トンガ王国
(Kingdom of Tonga)
出典:外務省 各国・地域情勢(2011年5月現在)
一般事情
1.面積
720平方キロメートル(対馬とほぼ同じ)
2.人口
103,967人(2009年、世界銀行)
3.首都
ヌクアロファ
4.民族
ポリネシア系(若干ミクロネシア系が混合)
5.言語
英語(公用語)の他、トンガ語を使用
6.宗教
キリスト教
7.略史
年月 | 略史 |
---|---|
1616年 | オランダ人、北方の二島発見 |
1845年 | キリスト教徒のトゥポウ一世がトンガを統一 |
1900年 | 英国の保護領となる |
1970年6月4日 | 英国より独立 |
政治体制・内政
1.政体
立憲君主制
2.元首
国王 ジョージ・トゥポウ5世(George Tupou V)(2006年就任、世襲)
3.議会
一院制(議員は議長及び閣僚、貴族議員9名、平民議員17名)
4.政府
首相 ロード・トゥイバカノ(Lord Tu'ivakano)(2010年12月就任)
5.内政
(1)民主化改革が進んでいるが、国王の内政への影響がいまだに大きい立憲君主国である。議会は一院制で貴族代表議員(9名。33家ある貴族間の互選)と人民代表議員(一般選挙により選出。2010年11月の総選挙から、9名から17名に定員が増加)からなる。
(2)2000年1月にバエア首相(当時)が辞任し、前国王トゥポウ4世が自身の三男ウルカララ王子(当時外相)を首相に任命した。2002年3月の総選挙では、首都のあるトンダカプ島で民主化推進派が人民代表全議席を獲得し、2005年3月の総選挙後、初めて人民代表議員が閣僚に任命された。また、王室の特権的立場に対する不満を背景に、同年5月に民主化グループによるデモが実施された。また、同年7月には公務員の給与引き上げに端を発した6週間にわたる全国規模の公務員ゼネストが実施され、その際には首相等の辞任、全国会議員の普通選挙での選出及び全閣僚を国会議員から選出すること等の要求があり,国民の中に民主化への支持が高まった。2006年2月にはウルカララ首相が辞任し、同年3月末トンガ史上初めて平民代表のセベレ首相代行が首相に就任した。同年11月には政治改革要求に端を発した暴動が起きたが年末までには事態は収束した。
(3) 政府は民衆の要求に応える形で、2008年から憲法、選挙制度の改革に向け検討を開始、2010年に憲法及び選挙制度改革法案が可決し、同年11月の総選挙から人民代表議員の定数が17名に増加し(貴族代表議員の定員は変わらず)、人民代表議員選挙では民主改革派が大勝した。この総選挙後、新政治制度が導入され、同年12月にはトゥイバカノ貴族代表議員が国会で初めて選出された首相として就任した。
外交・国防
1.外交
(1)英連邦諸国、特に宗主国たる英国とは緊密な関係維持。国連専門機関への加入に積極的。南太平洋の域内協力の推進。
(2)トンガは台湾と外交関係を有していたが、1998年11月2日、台湾との関係を終了し、中国との外交関係を樹立した。
2.国防
(防衛よりむしろ治安維持に主眼)
歩兵部隊、近衛部隊、海軍等で構成されており、その規模は非常に小さい。なお、2004年6月米軍の後方支援のため、44名の兵士をイラクに派遣。
経済
1.主要産業
農業(コプラ、やし油、かぼちゃ)、漁業
2.GNI
3.4億米ドル(2009年、世界銀行)
3.一人当たりGNI
3,260米ドル(2009年、世界銀行)
4.経済成長率
−0.4%(2009年、世界銀行)
5.物価上昇率
1.4%(2009年、世界銀行)
6.総貿易額
(1)輸出 17.2百万米ドル
(2)輸入 167.5百万米ドル
(2008年、アジア開発銀行)
7.主要貿易品目
(1)輸出 かぼちゃ、魚類、バニラ、カヴァ
(2)輸入 食料、飲料、家畜、機械・機器、燃料、石油製品
8.主要貿易相手国
(1)輸出 日本、米国、ニュージーランド、豪州、フィジー
(2)輸入 ニュージーランド、豪州、フィジー、米国、日本
9.通貨
パ・アンガ(T$)
1パアンガ=46.3円(2010年11月)
10.経済概況
財政状態は恒常的に海外援助及び出稼ぎ者からの送金に大きく依存。
政府は新しい輸出商品作物の開発に熱心で、既に成功しているかぼちゃに次ぐ産品の開発に向けて市場調査や相手国への輸出手続きに関する調査を積極的に行うとともに、産品の品質管理にも力を入れている。
経済協力
1.日本の援助
2008年度 | 2008年度までの累計 | |
---|---|---|
(1)有償資金協力 | なし | なし |
(2)無償資金協力 | 9.05億円 | 135.22億円 |
(3)技術協力 | 2.66億円 | 88.37億円 |
2.主要援助国
