バヌアツ共和国
(Republic of Vanuatu)

出典:外務省 各国・地域情勢(2011年6月現在)

一般事情

1.面積

1万2,190平方キロメートル(新潟県とほぼ同じ大きさ)

2.人口

239,788人(2009年、世界銀行)

3.首都

ポートビラ

4.民族

メラネシア系(93%)、その他中国系、ベトナム系及び英仏人が居住。

5.言語

ビシュラマ語(ピジン英語)、英語、仏語(いずれも公用語)

6.宗教

主にキリスト教(プレスビタリアン、ローマ・カトリック、アングリカン、セブンス・デイ・アドベンティスト等)

7.略史

年月 略史
1605年 キロス(スペイン人探検家)が発見。
1906年 英仏の共同統治下に入る。
1980年7月30日 独立(英連邦の一員)、サント島反乱鎮圧

政治体制・内政

1.政体

共和制

2.元首

イオル・アビル(Iolu Abil)大統領(2009年9月就任)

3.議会

一院制、議員数52名、任期4年

4.政府

(1)首相 サトー・キルマン(Sato KILMAN)(2011年5月就任)

(2)外務・貿易大臣 アルフレッド・カーロット(Alfred CARLOT)(2011年5月就任)

5.内政

 バヌアツはかつて英・仏が共同統治下を行ってきたことから英系と仏系の政党が政権争いを繰り返して内政は不安定な状態が続いてきた。
 2004年11月にボオール首相(仏系)が単独で台湾を訪問し、台湾との外交関係樹立のコミュニケを発表したが、ほとんど全ての閣僚は「一つの中国」政策を維持すべきとの立場を表明したため、ボオール首相の内閣での立場が孤立し、結局同年12月に内閣不信任動議が提出、可決され、新首相にハム・リニ(英系)が選出された。
 2008年9月に行われた総選挙では、エドワード・ナタペイ元首相率いるバヌアアク党(VP)が11議席、現職のリニ首相率いる国民連合党(NUP)が8議席をそれぞれ獲得。各党間の多数派工作の結果、ナタペイVP党首が首相に選出された。
 2010年12月、ナタペイ首相に対する内閣不信任動議が可決され、サト・キルマン副首相兼貿易大臣が首相に選出されたものの、2011年4月、キルマン首相に対する不信任決議が可決され、過去に3度首相を務めた経験があるボオール氏が4度目の首相に選出された。しかし、その後5月、議会がボオール首相を選出したことは違憲との控訴審判決がなされ、キルマン氏が首相に復権した。

外交・国防

1.外交

 外交関係の多角化、南太平洋諸国、特にPNG、ソロモン等メラネシア諸国との連帯強化、非同盟主義の推進、各地(ニューカレドニア等)の独立運動支援、反核政策推進。

2.国防

軍隊はない。

経済

1.主要産業

農業、観光業

2.GNI

6.3億米ドル(2009年、世界銀行)

3.一人当たりGNI

2,620米ドル(2009年、世界銀行)

4.経済成長率

4.0%(2009年、世界銀行)

5.物価上昇率

4.9%(2008年、世界銀行)

6.総貿易額

(1)輸出 6,150百万バツ(2009年、アジア開発銀行)

(2)輸入 31,086百万バツ(2009年、アジア開発銀行)

7.主要貿易品目

(1)輸出 コプラ、木材、カヴァ、牛肉、ココア

(2)輸入 機械・輸送機器、食料品、日用品

8.主要貿易相手国

(1)輸出 タイ、日本、カナダ

(2)輸入 豪州、日本、シンガポール

9.通貨

バツ(Vatu)

1バツ=0.9円(2011年6月)

10.経済概況

 コプラの生産と自給自足農業を基盤とするが、都市部と農村部では大きな格差がある。恒常的な輸入超過で、赤字を外国援助で補填。近年は農業の多様化と観光振興に力を入れている。また、1997年半ばよりADBの協力のもと大規模な行政・経済改革である「包括的改革計画」を実施しており、2003年には中期計画として「優先課題・行動計画」を策定した。2003年、2004年は前年のマイナス成長を脱し、プラス成長を記録した。

経済協力

1.日本の援助

  2009年度 2009年度までの累計
(1)有償資金協力 なし なし
(2)無償資金協力 11.88億円 105.99億円
(3)技術協力 3.92億円 58.90億円

2.主要援助国

(1)豪州(33)、(2)米国(24)、(3)日本(14)

(単位:百万米ドル、2008-2009年平均、DACベース)

尚、2004年5月、米のミレニアム・チャレンジ・アカウント援助の16供与適格国の一つに認定された。

二国間関係

1.政治関係

1980年7月 独立式典に秋田大助特派大使派遣
1981年1月 日・バヌアツ間に正式の外交関係開設
1993年11月 在京バヌアツ名誉領事館開設(2003年、閉館)

2.経済関係

(1)貿易額(2009年度、財務省貿易統計)

バヌアツへの輸出 74.5百万米ドル
バヌアツからの輸入 25.5百万米ドル

(2)日本からの直接投資 49億円(2008年度)

(3)進出日本企業数 3社(2007年現在)

3.在留邦人数

84名(2009年10月現在)

4.在日バヌアツ人数

5名(2009年、法務省在留外国人統計)

5.要人往来

(1)往(1980年以降)

年月 要人名
1980年 秋田特派大使
1985年 森下元晴議員
1986年 浦野外務政務次官
1987年 倉成外相
1991年 鈴木外務政務次官
2003年 矢野外務副大臣

(2)来(1982年以降)

年月 要人名
1982年 ソペ外務次官(中堅指導者招待)
1984年 リニ首相(外務省賓客)
1988年 レゲンバヌ文部大臣
1989年 ティマカタ大統領夫妻(大喪の礼)
1990年 リニ首相(花博賓客)
1991年 リニ首相(外務省賓客)
1992年 ボール外相
1995年 コーマン首相
1997年 ボオール首相(第1回太平洋・島サミット)
2000年 ソペ首相(第2回太平洋・島サミット)
2001年 イアティカ蔵相(税制に関する東京会合)
2003年3月 ティティク土地・環境・地質鉱山・水道大臣(水フォーラム)
2003年5月 ナタペイ首相(第3回太平洋・島サミット)
2004年2月 モリサ財務大臣
2005年6月 リニ首相
2005年7月 ブレ貿易・商業・観光大臣(博覧会賓客)
2006年5月 リニ首相(第4回太平洋・島サミット)
2009年5月 ナタペイ首相(第5回太平洋・島サミット)
2010年10月 ナタペイ首相(外務省賓客、太平洋・島サミット中間閣僚会合)、ナツマン外務大臣(太平洋・島サミット中間閣僚会合)

6.二国間条約・取極

1987年 青年海外協力隊派遣取極
2006年 技術協力協定

7.外交使節

(1)バヌアツ駐箚日本国大使
 吉澤裕駐フィジー大使が兼任

(2)本邦駐箚バヌアツ大使
 任命されていない