経済論壇から(西村清彦東大教授) 二つの巨大な経済(中国とインド)と世界

(出典:日経朝刊 2月29日)

「週刊エコノミスト(平成16年1月27日)」において日本大学の稲葉陽二教授は、次のことを紹介している。NYの会計事務所では「顧客から受けた仕事をインドへ送り、インドの会計士に処理させ」「顧客にはNY料金で請求する一方、支払いはインドの人件費相場」だから収益は劇的に改善するというのである。
 従来、サービス部門は米国の最も強い分野であり雇用創出の源となっていた。ITを使った世界規模のアウトソーシングで労働生産性が向上し、企業収益をかさ上げするが、それが雇用増に結びつかなくなっているとの指摘。
 また、IBMがソフトウエア開発を中国やインドに移す準備をしているという内部情報をスッパ抜いている。

 サービスト業務の海外へアウトソーシングがジワーと浸透している。
 日本でも、会計代行業務を中国でするという話を聞いている。月1万円で会計代行を引き受けても、日本から戻った日本語の堪能な人たちに入力業務をさせるという。真偽は不明だが、変に説得力がある。
 会計業務をインドに任せるというが、単純な業務部分に限られるのだろうか。日本の税務相談を、中国でしてもらえるようになるのだろうか。