(1)豪(11.1)、(2)ニュージーランド(9.1)、(3)日本(4.2)
(単位:百万米ドル、2007-2008年平均:DAC)
二国間関係
1.政治関係
伝統的に親日的。経済・技術協力が増大し、緊密化。
2.経済関係
(1)貿易額(2010年度:財務省貿易統計)
- トンガへの輸出 17.7億円(機械類、金属製品等の原料製品類)
トンガからの輸入 1.3億円(かぼちゃ、まぐろ類)
(2)日本からの直接投資 なし
(3)進出日本企業数 1社(2009年現在)
3.在留邦人数
77名(2009年10月現在)
4.在日トンガ人数
116名(2009年:法務省在留外国人統計)
5.要人往来
(1)往(1990年以降)
年月 | 要人名 |
---|---|
1990年 | 降矢、中山、谷議員(APPU) |
2001年 | 小島外務大臣政務官 |
2003年10月 | 秋篠宮同妃両殿下 |
2005年 | 福島外務大臣政務官 |
2006年9月 | 皇太子殿下(故トゥポウ4世の国葬御参列) |
2008年8月 | 皇太子殿下(ジョージ・トゥポウ5世戴冠式御参列) |
(2)来(1982年以降)
年月 | 要人名 |
---|---|
1982年 | 国王 |
1983年 | トゥポウトア外務・国防大臣(現国王ジョージ・トゥポウ5世)(外務省賓客)、トゥイタ副首相 |
1984年 | トゥポウトア外務・国防大臣(現国王ジョージ・トゥポウ5世) |
1985年 | 国王、トゥポウトア外務・国防大臣(現国王ジョージ・トゥポウ5世) |
1986年 | 国王 |
1987年 | トゥイタ副首相 |
1988年 | トゥポウトア外務・国防大臣(現国王ジョージ・トゥポウ5世)、カバリク教育・建設・航空大臣、バエア副首相代行(外務省賓客) |
1989年2月 | トゥポウ4世国王・王妃、バエア労働・商業・産業大臣(大喪の礼) |
1990年 | トゥポウトア外務・国防大臣(現国王ジョージ・トゥポウ5世)、バエア副首相代行(花博賓客) |
1990年11月 | ピロレブ王女(即位の礼) |
1992年 | トゥポウ4世国王、トゥポウトア外務・国防大臣(現国王ジョージ・トゥポウ5世) |
1994年 | トゥポウ4世国王、トゥポウトア外務・国防大臣(現国王ジョージ・トゥポウ5世)、フアカバメイリク副首相兼教育・公共事業・民間航空相(国際防災会議)、バエア首相(ITU会議) |
1995年 | トゥポウ4世国王・王妃、トゥポウトア外務・国防大臣(現国王ジョージ・トゥポウ5世) |
1996年 | パウンガ労働通商産業観光大臣 |
1997年 | バエア首相(第1回大洋州・島サミット及び非公式)、パウンガ労働通商産業観光大臣 |
1998年 | バエア首相(南太平洋総合展出席) |
2000年4月 | ウルカララ首相(現トゥポウトア・ラバカ皇太子)(第2回太平洋・島サミット、FAOアジア太平洋地域総会) |
2000年 | トゥポウ4世国王・王妃、カバリク副首相兼教育・民間航空大臣、パウンガ労働通商産業観光大臣 |
2001年 | バイクネ国会議長、パウンガ労働通商産業観光大臣、トゥポウトア皇太子(現国王ジョージ・トゥポウ5世)、ピロレブ王女 |
2002年 | ナナシパウウ王女 |
2003年 | トゥポウトア皇太子(現国王ジョージ・トゥポウ5世)、フイエラケバ土地調査・天然資源大臣(水フォーラム) |
2003年5月 | ウルカララ首相(現トゥポウトア・ラバカ皇太子)(第3回太平洋・島サミット) |
2004年 | ウルカララ首相(現トゥポウトア・ラバカ皇太子)、ウィリアミ保健大臣 |
2006年 | トゥポウトア皇太子(現国王ジョージ・トゥポウ5世) |
2006年5月 | セベレ首相(第4回太平洋・島サミット) |
2007年11月 | タンギ副首相兼保健大臣 |
2007年12月 | ジョージ・トゥポウ5世 |
2008年3月 | セベレ首相(PIF議長、実務訪問賓客)、カララス運輸通信大臣 |
2008年9月 | カララス運輸通信大臣 |
2009年5月 | セベレ首相(第5回太平洋・島サミット) |
2009年7月 | カララス運輸通信大臣(第1回太平洋諸島シンポジウム(於:大東文化大学)) |
2010年8月 | タンギ副首相兼保健大臣 |
2010年9月 | ヌク公共事業大臣 |
2010年10月 | タンギ副首相兼保健大臣(太平洋・島サミット中間閣僚会合) |
2011年1月 | ジョージ・トゥポウ5世 |
6.二国間条約・取極
1972年 青年海外協力隊派遣取極
7.外交使節
(1)トンガ駐箚日本国大使
高瀬康夫 特命全権大使
(2)本邦駐箚トンガ王国大使
トゥポウトア・ラバカ皇太子 特命全権大使(豪州常駐)