エンジェル税制利用低迷

(出典:日経朝刊 7月10日)

 創業から間もない企業への資金供給を促すエンジェル税制の利用が低迷している。2006年度の投資額は13億円前後と05年度から46%減ったもよう。
 欧米に比べ税制面でのメリットが薄いほか、新興株相場の低迷を受け未上場企業に対する個人投資家の投資意欲も減退したとみられる。
 経済産業省は個人からの出資を望む企業をインターネット上で公開し、投資の機会を認知させたい考えだ。
 エンジェル税制を利用した投資を受け入れた企業数は17社と2社増えたが、投資家は49人(!)と7割近く減った。

 やはり、と思ってしまった。
 エンジェル税制を説明する原稿を書くことがあるが、書いていて、どういう人が投資するのだろうか、と思ってしまう。
 要は、非常に使いづらい税制で、メリットを受けられる投資家が非常に限定されるのだ。
 上場企業については、税制改正のおかげで非常に使いやすくなってきたが、未上場の株式については、「節税の道具」に使われるのを危惧する人たちが多いのだろうと思う。
 日本全体の活性化と節税対策(租税回避措置)とどちらが大切なのだろうか。