平成17年度政府税制改正の要綱
(「政府要綱」平成17年1月17日 財務省HP)
政府要綱が発表されましたので、比較してみました。
タックスヘイブン対策税制
与党要綱 | 政府要綱 |
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(1) 特定外国子会社等で所在地国基準等を満たさないものが事業基準や実体基準、管理支配基準を満たす場合、適用対象留保金額は、当該特定外国子会社の未処分所得の金額から、人件費の百分の十相当額を控除する。 | 特定外国子会社等で所在地国基準又は非関連者基準を満たさないものが事業基準、実体基準及び管理支配基準を満たす場合における適用対象留保金額は、当該特定外国子会社等の未処分所得の金額から一定の人件費の100分の10に相当する金額を控除した金額とする。 |
上記の改正は、特定外国子会社等の平成17年4月1日以後に終了する事業年度において生ずる適用対象留保金額について適用する。 | |
(2) 内国法人等が特定外国子会社等から配当を受けた場合の損金算入限度額の対象となる当該特定外国子会社等への課税済留保金額の対象期間を10年に延長する。 | 内国法人等が特定外国子会社等から配当等を受けた場合において、当該配当等を受けた日の属する事業年度開始の日前10年以内(現行5年以内)に開始した各事業年度の当該特定外国子会社等の課税済留保金額について損金算入を認める。 |
上記の改正は、内国法人等の平成12年4月1日以後に終了した事業年度において生じた課税済留保金額について適用する。 | |
(3) 特定外国子会社等の未処分所得の金額の計算で控除する欠損金の繰越期間を7年(現行5年)に延長する。 | 特定外国子会社等の未処分所得の金額の計算において控除する欠損金に係る繰越期間を7年(現行5年)に延長する。 |
上記の改正は、特定外国子会社等の平成17年4月1日以後に終了する事業年度において生ずる欠損金額について適用する。 | |
外国関係会社及び外国子会社合算税制の適用を受ける内国法人等の判定において、内国法人の役員等(非居住者を含む。)の有する株式等を加える。 上記の改正は、特定外国子会社等の平成17年4月1日以後に終了する事業年度について適用する。 |
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特定外国子会社等が利益の配当又は剰余金の分配の額が異なる株式等を発行している場合には、その利益の配当又は剰余金の分配を受ける金額に応じて課税対象留保金額の計算を行う。 上記の改正は、特定外国子会社等の平成17年4月1日以後に終了する事業年度について適用する。 |
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内国法人等に係る外国において設定された特定信託に類する一定の信託について、特定外国子会社等に係る所得の課税の特例と同様、当該信託に留保された所得を、当該内国法人等の所得金額の計算上益金の額に算入することとする。なお、当該信託については、適用除外基準を設けない。 上記の改正は、外国信託の平成17年4月1日以後に開始する計算期間について適用する。 |
不動産所有法人の株式の譲渡
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非居住者及び外国法人が、国内の不動産(土地、建物その他一定の資産)を主たる資産(総資産の50%以上)とする法人の発行する株式等の譲渡で得る所得を、申告納税の対象となる国内源泉所得の範囲に加える。 注※非居住者は2006年分以後、外国法人は2005年4月1日以後に開始する事業年度の法人税に適用する。 |
非居住者又は外国法人が、国内にある不動産が総資産の50%以上である法人が発行する一定の株式等又は国内にある不動産が信託財産の価額の総額の50%以上である特定信託の一定の受益権の譲渡をした場合において、当該譲渡による所得を申告納税の対象となる国内源泉所得の範囲に加える。 上記の改正は、非居住者は平成18年分以後の所得税について、外国法人は平成17年4月1日以後に開始する事業年度の法人税について適用する。 |
国内源泉所得の整備
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非居住者又は外国法人に係る事業譲渡類似株式等の譲渡益課税について、次の措置を講ずる。 (1) 特殊関係株主等の範囲に、非居住者又は外国法人が民法に規定する組合契約その他これに類する契約による組合(外国におけるこれらに類するものを含む。以下「民法組合等」という。)を通じて内国法人の株式等を所有する場合における当該民法組合等の他の組合員を加える。 (2) 対象となる株式等の譲渡の範囲に、減資による払戻しを受ける場合等における株式等の譲渡等を加えるとともに、適用要件の整備を行う。 上記の改正は、非居住者は平成18年分以後の所得税について、外国法人は平成17年4月1日以後に開始する事業年度の法人税について適用する。 |
