永団長)
2007年1月 田中財務副大臣
2007年2月 浜田外務政務官
2008年1月 高村外務大臣
2008年9月 御法川外務政務官(東部アフリカ・貿易投資促進合同ミッション)
2010年5月 岡田外務大臣(第二回TICAD閣僚級フォローアップ会合)

(2)来

年月 要人名
1981年 ニエレレ大統領夫妻(国賓)、ムカパ情報文化相
1987年 ムカパ外相
1989年 ワリオバ首相・ルブバ法相(大喪の礼参列)
1989年 ムスヤ蔵相
1989年 ムウィニ大統領夫妻(国賓)、ムカパ外相
1990年 アムール第二副大統領(即位の礼参列)
1991年 キボナ蔵相
1993年 マレチェラ首相兼第一副大統領、ムスヤ商工相(アフリカ開発会議出席)
1994年 キウラ公共事業・運輸・通信大臣
1996年9月 メグジ保健大臣
1998年2月 キクウェテ外相(EAC閣僚使節団団長)
1998年10月 スマイエ首相、シィムバ産業・貿易大臣(TICAD II)
1998年12月 ムカパ大統領(公式実務訪問賓客)、メグジ観光大臣
2001年10月 マシリンギ良き統治担当国務大臣(非公式)
2001年12月 キゴダ大統領府計画・民営化担当国務大臣(TICAD閣僚レベル会合)
2002年4月 ロワサ水・家畜開発大臣(ナイル流域水閣僚円卓会議)
2002年5月 シャレフ外務・国際協力副大臣(オピニオン・リーダー)
2003年3月 ロワサ水・家畜開発大臣(水フォーラム閣僚会合)
2003年9月 ムカパ大統領、キゴダ大統領府計画・民営化担当国務大臣(TICAD III)
2004年2月 ムランバ大蔵大臣(高級実務者招聘)
2004年3月 キクウェテ外務国際協力大臣(外賓)
2004年9月 ンガソングワ産業貿易大臣
2004年12月 ムカパ大統領(第18回国際自由労連世界大会出席)
2005年5月 シェニ副大統領(愛・地球博賓客)
2006年10-11月 キクウェテ大統領(実務訪問賓客)
2007年5月 メンベ外務国際協力大臣(外賓)
2008年5月 キクウェテ大統領、メンベ外務国際協力大臣、ムクロ財務経済大臣(TICAD IV)
2008年7月 キクウェテ大統領、ムクロ財務経済大臣(G8サミット・アウトリーチ)
2009年10月 ンゲレジャ・エネルギー・鉱物大臣(ICEP招聘)
2010年3月 ピンダ首相(実務訪問賓客)
2010年4月 ムカパ前大統領(インターアクション・カウンシル(OBサミット)総会出席)

7.二国間条約・取極

1966年 青年海外協力隊派遣取極
2004年 技術協力協定

8.外交使節

(1)当該国駐箚日本国大使 中川坦特命全権大使(2009年1月信任状捧呈)

(2)本邦駐箚タンザニア連合共和国大使 サロメ・タダウス・シジャナオ特命全権大使(2010年4月信任状捧呈)