税務専門誌を読む
相続税、申告書を作れない。海外転居者から不満の声(相続税にも納税管理人の制度を!)
(出典:納税通信 平成13年12月3日)
相続税の申告期限に対し、海外転居者から不満の声が聞こえる。相続税の申告期限は、原則として相続の開始があったことを知った日から10ヶ月以内となっている。
ただし、それは相続人が国内に住所をおいていることが前提。
仮に、相続人が相続開始後10月以内に国外に移転する場合は、その住所を移す日までに相続税の申告書を提出しなければならない(相法27の1)。
(1-申告までに相続財産の把握から遺産分割協議まで、2-路線価は8月まで公表されない、3-とりあえず法定相続分で申告しても遺産分割を要件とする配偶者の税額の軽減や小規模宅地の評価減の特例を適用できない・・・)
・・・「所得税法では、年の途中で国内に住所を移しても、納税管理人を置くことで、原則の確定申告期限までに申告書を提出できる。相続税についても、納税管理人を置くことを認めるべきだ。」との声も・・・
わが国の税制の中で、一番国際化が遅れている資産税の一面を現したもの。
ここまでハッキリ制度の不備の側面を指摘しているということは、近いうちに制度改正があるのでは?
なお、所得税と相続税では公務員に対する住所の取扱いが異なっていることに注意する必要がある。