トリニダード・トバゴ共和国
(Republic of Trinidad and Tobago)

出典:外務省 各国・地域情勢(2011年2月現在)

一般事情

1.面積

5,128平方キロメートル(千葉県よりやや大きい)

2.人口

133.9万人(2009年 ECLAC)

3.首都

ポート・オブ・スペイン

4.民族

インド系(40.0%)、アフリカ系(37.5%)、混血(20.5%)、その他(2.0%)

5.言語

英語(公用語)、ヒンディー語、フランス語、スペイン語

6.宗教

キリスト教(カトリック、英国国教会等)、ヒンドゥー教、イスラム教等

7.略史

年月 略史
1498年 コロンブスによるトリニダード島「発見」
1596年 英国人によるトバゴ島発見
1889年 英国植民地(トリニダード島、トバゴ島合併)
1956年 英国自治領
1962年 独立
1976年 共和制に移行
1986年 総選挙、国家再建連合党(NAR)政権誕生
(人民国家運動党(PNM)の独立以来の長期政権終了)
1991年 PNM政権復活
1995年 統一国民会議(UNC)とNARの連立政権誕生
2001年 UNCとPNMが同議席獲得により、野党PNM党首を首相任命
2002年 総選挙によりPNM勝利
2007年 総選挙によりPNM勝利
2010年 総選挙により野党連合「人民のパートナーシップ」勝利、新政権誕生

政治体制・内政

1.政体

立憲共和制

2.元首

ジョージ・マックスウェル・リチャーズ大統領(2003年〜、第四代目)

3.議会

二院制(上院(31議席、任命制)、下院(41議席))

4.政府

(1)首相名 カムラ・パサード=ビセッサー

(2)外相名 スールージュラタン・ランバチャン

5.内政

(1)アフリカ系の人民国家運動党(PNM)が長期安定政権を維持していたが、石油価格低落による不況で国民の不満が高まり、1986年の総選挙(下院選挙、以下同じ)で、国家再建連合党(NAR)のロビンソン政権が成立。しかし、1987年末頃よりNARの内部対立が表面化。1990年7月には回教徒集団による政府転覆未遂事件発生。1991年の総選挙でPNMが政権に返り咲き党首マニングが首相就任。

(2)1995年11月の総選挙でPNMは過半数をとれず、統一国民会議(UNC)とNARの連立によりパンデイUNC党首が初のインド系首相に就任し、1997年にはPNMより2議員が連立に参加し、その基盤が強化された。2000年12月に総選挙が実施され、与党が勝利したが、与党候補の二重国籍問題、落選者の閣僚任命を巡り、大統領と首相の対立が表面化した。2001年の総選挙では与党UNCと野党PNMが同数の18議席を獲得したが、ロビンソン大統領が野党のマニング党首を首相に任命したため、野党に転じたUNCと与党PNMとの関係が悪化し、国会が機能停止状態に追い込まれた。2002年10月、政局打開のために改めて総選挙が実施された結果、与党PNMが20議席を獲得して勝利した。これを受けてマニングPNM党首が首相に再任命された。その後、2007年11月も再任命。

(3)2010年5月総選挙から5年間の任期満了を待たず総選挙実施。与党の開発公社汚職疑惑による政府批判の高まり、野党UNC新党首の人気、野党連合結成等を背景に、野党連合「人民のパートナーシップ」が勝利。パサード = ビセッサー政権が誕生した。

外交・国防

1.外交基本方針

(1)米国、英連邦(トリニダード・トバゴは加盟国)及びカリブ共同体(CARICOM)諸国との関係強化を重視

(2)中国、キューバ、韓国、北朝鮮とも外交関係を有する。

2.軍事力

1967年3月、米州機構(OAS)に加盟するとともにOAS集団防衛体制下に入った

(1)予算 158百万米ドル(見込)(2009年 ミリタリーバランス2009)

(2)兵役 志願制

(3)兵力 国防軍4,063人(陸軍3,000人、沿岸警備隊1,063人)(2009年 ミリタリー・バランス2010)

経済(単位 米ドル)

1.主要産業

エネルギー産業(石油・石油製品、天然ガス、メタノール、アンモニア、尿素)、鉄鋼製品、食料品、セメント

2.名目GNI

207億米ドル(2009年 世銀)

3.一人当たりGNI

16,700米ドル(2009年 世銀)

4.GDP成長率

−0.9%(2009年 ECLAC)

5.インフレ率

165.6(2008年)、177.2(2009年) (IMF指数 / 2000年 = 100)

6.失業率

5.3%(2009年 ECLAC)

7.総貿易額

(1)輸出 9,175百万米ドル(2009年 ECLAC) (財、F.O.B.)