投資ファンド(民法組合)等
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民法組合等の組合員である非居住者・外国法人(以下「外国組合員」という)が受ける申告納税の対象とされる利益(当該民法等組合が国内で行う事業から生ずるものに限る)の分配について、次の措置を講ずる。 | 民法組合等の組合員である非居住者又は外国法人(以下「外国組合員」という。)が受ける申告納税の対象とされている利益(当該民法組合等が国内において行う事業から生ずるものに限る。)の分配について、次の措置を講ずる。 |
(1) 民法組合等の外国組合員が受けるべき利益の分配については、当該民法組合等の各計算期間の末日の翌日からニ月を経過する日(同日前に当該利益の分配が行われた場合には、分配が行われた日)に、20%の税率により源泉徴収を行う。 | 外国組合員が受けるべき利益の分配については、当該民法組合等から利益の分配が行われた日(当該利益の分配が当該利益に係る各計算期間の末日の翌日から2月を経過する日までに行われない場合には、当該2月を経過する日)に、20%の税率により源泉徴収を行う。ただし、外国組合員のうち国内に組合事業以外の事業に係る恒久的施設を有する者については、一定の要件の下で、源泉徴収は行わない。 |
(2) 国内に組合事業以外の事業に係る恒久的施設を有する外国組合員については、一定の要件の下、上記(1)の源泉徴収は行わない。 | |
(3) 外国組合員が上記(1)の各計算期間に受けるべき利益の分配に係る支払調書制度の整備を行う。 | 外国組合員が民法組合等の各計算期間に受けるべき利益の分配に係る支払調書制度の整備を行う。 |
(4) その他所要の措置を講ずる。 注※2005年4月1日以後に開始する計算期間に係る利益の分配について適用される。 |
その他所要の措置を講ずる。 上記の改正は、平成17年4月1日以後に開始する計算期間に係る利益の分配について適用する。 |
移転価格税制
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国外関連者との取引に係る課税の特例(いわゆる移転価格税制)について、適用対象となる国外関連者の範囲に、次の者を加える。 (1) 内国法人等と外国法人との間に、実質支配関係(事業方針を実質的に決定できる関係)と持株関係(発行済株式総数の50%以上を保有する関係)との連鎖又は実質支配関係のみによる間接の支配関係がある場合の外国法人 (2) 内国法人等と外国法人とが同一の者によって、実質支配関係と持株関係又は実質支配関係のみにより直接又は間接に支配される関係がある場合の外国法人 上記の改正は、平成17年4月1日以後に開始する事業年度の法人税について適用する。 |
居住者(個人)の外国税額控除
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居住者の外国税額控除に次の措置を講じる。 | 居住者の外国税額控除制度について、次の措置を講ずる。 |
(1) 外国税額控除の適用を受けた外国所得税の額が、後に外国で減額された場合、減額された年分において納付した他の外国所得税の額から控除する。 | 外国税額控除の適用を受けた外国所得税の額がその後の年分において外国で減額された場合には、その減額された年分において納付した外国所得税の額から控除する等の調整を行う。 上記の改正は、平成17年4月1日以後に外国所得税の額が減額される場合について適用する。 |
(2) 控除対象となる外国所得税の範囲から、租税条約の相手国で課された外国所得税のうち、租税条約の規定で外国税額控除の対象外とされたものを除外する。(? どこの条約が適用になるのか?) | 控除の対象となる外国所得税の範囲から、租税条約の相手国において課された外国所得税のうち租税条約の規定により外国税額控除の対象とされないこととされたものを除外する。 上記の改正は、平成18年分以後の所得税について適用する。 |
条約届出書関係
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条約届出書の提出の際に添付すべき居住者証明書について、源泉徴収義務者への提示等一定の要件の下で、その添付があったものとみなすこととする。 上記の改正は、平成17年4月1日以後に条約届出書を提出する場合について適用する。 |
帳簿書類
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外国法人が備え付ける帳簿及び保存すべき帳簿書類の範囲の明確化その他所要の整備を行う。 |
非居住者等に対する国際の特例
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物価連動国債の譲渡対象者の範囲に、外国法人及び適格外国証券投資信託の受託者である外国法人等を加える。 | 同左? |