(2)輸入 6,973百万米ドル(2009年 ECLAC) (財、F.O.B.)

8.主要貿易品目

(1)輸出 鉱物・燃料、化学製品、工業製品、食品

(2)輸入 鉱物・燃料、工業製品、輸送機器、食品

9.主要貿易相手国(2009年 WTO)

(1)輸出 米国、EU、ジャマイカ、バルバドス、スリナム

(2)輸入 米国、EU、コロンビア、ロシア、ガボン

10.通貨

トリニダード・トバゴ・ドル(TTドル)

11.為替レート

1米ドル=6.39TTドル(2011年1月 IMF)

12.経済概況

 独立以降、石油・石油化学部門が輸出収入・政府歳入の5割強を占めてきた。しかしながら、狭小な市場という構造的要因に加え、1980年代半ばには石油価格が急落するという外的要因によって深刻な経済危機に見舞われ、1980年代後半、輸出振興、規制緩和、民営化推進等経済の構造調整を余儀なくされた。1993年以降、石油部門に加え、天然ガス・天然ガス関連部門が拡大し、構造調整政策の効果が現れはじめ、成長はプラスに転じ、2008年前半までは、石油・天然ガスの価格高騰等により輸出収入が急増し、15年連続のプラス成長を達成した。

 世界経済危機の影響下、エネルギー部門の伸び悩み、非エネルギー部門の生産縮小により、景気後退したが、回復のきざしがみられる。

 世界経済危機後は、エネルギー部門への依存を改めるべく、産業多角化を目指している。2010年5月に政権が交代し、新政権は産業の多角化、農業復興を謳っている。

経済協力

1.我が国の援助実績(累計)

(1)有償資金協力(2008年度まで、交換公文ベース) なし

(2)無償資金協力(2008年度まで、交換公文ベース) 1.54億円

(3)技術協力実績(2007年度まで、JICAベース) 32.57億円

2.主要援助国(2007年)

(1)フランス (2)カナダ (3)ドイツ (4)米国 (5)英国

二国間関係

1.政治関係

 我が国は独立と同時に承認、1964年5月外交関係開設。1979年、我が国大使館を開設。トリニダード・トバゴ側は1971年以来在インド大使館が日本を兼轄。

2.経済関係

対日貿易

(1)貿易額(2009年 JETRO貿易統計)

対日輸出 51億円
対日輸入 105億円

(2)主要品目

対日輸出 LNG、カカオ豆等
対日輸入 自動車、一般機械等

3.文化関係

文化無償協力 2件(美術館の保存・展示機材、LL機材)(2002年度まで)
JETプログラム、国費留学生の実績あり
日本文化祭(西インド諸島大学)
和食デモンストレーション・邦楽公演(琴・和太鼓)

4.在留邦人数

42人(2009年10月現在)

5.在日当該国人数

80人(2009年12月現在)

6.要人往来

(1)往(1986年以降)

年月 要人名
1986年 中米・カリブ投資環境調査団
1989年 山下徳夫衆議院議員
1996年 三塚博衆議院議員(2002年ワールド・カップ招致活動)
1999年 亀谷博昭農水政務次官
2001年 山口泰明外務大臣政務官
2006年 猪口邦子内閣府特命担当相(総理特使)
2010年 山花郁夫外務大臣政務官

(2)来(1974年以降)

年月 要人名
1974年 ウィリアムズ首相
1975年 ウィリアムズ首相、マハビア商工相
1978年 マハビア石油鉱山相
1985年 チェンバース首相、マハビア外相、モットレー商工相
1987年 スダマ大蔵経済担当相、モハメッド下院議長
1988年 ゴードン工業・企業・観光相
1989年 ウィルソン蔵相
1990年 ウィルソン蔵相
1991年 ウィルソン蔵相
1991年 ドゥケラン計画・動員相
1993年 モトレー蔵相
1994年 セイス計画・開発相
1999年 マックリーン国会議員
2005年 ロビンソニーレジス計画・開発相(IDB総会出席)
2010年 ランバチャン外相(第2回日・カリコム外相会議出席)

7.二国間条約・取極

なし